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1年以上前

原作忠実再現の理不尽な脱落があなたを襲う

名作「ラブレター」をベースに、カード名をアドベンチャーゲーム「ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生 」の登場キャラに差し替え、オリジナルのルールとカードを追加したのが本作である。恐らく「ラブクラフト・レター」を思い出してもらえれば早いだろう。

ベースとなるルールはラブレターと同等なので割愛。追加ルールについて簡単に説明する。

ラブレターとの相違点

通常のラブレターのルールに加え「カードの属性」「運命判定」という要素が追加されている。以下はその概要。

  • 各種カードには希望・絶望の2種の属性に対応した2つの効果と、カード自身の属性が書かれている
  • 直前に自分がプレイしたカードの属性を参照し、希望・絶望どちらか一方の効果が発動する
  • 「希望」はラブレター準拠、「絶望」は本作オリジナルの効果が発動する
  • 運命判定は専用カードを使ったランダム判定。結果によってカードの効果が変わる場合がある
  • ゲーム開始時の属性は運命判定によって決まる

バリエーションの一つとしてはアリかもしれないと考えたが…。カードの効果に目を通して、大きな不安を覚えた。

参考:カード効果一例

キャラ名 絶望効果
朝日奈 葵 

捨て札に大神さくらがない場合脱落 あれば希望効果を適用

石丸 清多夏 捨て札に大和田がある場合脱落
桑田 玲恩 他プレイヤー1人のカードの強さを当てる 外れた場合自分が脱落
山田 一二三 運命判定を行い、絶望カードが出た場合脱落
江ノ島 盾子 プレイもしくは捨て札となった場合脱落(姫と同等)

実際にやってみた

絶望時の効果がリスキーというよりは純粋に出し損となるものが多く、プレイしていると全体的に窮屈でストレスが強い。それを活かしたプレイ・推理も考えられるし、絶望効果は原作に即していると言える内容だが…。
条件付き脱落カードは余り笑えないタイプの理不尽さがある。

4人戦ゲーム開始時、属性は絶望。初期手札は朝日奈・江ノ島…詰みである。他にも何通りかの詰みが存在し、忘れたころに顔を覗かせる。以後2分程はゲームの趨勢を見守るしかない。万が一、いや百が一、2回続けて詰んだら…考えたくもない。

オール・オール・アポロジーズ

原作「ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生」の作中では、カードに登場したキャラの多くが理不尽な死を遂げる。容赦なくキャラが減っていく様はシリーズの大きな特色であり、ある種の魅力でもある。しかしそれがプレイヤー自身に降りかかった時にどう感じるだろうか。
「問題ない」と即答できる人は、この作品を遊ぶ素養があるのかもしれない。

実際、推理や読み合いが介在しない、ほぼ100パーセントの運のみで「何か知らんけど負けてた」という状況を楽しめるプレイヤーはどれほど存在するのか。役回りとして苗木誠でありたい、霧切響子でありたい人はいても、序盤で犯人に雑に殺されるキャラでありたい人は余りいないのではないか。プレイ時間5分以下が普通の最軽量級ゲームとは言え、これでよいのだろうか。その場限りの空虚な笑いがあれば良いのだろうか。ある意味原作に忠実と言えるが。

最大の問題点は、本作の独自性はこの希望・絶望属性と、絶望判定の2点で全てであることだ。本来であれば、このストレス・抑圧を代償として何かカタルシスを得られるべきだが、そのような要素は一切ない。
再び襲い来る理不尽。卓上ではモノクマの嘲笑が響きわたるばかりである。

さよなら絶望学園

ラブクラフト・レターはクトゥルフ由来の要素を盛り込み、ある意味でラブレターをぶち壊した。本作はその様な振り切った面白さを見せることもない。ダンガンロンパの世界観だけを継ぎはぎして作った様な中途半端さだけが印象に残る。
ゲームの面白さに資することが出来なければ、カードの効果をダンガンロンパのストーリー全編から忠実に摘まんでくる必要はないし、理由があって摘まんだのであればもっと要素を盛るべきだ。パーティージョイなら許されたかもしれないが、本作発売は2020年である。

追加ルールを放り投げてラブレターを遊ぶことも出来るので、最低限「二次創作ラブレター」としての評価は出来るが、追加要素についての評価は極めて厳しいものにならざるを得ない。
私自身は両原作に敬意を表し、今後この「グッズ」で遊ぶことは無いだろう。

「引きに絶望しろッ!判定に絶望しろッ!ゲームの出来に絶望しろーッ!!!」等、お寒い見出しを思いついたが、ボドゲーマはテレビゲームのレビューサイトではないので控えることにする。

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Nun Nori
仙人
krm
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