マイボードゲーム機能「持ってる」「興味あり」など知人に共有できるコレクション管理機能。人数別や時間別などの並び替えも。
ボードゲーム発見機能マイボードゲームの登録データを統計分析し、未経験かつ未所有のおすすめボードゲームを自動抽出します。
レビューや日記の機能投稿した記事が読まれるたびに、通販でお得に商品を購入できるボドクーポンをGET! ハードル低めです。
コミュニティ機能専用掲示板・ボードゲームリストの合体機能が便利!公開コミュニティ、秘密のコミュニティ、設定も豊富。
ボドゲカフェ情報自分の「興味あり」「お気に入り」に登録したボードゲームカフェが提供するゲームが一目でわかるように。
通販ショップ国内主要メーカーや同人ゲームなど様々な商品をご購入いただけます。会員登録しないで購入することもできます。

グレート・ウエスタン・トレイル:アルゼンチンGreat Western Trail: Argentina

レーティングの登録/分布

  • グレート・ウエスタン・トレイル:アルゼンチンの画像

本作はフィスターの人気作品「グレートウエスタントレイル」(以下GWT)のコンポーネント品質を向上させルールの細部を調整し改めて発売された第二版からの流れを汲む三部作の第二弾となる。

舞台をアルゼンチンに移したこの新作は、ゲームシステムは前作をほぼ完全に踏襲しつつも、ゲーム内の要素が担う役割の変更や要素の追加などによって、前作のファンがプレイしやすく尚且つ新鮮な感覚で遊べる作品に仕上がっている。

ぱっと見GWTそのままという感じだが、同じ感覚でプレイすると得点が全然伸びない。似ているが全く別のゲームという不思議な感覚だ。

★アルゼンチンと牛

少しだけブエノスアイレスの歴史について学んでみよう。1536年、ペドロ・デ・メンドーサ率いるスペインからの遠征隊が1200人の男性にわずか12人の女性、そして牛数頭を連れてこの地を訪れた。当初は原住民と友好的だった遠征隊だが、その傲慢さが表面化し衝突するまでに長い時間は要さなかった。遠征隊は原住民に叩きのめされ敗走したが、そこにあるものが残された。牛たちである。

牛たちはどこまでも広がるような草原を植民地化し、この地に牛が栄えるようになり、この地の重要な資源となっていった。

その後別の遠征隊がこの地を手にし、La Trinidadと呼ばれる都市を建設することになるが、これがブエノスアイレスの始まりである。この辺りはGiochix社のTrinidadというボードゲームで追体験することができる。

Trinidad(2022)はゲーム性以外の部分、つまり植民地化を美化しているとしてBGGではある意味不当に低評価を受けたゲームである。この手の歴史を学べるゲームは貴重だが、モンバサのように今後あまり見られなくなるかもしれない。

★前作からの変更点

まず、災害タイルが廃止され、ならず者が新資源である麦に強く関連する農民にリプレースされている点がドラスティックだが、ルールを確認すればすぐにエンジニアの役割が大きく変わっていることに気づくだろう。前作はエンジニアを多く雇用することにより鉄道トラックを進めやすくなり、進めていれば恒久的に遠方の都市へのアクセスが追加のリソースなしでできるようになるというものだった。

本作では出荷は船となっており、遠方へ出荷するのには消費型のリソースである麦を使用する。麦は所有できる上限数が決められている特殊なリソースで、出荷のたびに消費するため、エンジニアを多く雇用しても遠方へのアクセスには何も寄与しない。

エンジニアの役割が鉄道トラックを進めることというのは変わっていないのだが、実は鉄道トラックの役割そのものが変わっている。

鉄道トラックを進めると、自分のコマを鉄道に乗せることでゴール地点にワープさせることができるという、つまりはショートカットが可能になるという役割に変更されているのだ。

エンジニア戦略を取るということは回転数重視型の戦略を取ることになる。

また、駅の改良による勝利点がかなり強化されており、1金で2勝利点などのようにコストパフォーマンスが飛躍的に向上している点にも注目したい。

その他にも新要素である港町ボードの存在がかなり大きい。これまでは出荷で勝利点を多く稼ぐには価値の高い牛を買うかもしくは特殊な建物効果により多くの証明書を稼ぐ必要があったが、本作では特定の船に乗せられた牛は幾つかのタイミングで港町ボードに移動し、そこから更に麦を消費することで勝利点をはじめとする各種ボーナスを得ることができるようになっている。

