- 3人~6人
- 20分~30分
- 8歳~
- 2024年~
クイズすごろく かぶーる18toyaさんのレビュー
【レビュー】抱腹絶倒!想像を越える面白さのバッティング系クイズすごろくゲーム!
【評価 8/10】
クイズ✖️バッティング✖️すごろく
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本作はこの作品が初めての「イオピーゲームズ」さんの作品。アートワークに見覚えがある方もいると思うが、アートデザインは桃鉄なども手がける土井孝幸さんだ。
見た目からするとやや子供向け?と感じる人もいるかもしれない。確かにファミリーでも遊べるゲームなのは間違いないが、大の大人同士で遊んでも十分楽しいゲームだ。
◇基本の仕組み
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本作はすごろくのような50個のマス目をゴールに向かって突き進み、誰よりも早くゴールに到達したプレイヤーが勝利というものだ。このルールだけ見ると、子供の頃に遊んだすごろくと何も変わらず、面白さを想像するのは難しいかもしれない。が、本作の面白さはこの先にある。
本作では駒を進めるためにサイコロを振ったりはしない。ではどうするのかというとクイズに答えて進んでいくというものだ。本作にはメインボードである「すごろくボード」のほか「サイコロボード」というボードが用意されており1〜6までのサイコロが書いてある。プレイヤーたちは毎ラウンド、全員同時にクイズの問題が出されるので回答をホワイトボードに書き、1〜6の好きな数の上に先着順で回答を置いていく。その数字分、自分の駒がマスを進めるという仕組みだ。
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となると、プレイヤーはみんな6に置きたいのでは?と思うだろうが、さにあらず。バッティング要素がここに加わる。
◇バッティングと、サイコロ目の選択
プレイヤーは自分のホワイトボードにクイズの回答を書いて、好きな数字の上にボードを伏せて置く。全プレイヤーがボードを置き切ったら数字が小さい方のホワイトボードからボードオープン。最も小さい数字のマスに置いたプレイヤーの駒は無条件で進むことができる。だが問題は2人目以降だ。すでに表にされているボードと回答が被ってしまった場合、そのプレイヤーの駒は一歩も進むことができない。更に、回答を被ってもらった側のプレイヤーは1人被るごとに1マス進むことができる。これが本作のバッティング要素だ。
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例えば写真のような場合、ホワイトボードを1に置いた人は無条件で1マス進める。2にボードを置いた人も1の人と答えが被らなかったので2マス進める。しかし3に置いた人は1の答えと被ってしまった。この場合、3にボードを置いた人は一歩も進めず、1の人は自分の回答に被ってもらえたので更に1歩進める、という具合だ。
やってみると分かるが、この「回答バッティングシステム」がめっぽう面白い!そもそもバッティングという仕組みそのものにパーティーゲームみがあるので、基本的にワイワイ楽しめる。
これに、バッティングの旨みとバッティングしたくなさを掻き立てる巧妙なコース構成が味わいを加える。それが「ねこかぶり大魔王かぶかぶエリア」と「ブーストタイム」だ。
◇巧妙なコース〜ねこかぶり大魔王かぶかぶ
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20マス〜34マスの「かぶかぶエリア」では、先頭を進むプレイヤーに「大魔王かぶかぶ」が貼り付く。かぶかぶに取り憑かれたプレイヤーは1歩しか動けないため、5〜6マス進むエリアに置くことは意味がない。むしろ後ろの人にクイズの回答を被せてもらい追加で動きたいので1や2に回答を置きたい。
一方で先頭プレイヤーを追う後続プレイヤーは5・6など、なるべく沢山駒が進めるエリアに回答を置いて先頭に追いつきたい。が、数字通りに駒を進めるためには自分より前の回答者とバッティングしないように気を付けなければならない。もし「これは他の人と被らないだろう」と思える回答が思い浮かばないなら、むしろ安全策を取って回答を小さな目に置く手もある。
こうしてかぶかぶエリアは各プレイヤーにバッティングをことさら意識させる。そしてバッティングを意識して避けようとすれば避けようとするほどバッティングしてしまうものだ。この中盤で本作は一気に盛り上がりを見せる。自信満々で「これは絶対被らない!」と言っていたプレイヤーが崩れ落ちる様子は抱腹絶倒ものだ 笑
◇巧妙なコース〜ブーストタイム
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さらに「かぶかぶエリア」でバッティングを意識させた後は「ブーストタイム」が待っている。プレイヤーの誰か一人でも35以降のマスにプレイヤーが侵入すると、全員がホワイトボードに1つのクイズについて2つ回答を書かなければならなくなる。回答が倍増するのだから更にバッティングが起こりやすくなるのは容易に想像できるだろう。
