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  • 1人~4人
  • 90分~120分
  • 13歳~
  • 2017年~

スピリット・アイランド18toyaさんのレビュー

1730名
10名
0
3年以上前

至高のソロゲーム。止めどなく押し寄せる侵略者から島を守れ!

【評価8.5/10】重量級・1~4人

個別能力&固有デッキ+能力成長+デッキ構築+エリアディフェンス!

BGG(ボードゲームギーク)で12位という驚異の順位,そしてソロゲーとしての評価が非常に高いゲームです。

ソロプレイと2人プレイを試しましたので以下でレビューしていきます。 


<ゲームの骨子>

このゲームではプレイヤーは精霊を操り,とめどなく押し寄せる侵略者の街や都市,遠征隊を破壊して侵略者を島から駆逐するのが目的です。

精霊達は毎ターン失われていた力を徐々に取り戻していき,侵略者達にどんどん対抗しやすくなっていきますが,侵略者の侵略度合いもどんどん苛烈さを増していく。

精霊が力を取り戻して島から侵略者を追い出すのが早いか。

侵略者が島を荒らし荒廃させるのが先か。

とてもスリリングなゲームです。


 <成長>

このゲームで面白いポイントはいくつかあって,まず精霊は毎ターン成長する点。

カードを使うための支払いとして使う精霊力(普通のボードゲーム・カードゲームで言うお金やマナのようなものです),カードをプレイできる枚数,新たな能力カードの獲得など,なにがしかは必ず成長します。


精霊力やカードプレイ枚数は,最初駒で隠されておりどちらも数字は小さいものですが


いくつかある成長の選択肢のうち,能力を覆っている駒を島に置き替える事を選択する事で能力が解放されます。

これにより,精霊力やカードプレイ枚数が育成されると同時に精霊のカードの効果を及ぼせる範囲が広まっていきます。

というのも,精霊が能力を発動できる距離には制限があり,「存在駒から○距離以内」「聖域から○距離以内」等と制限が課されているため,島の中に置かれた存在駒が少ない最初は精霊の力を発揮できるエリアが限られています。


これは「存在駒から1距離以内なら発動できる」と言う意味。


精霊は成長とともに存在駒をたくさん島の中に置き,精霊力やカードプレイ枚数が増える事で強力なカード、強力な能力を島の広い範囲に複数発動できる事になる。

このように,精霊の力は最初は弱くとも加速度的に成長していくのが面白いポイントです。 


<苛烈な侵略者の略奪>

しかし,精霊が加速度的に強くなるのに,このゲームでは凄く気持ち良くなれるのはごくまれです。というのも精霊の成長に負けず劣らず侵略者の魔の手も苛烈だからです。

特に精霊が弱い序盤には大いに押され,また中盤には多少侵略者を手玉に取ったり凌いだりはできるものの前半に押された時の負債が残っている事が多く,だいたい1つの土地は町や都市が立ちすぎて,押し返すどころか触れる事すら容易ではない状況になっています。


遠征隊、町、都市の1セットが出来てしまった図。序盤にこのような場所が出来るとどんどん手が付けづらくなっていきます。


 <終盤>

かくして,精霊は次々に押し寄せる侵略者をどうにかこうにか掻い潜り,町や都市をちまちまと潰して決定打を防ぎながら侵略者に不安を蓄積させていき,

町と都市が無ければいいという恐怖レベルⅡ

あるいは都市さえ島の中に無ければ良いという恐怖レベルⅢ

に到達して勝利条件を満たせるよう,道筋を探っていきます。

島が荒廃するのが先か,侵略者に十分な恐怖を与えて精霊が勝利するのが先か。大抵際どい勝負になります。ここら辺は本当に良くバランスが練り込まれていると思います。


 <ソロプレイの感想>

基本セットには8体の精霊が入っており,それぞれの成長の仕方や得意とする戦法,能力の発動に必要なエレメント(元素)等が全く異なっており,相当にプレイ感が異なります。

攻撃と破壊が得意なタイプ,不安を与えるのが得意なタイプ,防御が得意で先住民の力を借りて侵略者を駆逐するタイプ,水の力で侵略者を押し流すタイプ…等。

しかし,どのタイプでも楽勝もできず,しかし圧倒的に負ける事も無い,厳しい状況になりはしますが,勝つにしても負けるにしても大体は良い勝負になるようデザインされているのでしょう。バランスが非常に秀逸です。

