たかが《しりとり》。今さらカードにしたところで、わざわざ大人が集まって時間を取るほどの内容ではない…と完全にナメてました。
ごめんなさい、素直に謝ります。
そのくらい面白かったし、ちゃんとゲームになっていました。(こんなアイディアがあるなんて、まだまだアナログゲームは本当に奥が深いと感動しました。)
■アタマとオシリの言葉縛りの難しさ
手札としては、原則として《ひらがな》1文字しか書いてない(シンプルすぎるかな)カードを5枚づつ配り、山札を1枚めくってスタートするのですが、最初に山札からオープンした文字から始まる3文字以上の言葉を考えます。ただしオシリの文字は手札の文字でなければならず、それを思いついたら手札を付属のゲーム箱に投げ入れます。
これを繰り返して、最初に手札の5枚をなくした人が勝利です。
そうです、協力ゲームではなく、ガチの勝負プレイになる点に注意です(笑)。
要は単なる《しりとり》なので、簡単じゃんと思いますよね。そうです、我々もそう思っていました。なのでルールを説明し、「じゃあ時間調整にちょっと試してみようか?」と言って取り出したところ、みんな微妙な表情…。そりゃそうですよね、よくわかります。
ところが、「アタマとオシリの文字が固定」と「必ず3文字以上の言葉」という2つの縛りルールのおかげで、やってみるとこれが意外に難しい!
「え?え?ちょっと待って…え~、出てこない!」
とみんなでうんうん悩む悩む。そんな中言葉を思いつくと「よっしやあああ!」と宣言。得意顔でカードを出していきます。
そうです、静かに頭をフル回転させる中、言葉が出てきたメンバーが得意に盛り上がるいいゲーム展開でした。
…というより、脳髄がしびれるほど必死でこんなに頭を使ったのは久しぶりです。頭を使いすぎて、連続2ゲームやったら、みんな「面白いけど…これ疲れる」と3回目を拒否されました。
そんなゲームです。
■自分の手番はありません。
このゲームにはもう一つの特徴があって、何と「自分の手番は無い」のです。
手札のカードは思いついたらじゃんじゃん箱に投げ込んでいきます。(イメージとしては『PIT』に近いですね)
なので、ぼんやりしていると「アタマの文字」がどんどん変わってしまうのでうかうかしていられません。焦るから余計に言葉が出てこないという悪循環!
投げ入れる箱は、パッケージのボックスをそのまま使うのですが、この大きさが絶妙で、ひょいとカードを投げるとちょうどすっぽり入るサイズ。このおかげで《どっちが先に出したか》の判定でもめることが無く、スムーズにゲームが進みます。(さらに言うなら、どの方向から投げ入れても公平になるように、ちゃんと正方形になっているというデザインの凄さ!これ考えた人の気配りに脱帽です)
他にも様々なアクセントとして、《か行ならなんでもいい》カードとか、5文字以上しばりとか7文字以上しばりカード(最後の文字の指定は言葉の宣言時にはっきり強調する)とかが含まれていて、ちょっと変化球があるのがいい感じ。
さらに、手札が悪くて「どうしても言葉が出てこない!」という人の救済手段まであるという心配り。あきらめて手札を全捨てすることができる代わりに1枚余計に山札から新しい手札を引かなければなりません。(だから、これをやることにリスクを伴うので慎重に判断することが求められます。)
このように《カードゲーム》としてしっかり成立しているので、我々のように《単なるしりとり》だと馬鹿にして敬遠している人がいたら一度くらいは試してみて下さい。きっと新しい世界が見えると思いますよ♪
《補足》
これなら小学生の娘でもできるのではないかと、ちょうど巣篭り生活の時に誘ってみたら見事に家庭で大ヒット!小さい子供で簡単にもできるという手軽さも高評価に加えます。(ただ、なかなか3文字以上というのが難しいみたいなので、ハンデとして子供だけ2文字OKにしました。このくらいでちょうどいい勝負です♪(でも子供のほうが意外な言葉をポンポン思いついて圧勝したりするので、子供の発想力って改めて凄いなって思いますよ。世のお父さん!お子さんと頑張って勝負してみては?)