このため比較的価値の低い牛を出荷したとしても大きな勝利点につなぐことが可能となっている。牛を得点化する方法にも新たな選択肢が生まれ、これがゲーム展開を豊かにしている。

★プレイ感

基本的にはGWTのルールを踏襲しているので、前作が好きならこのゲームも気にいるだろう。良い部分はそのまま残されている印象を受けた。ただ、リソース(金や麦)の管理は前作より難易度が高いし、個人建物の効果もA面ですら前作に比べるとトリッキーに感じるように、全体的にプレイ感は重めにシフトしている。よりゲーマー向けになり、前作のように何となく牛を集めていたら楽しめるというような手軽さは無くなっている。しっかりと考えてアクションの取捨選択をしないと、全く勝敗に絡むことはできないだろう。

★総評

GWTが好きで何度もプレイしているような方や、重ゲーを普段から好んで遊ぶ層には間違いなく勧められるゲームだと思う。逆に重ゲーに慣れていない方やGWTにあまり興味がない、という方に勧めるのは慎重になったほうが良いだろう。前作とこちらとどちらが面白いか、という質問に対しては、私は別のゲームと答えている。実際似て非なるもので、どちらのゲームにもそれぞれの良さがあるように感じられた。前作の熟成されたゲームバランスとシャープなゲーム性も、アルゼンチン版を遊んだからとて色褪せるものではないからだ。

最も読まれているレビューを表示しました
  1. 投稿者:山本 右近
  • 93興味あり
  • 143経験あり
  • 41お気に入り
  • 64持ってる
テーマ/フレーバー
舞台の時代背景
ゲームの基本目的
主要登場人物/職業や生物
政治経済/各種産業
乗り物が基本テーマ
作品データ
タイトルグレート・ウエスタン・トレイル:アルゼンチン
原題・英題表記Great Western Trail: Argentina
参加人数1人~4人
プレイ時間75分~150分
対象年齢12歳から
発売時期2022年~
参考価格未登録
関連作品
レーティング
レーティングを行うにはログインが必要です
10点の人4
9点の人12
8点の人15
7点の人9
6点の人2
5点の人0
4点の人0
3点の人0
2点の人0
1点の人0
プレイ感の評価
トグルスイッチを押すとプレイ感()の投票ができます 
運・確率3
戦略・判断力11
交渉・立ち回り4
心理戦・ブラフ0
攻防・戦闘0
アート・外見3
データに関する報告
ログインするとフォームが表示されます

レビュー 4件

584名
2名
0
画像
充実
星8ボドゲ300種を所有し、軽〜中量級を中心にプレイするゲーマーの感想です。ボードゲーム会にて、3人で遊びました。2024年9月(機関車大好き、メカニック特化戦略を打ちました。)【どんなゲーム?】一言で例えるなら、サイコロの無い双六(すごろく)系RPGゲームです。(ただし、...
続きを読む(3ヶ月前)
おとん
おとん
375名
0名
0
充実
レーティングが非公開に設定されたユーザー
6/10日本語版が検討されるもカビトラブルにより、発売未定になっているボードゲーム。重ゲーがそんなに好きではない人のレビューです。第1弾の本家も同じくらいの評価です。本家は2016年のゲームだが、未だに世界ランキング15位(2024/4/21現在)と超高評価ボードゲームであ...
続きを読む(8ヶ月前)
白州
白州
678名
8名
0
充実
グレートウエスタントレイル:アルゼンチン(以下GWTA)、何度かプレイしたので、グレートウエスタントレイル(以下GWT)とのプレイ感の違いを中心にレビューします。※本レビューはGWTをプレイしたことがある人向けのレビューとなります。詳細なゲーム内容については他のレビューを参...
続きを読む(1年以上前)
ハナ
ハナ
1322名
15名
0
画像
充実
本作はフィスターの人気作品「グレートウエスタントレイル」(以下GWT)のコンポーネント品質を向上させルールの細部を調整し改めて発売された第二版からの流れを汲む三部作の第二弾となる。舞台をアルゼンチンに移したこの新作は、ゲームシステムは前作をほぼ完全に踏襲しつつも、ゲーム内の...
続きを読む(2年弱前)
山本 右近
山本 右近

リプレイ 0件

投稿を募集しています

戦略やコツ 0件

投稿を募集しています

ルール/インスト 0件

投稿を募集しています

掲示板 0件

投稿を募集しています

会員の新しい投稿