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  • 2人~6人
  • 240分前後
  • 9歳~
  • 2008年~
567名
2名
0
6年以上前

古き良きすごろくゲーの気配を感じます。

ボードは 3 層の同心円になっていて、外周地域からスタート。
中間地域、内周地域を経て中心部にある支配の王冠へいち早く到達し、王冠の力を発動して他プレイヤーを全滅させれば勝ちです。
ボードの雰囲気からすると、外周地域はのどかな普通の世界、中間地域は荒涼とした荒野、内周地域はダンジョン、そしてダンジョンの最奥に支配の王冠が鎮座しているかんじです。

コンポーネントは

  • 14 人のプレイヤーキャラクターそれぞれと、4 つのベースの形が違うヒキガエルのプラスチックフィギュア
  • 6 コ (人数分) の大きめのプラスチックダイス
    1 の目はタリスマンのシンボルになっていますが、とくに意味はなし。
  • 30 枚のプラスチック金貨
  • 計 120 コの、小さな三角帽のようなカタチのプラスチックカウンター
    赤、青、緑の 3 種類で、5 点を表わす大きめのと 1 点を表わす小さめのもの。
  • 36 コの厚紙トークン
  • 14 枚のキャラクターカードと、4 枚のヒキガエル用キャラクターカード
    ハガキより一回り小さいくらいの大きさ。
  • 計 164 枚のミニ・アメリカンサイズのカード
  • デカいゲームボード

となっています。
プラスチック製の立体物が多い点で、まぁまぁ充実しています。
あと、なぜかヒキガエルだけでフィギュアとキャラクターカードが 4 つずつ用意してあって、なんだか敬意が払われてるのを感じます。

プレイヤー同士の直接攻撃が発生する可能性があるのは、同じマスに止まったときだけですので、序盤はそれほど対立の構図が明確でなくなごやかな雰囲気です。
しかし結局は支配の王冠への競争ですので、ゲームが進むにしたがってじょじょに殺伐とした雰囲気に変っていきます。
最後は勝者が圧倒的な力を手に入れて、他を全滅させて終るというなかなかアメリカンなスタイルなので、モノポリーとか好きになれない人にはお勧めできないかもしれません。

コースは螺旋状に繋っているわけではなく、各地域それぞれが別の輪になっています。
まずはこの環状の地域をぐるぐる周りながら、いろいろな遭遇をこなしていくことになります。

移動はダイスで行ないますが、時計回りに行くか反時計回りに行くかは、毎回選択することができます。
ただし、移動の途中で方向転換することはできません。
どっちかの方向がