- 2人~4人
- 30分~45分
- 8歳~
- 2018年~
センチュリー:イースタンワンダーズBluebearさんのレビュー
大好きな『センチュリー:スパイスロード』の続編であり、連結も可能との前宣伝とあれば辛抱たまらず購入に走ったものの、なかなかプレイの機会がなく、このたびようやくプレイに漕ぎ着けました。
うん、やっぱり面白い!
そして、ゲームの構造の根幹が変わっていないにもかかわらず、そこに至る手順やシステムをガラッと変えてみせたデザインには感心しましたねー。
◾️今回もスパイスを交換しながら点数に変換しよう!
『スパイスロード』では手札に集めたカードの効果で、4種類のスパイスを集め、また上位のスパイスに順次変換し、それを一定の数揃える事で今度は『点数カード』と交換する事で得点を伸ばす、というシンプルな構造でした。
これに対し今回の作品は、4種類のスパイスを集めるのは同じですが、これが配置タイルによる《場所》となり、船でそこへ行く事で集めたり変換したりします。(同じかと思ったらスパイスの種類が違っていました。でもやってる事は同じですね、笑)
必要なだけのスパイスが溜まったら、得点カードを選ぶのではなく、港タイルまで行って《得点タイル》と交換するのです。
つまりスパイスを変換する目的は同じなのですが、その手段がカード集めではなく、場所タイルへの移動になった訳ですね。
これによって船で島を巡る《航海》っぽさが表現されていて、なかなかうまくやるもんだと感心しました。
それでいてプレイ感はちゃんと共通で、気に入ったカードを繰り返し使う前作のコンボプレイと同様に、気に入った島を繰り返し回るという行動が可能になっています。この『ああ、同じ世界観をプレイしているんだな』という感覚はゲームどうしの横の広がりを感じて、個人的にはとても心地よい感想でした♪
◾️手札なら循環するけど、島タイルは全員共通
スパイスロードでは、各自がそれぞれ手札カードを拡充させていって、それを循環させる事で望むアクションを実行しました。
それに対して今作は、全島タイルが最初から公開されていて、そのマップ上を全員がそれぞれ移動していく事で特定のアクションを実行します。
スパイスの保有数も、交易所の建てた数も完全公開されています。
この《情報公開されている》というのがミソで、次にどこへ行けば何ができるのか、じゃあその次は?…という先の計画が島の並びを見れば立てられます。
逆に、《あいつは次にあそこに行くだろう》という予測が成り立ちます。相手プレイヤーのアクションの予測ができるというのは独特で、互いにレースゲームのような焦りを生むので、この感覚が加わったのは新鮮でした。
◾️アクションを焦らせる要素がたくさん
スパイスロードには若干のソロプレイ感がありましたが、このゲームでは前記のように相手のコースによって狙いが分かる焦りをさらに拡大させる工夫がありました!
1つは、《島でアクションをする》ためには《交易所》というコマを置く必要があるのですが、このコマを置くコストが、2番手3番手になると増えていくのです!
つまりいい島には後から行くと不利になるのですね。
2つめは、船コマが相手と同じ島に入るとスパイスを1個渡さなければならないのです!
このように、前作に対して相手プレイヤーとの絡みはだいぶ増えた印象です。
この相手との相互影響(インタラクション)が強い部分が気に入るかどうかでこの作品の評価が分かれるだろうな、と感じました。
もちろん我々は大歓迎!
『きゃー、やっぱりそう来た!』
『うぉー、間に合わねぇ』
『よしよし、ここに建てよう』
『やばい、取られたー!』
という感じです。
◾️場面によって使い分けてます
スパイスロードと比べてどっちが面白いか?と聞かれると正直言うと微妙ですね。
同じようなテーマ、目的になっているのは良いのですが、逆に言えば新しさは無いので、ちょっと感動は少なかったかな。
また相互干渉が多いのは好きなんですが、その分勝ち方が難しいのと、ルールが若干多く時間もかかるので、初心者に初めてやらせるならスパイスロードを選ぶと思います。
仲の良いメンバーと楽しくデッドヒートを楽しむならこちらを使うと良いでしょう。
ただしひとつだけ声を大にして文句を言いたい事が!
連続してやろうと思ったら、スパイスロードが5人まで。ところが今作は4人までしかできません!
そのためこのゲームを紹介した最初のゲーム会では、仕方なくまた私が抜けてインストラクターとしてガイド役を務めました。
別に5人用でも問題ないような気がするのですが、バランス調整上の問題なんでしょうかねぇ…、非常に残念です。
◾️追記
このゲームには島タイルを並べるための美しいマップボードが用意されており、見ると無性に欲しくなります。しかし流通を見るとひたすら高価!(最初からコンポーネントに入れて欲しかった…)
そんな人に朗報。海外の情報サイトBoardGameGeekにマップのPDFが公開されているので(感謝!)、カラーレーザーとかでプリントして自作すると美しいマップが出来上がります。
ちょっと手間がかかりますがどうですか?雰囲気がグッと良くなりますよ♪(スパイス名が途中で分からなくなるので名前シールを貼っちゃった、笑)
追記
前作との合体プレイの《大航海ルール》はまだ試していないので、また機会を見て報告しますね。
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