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  • 30分~120分
  • 12歳~
  • 2016年~

504karamiさんのレビュー

550名
9名
0
4年以上前

魂無きボードゲームの残骸

このゲームの評価を簡潔に表すならば「画竜点睛」もしくは「仏作って魂入れず」である。 


「504」は業界きっての変態デザイナー、フリードマン・フリーゼによる野心作…と呼ぶべきなのか、問題作と呼ぶべきなのか悩ましい作品だ。

様々なテーマを持った箱庭世界を元にした9つのモジュールの内、任意の3つを組み合わせることで1つのゲームができるという驚愕のシステムを内蔵した作品。1つのコンポーネントで504種類ものゲームが遊べる、という触れ込みに覚えがある方も居るだろう。

そして、ボードゲームに慣れた人ならば、触れ込みを見て一様に懸念・不安を抱くに違いない。真に残念なことだが…その不安は的中している。

問題点 1. 煩雑なルール・セットアップ

ルールブックには、まず全ルールに適用される大原則がA4でおおよそ2ページ、更に9個のモジュールについての説明が各2ページにもわたって、びっしりとルールが書き込まれている。
それも上から順に読んでいけばゲームフローを習得できるというものではなく、1フェイズ毎に「1つ目のモジュールとして採用した場合は〇〇、2つ目の場合は××~」といった書き方がされており、ただでさえ複雑なルールの理解を妨げる。

挙句、1個のモジュールを読み解いてもルールへの理解は全く深まらない。
このゲームのルールを理解する為には
1.大原則で基本的なフェイズの流れを理解
2.ゲームの1フェイズごとの処理について各モジュール毎に把握
3.組み合わせた時のフェイズの流れを、各モジュールのルールを反復横跳びしながら書き出す
という作業が必要となる。学生時代のレポート作成を思わせる。

インストを手助けするために、A4リングノートの中身を横に3等分した形状のサマリが付属しているのだが、これがまたルールブックに輪をかけて読みにくい。各モジュールごとのフェイズがバラバラに記載されているという問題は全く解決されず、常に上から下まで全体を確認し続けなければならない。

このゲームのコンセプトのひとつとして、その場で番号を適当に選び、即興的にゲームを生み出すという作りになっていると思うのだが、長時間の予習がなければインストは困難を極める。
せめて1つ1つが簡潔であれば、と考えてしまう。

問題点 2. 低調かつ不安定なゲーム自体のバランス

1人回しを含めて都合5度プレイ、幾度となくルールを読み解いた。他者のプレイ記録も漁った。それでも私が体験・観測できた範囲では、良いものでも「何とかゲームとして成立している」程度の出来にとどまった。それも決して多くは無い。
一方で「インタラクションが無い、もしくはルール上は存在するが発生する場面が極めて稀で逆転が期待できない」「特定のリソースが際限なく手に入り経済が崩壊する」等の重大な問題を抱えるゲームが、何とか遊べるゲームよりも多数存在する。

マニュアル中でチュートリアルとして提示されている123世界ですら、褒められる出来ではない。

これら二つの問題が合わさった「負のシナジー」は深刻だ。
インストなどの準備には相当の手間がかかるのに、そのゲームが破綻しているかもしれない。そんな不安が、このゲームを手に取る気持ちを萎えさせる。

余暇は無限ではない。自分一人ならいざ知らず、友人を巻き込むなど畏れ多い。


ルール・システムを流用するという制約がある中で、504種ものゲームのバランスを調整することは極めて困難である。それは誰にでも分かる。しかし、それらの細やかな調整無しでゲームが完成するはずもない。その調整こそがボードゲームに魂を宿すという工程ではなかろうか。

――かくして、私の「504」はクローゼットの一番奥へと追いやられることとなった。出来損ないの箱庭世界が、断末魔の叫び声をあげながら卓上から消え去った。

総評

本作は一般的なボードゲームプレイヤーには全くお薦めできない。ボードゲームの楽しさを味わうには障害が多すぎる。題名から連想・期待してしまうリプレイ性など望むべくもない。

本作のターゲットとなり得るのは、ボードゲームがもはやただの遊びにとどまらない人。
例えば、ゲームデザイナーや評論家、研究家。もしくは感想戦と称してゲームの出来不出来を語り合うことが本番となるような好事家もといヘビーゲーマーであれば、このゲームから何かを得ることができるのではないか。

未だ私はそのような境地には達していない。このゲームはしばらくの間クローゼットで眠り続けることになるだろう。

私がこの先何十年もボードゲームを続け、数多の名作たちを遊び尽くし、老人ホームのような場所で同じ境遇の仲間が4人5人と集まったなら。遊ぶのは、歴史的名作たちでも、最先端の作品でもなく、「504」かもしれない。
――そんな多元世界を夢見ている。

追記

時代が追い付いたというべきか。
2026年現在においては、504種のゲームがあらかた遊びつくされたようで「この組み合わせは面白い」「このモジュールを組み込むと破綻しやすい傾向がある」などといった情報が出揃った。地雷を回避できるのであれば、このゲームの問題点の大半はクリアできたことになる。
誰もが504における最高のゲームを遊ぶことができるようになった。私も機会を見つけて遊んでみたい。

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