- 2人~8人
- 10分前後
- 10歳~
- 2002年~
ワードバスケットBluebearさんのレビュー
たかが《しりとり》。今さらカードにしたところで、わざわざ大人が集まって時間を取るほどの内容ではない…と完全にナメてました。
ごめんなさい、素直に謝ります。
そのくらい面白かったし、ちゃんとゲームになっていました。(こんなアイディアがあるなんて、まだまだアナログゲームは本当に奥が深いと感動しました。)
■アタマとオシリの言葉縛りの難しさ
手札としては、原則として《ひらがな》1文字しか書いてない(シンプルすぎるかな)カードを5枚づつ配り、山札を1枚めくってスタートするのですが、最初に山札からオープンした文字から始まる3文字以上の言葉を考えます。ただしオシリの文字は手札の文字でなければならず、それを思いついたら手札を付属のゲーム箱に投げ入れます。
これを繰り返して、最初に手札の5枚をなくした人が勝利です。
そうです、協力ゲームではなく、ガチの勝負プレイになる点に注意です(笑)。
要は単なる《しりとり》なので、簡単じゃんと思いますよね。そうです、我々もそう思っていました。なのでルールを説明し、「じゃあ時間調整にちょっと試してみようか?」と言って取り出したところ、みんな微妙な表情…。そりゃそうですよね、よくわかります。
ところが、「アタマとオシリの文字が固定」と「必ず3文字以上の言葉」という2つの縛りルールのおかげで、やってみるとこれが意外に難しい!
「え?え?ちょっと待って…え~、出てこない!」
とみんなでうんうん悩む悩む。そんな中言葉を思いつくと「よっしやあああ!」と宣言。得意顔でカードを出していきます。
そうです、静かに頭をフル回転させる中、言葉が出てきたメンバーが得意に盛り上がるいいゲーム展開でした。
…というより、脳髄がしびれるほど必死でこんなに頭を使ったのは久しぶりです。頭を使いすぎて、連続2ゲームやったら、みんな「面白いけど…これ疲れる」と3回目を拒否されました。
そんなゲームです。
■自分の手番はありません。
このゲームにはもう一つの特徴があって、何と「自分の手番は無い」のです。
手札のカードは思いついたらじゃんじゃん箱に投げ込んでいきます。(イメージとしては『PIT』に近いですね)
なので、ぼんやりしていると「アタマの文字」がどんどん変わってしまうのでうかうかしていられません。焦るから余計に言葉が出てこないという悪循環!
投げ入れる箱は、パッケージのボックスをそのまま使うのですが、この大きさが絶妙で、ひょいとカードを投げるとちょうどすっぽり入るサイズ。このおかげで《どっちが先に出したか》の判定でもめることが無く、スムーズにゲームが進みます。(さらに言うなら、どの方向から投げ入れても公平になるように、ちゃんと正方形になっているというデザインの凄さ!これ考えた人の気配りに脱帽です)
他にも様々なアクセントとして、《か行ならなんでもいい》カードとか、5文字以上しばりとか7文字以上しばりカード(最後の文字の指定は言葉の宣言時にはっきり強調する)とかが含まれていて、ちょっと変化球があるのがいい感じ。
さらに、手札が悪くて「どうしても言葉が出てこない!」という人の救済手段まであるという心配り。あきらめて手札を全捨てすることができる代わりに1枚余計に山札から新しい手札を引かなければなりません。(だから、これをやることにリスクを伴うので慎重に判断することが求められます。)
このように《カードゲーム》としてしっかり成立しているので、我々のように《単なるしりとり》だと馬鹿にして敬遠している人がいたら一度くらいは試してみて下さい。きっと新しい世界が見えると思いますよ♪
《補足》
これなら小学生の娘でもできるのではないかと、ちょうど巣篭り生活の時に誘ってみたら見事に家庭で大ヒット!小さい子供で簡単にもできるという手軽さも高評価に加えます。(ただ、なかなか3文字以上というのが難しいみたいなので、ハンデとして子供だけ2文字OKにしました。このくらいでちょうどいい勝負です♪(でも子供のほうが意外な言葉をポンポン思いついて圧勝したりするので、子供の発想力って改めて凄いなって思いますよ。世のお父さん!お子さんと頑張って勝負してみては?)