おまけにブーストタイムの奥にはゴールが待っているものの、ゴール直前には「40のマスに戻る」マスが3つほど続いているため、最後は他の人に被ってもらって1マスずつ進む技は使えない。最後は自力で大きめの数字に回答を置いて「40に戻る」マスを飛び越えなければゴールできないのだ。そのためには他の人とバッティングをしないことが当然前提となる。
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これがまぁえらく盛り上がる!筆者は表題のアオリに「想像を超えた面白さ」と書いたが、あくまで筆者個人の体験にはなるが想像の3倍は楽しめた。11月上旬に本作を遊んだのだが、本作を遊び終わった際に「今月のベストゲームはこれだな…」と確信したほどである。
◇クイズ問題も絶妙
上記ではコースについて触れたが、クイズ問題も絶妙にバッティングを誘うような内容となっている。ネタバレを防ぐため具体的な問題を言うことはできないが、色々な人が「えっ…1つ2つなら思いつくけど他の人と被らないような答えって…」とちょうどいい具合に悩ましい問題なのだ。
クイズの難易度も1〜3の3分類となっているので、遊ぶ相手で難易度を切り替えることができるし、更に各クイズカードには3つの問題が載っているので、メンバーを見て良さそうな問題を選べる点も助かる。
◇本作の弱点
さて、上記では本作の「クイズ同時回答とバッティング要素が大盛り上がり」な特徴を説明してきたが、流石に弱点も皆無とは言えない。
1つ目は本作の骨子があくまでクイズだという事だ。本作が最も盛り上がるメンバーは「知識量に大きな差がない同士」である。それでこそ回答が似たようなものに辿り着きバッティングが起こりやすくなるからだ。バッティングが起こらないなら、ひたすら大きな目に回答を置いていく方が有利となってしまう。ディクシットやピクチャーズのような「感性で得点できるか否かが決まるゲーム」と異なり、知識で差がつくゲーム性を「つまらない」と思ってしまう人も、一定数いる可能性は把握しておこう。
2つ目はクイズの問題数に限りがあることだ。本作はハマった時の爆発力が半端ではないため、一度ウケたメンバーはまた遊びたいと思う可能性がある。しかし、繰り返し遊んでヘビロテ入りするにはクイズカードの枚数がいささか心許ない。難易度3つのクイズカードが各18枚ずつなので全部でカードは54枚。各カードには問題が3問載っているのでクイズ問題は162問なので一度や二度遊んだくらいで「また同じ問題!」となることは無いが、4回5回と繰り返し遊ぶと若干心許なくなってくるかもしれない。この点は制作サークルさんも十分理解していたようで、2025年秋ゲムマでは追加クイズカードもリリースされた。恐らく通販でも買えるようになると思われるので、本作にハマった人は入手がお勧めだ。
最後に3つ目だが、本作は少人数で遊ぶには向いていない点だ。そもそもバッティング系のゲームは人数が多い方がバッティングが起こりやすく盛り上がる傾向があるので人数は多めの方が良い傾向がある。本作ではこれに加えて「サイコロボードでの1〜6の数字の奪い合い」も人数が多い方が盛り上がる。それゆえ本作を遊ぶなら推奨人数は5人以上と考える。
このように、本作は非常にパーティー感があって良いゲームではあるが、上記のような弱点も抱えており万能ではない。しかし、逆に上記の弱点を認識した上で適切な場面で遊べば、爆発力のある楽しい時間を過ごせるだろう。
◇まとめ
以上、「クイズすごろくかぶーる」の特徴を見てきた。
【良い点】
- バッティングの楽しさ。すごろくを早く進めたい人はクイズでバッティングしないように気をつける必要があるし、逆に他の人と被りそうな人は小さい目の場所に自分の回答を置き、他の人に被ってもらって進む戦略もある。
- 上記のバッティングの楽しさを盛り上げるコース構成。「かぶかぶエリア」と「ブーストタイム」でバッティングを意識する作りとなっている
- クイズの問題も絶妙に他人と被りそうな問題が用意されている
【弱点】
- ゲームの根幹はクイズなので、プレイヤー間の知識差が大きすぎるとゲームの醍醐味を味わえない
- クイズの問題数がやや心許ない(162問)。ただし拡張あり
- 推奨人数は5〜6人。人数の縛りはややキツい
本作は2024年にリリースされた作品であり、結構高評価が聞かれた作品だったので遊ぶのを楽しみにしていたのだが、人数縛りが厳しく数ヶ月積みゲーになってしまった。しかし実際に遊べる場面が来たので遊んだところ想像以上、いや想像の2倍・3倍と面白く、「そんなことある!?」というくらいバッティングしまくって爆笑に次ぐ爆笑だった。本作はその日一番の盛り上がりどころか、今年(2025年)で見ても屈指の盛り上がりだった。
イラストを見て「そうは言っても子ども向けじゃないの?」と思っている方がいたら勿体ない。是非、一度本作を遊んでみていただきたい。
本作のレビューについては以上です!最後までお読みいただいた方に感謝を。
皆様の良きボドゲライフに少しでも貢献できましたら何よりです^^
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