 また,通常プレイで勝率が高くなったとしても敵勢力とレベル,シナリオ等の広い選択肢から自分に適した難度を選べること,また通常使用している島のマップの裏面を使用することで難易度も変わり,非常に幅広い難易度を選択できるよう設計されています。

本当にこれは出色の出来で,このゲームだけ遊んでいても半年や1年は遊べるのでは?と思うほどです。

噂に違わず,ソロ用ボードゲームとして相当高いレベルで作り込まれており,手応えのあるソロ用ボードゲームを入手したい人にはお勧めできる一作です。


 <2人プレイの感想>

しかし,上記のようにソロプレイで十分に楽しめるよう絶妙なバランスにチューンされている反動として,2人以上でプレイをした時も自分のエリアで侵略者に対処する事でいっぱいいっぱいになりました 笑

従って「そっちのエリアは何とかできるよね?信じてるよ,何とかしてね!こっちはこっちでそっちには迷惑かけないように頑張るからね!」という,「ソロ×人数」になるのは必然の帰結と言えるでしょう。

余談にはなりますが,本ゲームの他の方のレビューではパンデミックとの比較について言及がいくつかありましたが,私個人としてはパンデミックのプレイ感とは相当違うものに感じました。

というのもパンデミックでは,それぞれのプレイヤーが自身の割当キャラクターの能力に応じて,どこに向かう・何をするという役割が結構異なってきます。

そうした上で,治療薬を開発するためには同色のカードを5枚集めなければならず,たまたま同色を神引きで集められればラッキーですが,基本的には他者との間でカードをやりとりしながら少しでも早く治療薬を開発する必要があるゲームです。そのため他者とのインタラクションが非常に強い。

一方スピリット・アイランドでは,各精霊は確かに全く異なる能力を持っており,一見パンデミック同様各キャラクターが補い合うようにも見えるのですが,その実各キャラクターはソロでもギリギリ勝利できるかできないかの絶妙なバランスでチューニングされているため,逆に各個人がそれぞれで完結しがちな構造になっているのです。

更に,これに輪をかけるのが能力の到達距離のシステムで,1人用ゲームの際には「ああ,ここに存在駒が無いとここに影響を及ぼせない,駒をここに置かないと!ああでも今駒を置く余裕がないよ,どうしよう」と絶妙なバランスでのジレンマを迫ってくれたシステムにより,「君の領域に到達距離が届かないんだよ…自力で頑張ってもらうしかない,頑張って!」と,それぞれの領域の中に閉じこもったプレイを促されるのです。

特に強力な能力は聖域からの距離が0距離だったり1距離だったりするので余程上手にプレイしないと他プレイヤーの領域まで強力な効果を及ぼす事は難しいでしょう。

以上から,スピリット・アイランドでは意識の向く先が「9割自分,1割他人」くらいの感じになり,「Do Your Best」なゲームになるように思います。パンデミックレベルでプレイヤー間の相互協力があると想定してしまうと肩透かしを受けたように感じるかも知れません。


 <総括>

以上から,このゲームは「多人数でも遊べるソロゲームである」というのが私の結論です。

従って,ソロゲームは現在も今後も一切やる気は無い!と断言するような方にはあまり向いていないかな,と思います。

(ただしこの感想はあくまで基本セットに限った話であり,今後,精霊同士のシナジー効果等がより重視されたり距離問題への解決案が提示されるなど,多人数で遊ぶ事にフォーカスした拡張が日本語版で出てきたら話も変わってきます)

一方,下調べを十分した上でこのレビューを読んでいる方であれば,本ゲームがソロゲームとして高い評価を得ている事を理解した上で,なお興味を持っている方だと思います。

そういう方には,本作が手応えもありリプレイ性も高い,稀に見る良作である事を伝えたいと思います。

一点だけ言うとすれば,他の方も言及していますがルールの煩雑さと,先の見通しが利くゆえの思考時間の長さは折り紙付きです。

決して一筋縄で行くゲームではありません。しかし,それすらも楽しめる,という方であれば最早言葉は必要ありません。あとは貴方がプレイをして,その歯応えと楽しみを心ゆくまで味わい尽くすのみでしょう 笑

長文を最後までお読みいただきありがとうございました。皆様の良きボドゲライフに貢献できれば幸いです^^

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