- 344興味あり
- 3547経験あり
- 629お気に入り
- 2261持ってる
タイトル | ワードバスケット |
---|---|
原題・英題表記 | Word Basket |
参加人数 | 2人~8人(10分前後) |
対象年齢 | 10歳から |
発売時期 | 2002年~ |
参考価格 | 1,500円 |
ゲームデザイン | 小林 俊雄(Toshio Kobayashi) |
---|---|
アートワーク | 未登録 |
関連企業/団体 | JAGA(JAGA: Japan Games Association)ヤポンブランド(Japon Brand)メビウス ゲームズ(Mobius Games) |
拡張/関連元 | ワードバスケット・キッズ(2012年)ワードバスケット:濁音半濁音拡張カード(2012年)+ 1作品 |
Bluebearさんの投稿
- レビュートウキョウのハト エサバ・バトル《ダイソー》が、日本の新鋭デザイナーとコラボしたボドゲシリーズの一つ。...3日前の投稿
- レビューぼくちく!!日本の新鋭デザイナーとコラボするという、100円ショップの巨塔《ダイソ...4日前の投稿
- レビュー宇宙の戦士SF小説界の巨匠、ロバート・A・ハインライン氏が1959年に書いた傑作...19日前の投稿
- レビューファイナル・アワータイトルには《アーカム・ホラー》の名前が入っているため、従来の作品の続...26日前の投稿
- レビューセット&マッチ知らないうちにホビージャパンから日本語版が発売されていた《本格的なテニ...約2ヶ月前の投稿
- レビューオーダーピザーラ天下の100円ショップ《ダイソー》が、ピザ大手の《ピザーラ》とコラボし...3ヶ月前の投稿
- レビューザ・フィフティーンわずか15分でプレイされるという触れ込みの史上最短TRPGです。テーマ...3ヶ月前の投稿
- レビューコドクのロンド5人の魔法少女たちのバトルをテーマにした作品ですが、5人で助け合って強...3ヶ月前の投稿
- レビュークトゥルフが目覚める前にアークライト社が最近力を入れている《マーダーミステリー》の普及の一環と...4ヶ月前の投稿
- レビューエヴォリューションもともと2010年にロシアで考案された生物進化と種の変遷をテーマにした...5ヶ月前の投稿
- ルール/インストサブマリン基本戦闘結果表だけ、日本語版を作り直してみました。ながめてもらえると、...5ヶ月前の投稿
- レビューシャドウレイダーズ元々カプコン系列のテレビゲーム開発会社ゲームリパブリックが、満を持して...5ヶ月前の投稿
会員の新しい投稿
- レビューへんなかんじリモートプレイ可能😃ルール説明も簡単で、ボードゲーム初心者さんともスム...約4時間前by ごえもん
- レビューイト家族の絆が深まる良い作品です。我が家では、日ごろから重量級の作品をメイ...約4時間前by ばってら
- レビューオーディンの祝祭:ミニ拡張本拡張を入れても、プレイ感に大きな変化はありません。ポジティブな点とし...約4時間前by ばってら
- 戦略やコツホテルサモアどの国の旅行者が順番にやってくるかを見て、早く帰国してくれるタイミング...約6時間前by オグランド(Oguland)
- レビューホテルサモアボードゲームを1,000個以上持っているユーザー視点で良かった点と悪か...約6時間前by オグランド(Oguland)
- リプレイアルマ・マータ初のソロプレイに挑戦しました。掲示板で紹介した、rossoft ro...約8時間前by マツジョン
- ルール/インスト街コロ プラス1)ゲーム名:街コロ プラス2)勝利条件:6種類のランドマークを最初に...約17時間前by Hide
- レビュースキタイの侵略者北海の侵略者のリメイクゲームの内容はケンビルさんのHPで分かりやすく説...約18時間前by さんず
- レビューゼロ始め少し説明が難しく感じますが一度やってしまえば盛り上がること間違いな...約18時間前by ワタワタ
- レビューワーワーズシステムとしてインサイダーゲームを下敷きとして考えられたと思われ、基本...約18時間前by maro
- レビューアトリエ 〜巨匠たちのスタジオ〜【イマイチ】画匠となって弟子をこき使い、絵を描くゲーム。基本的には絵の...約21時間前by リンクス川越事業所
- レビューパンデミック:ホットゾーン北米大陸に蔓延するウイルスに立ち向かう為高度な技術を持った医療研究員に...約22時間前by しのじゅんぴょん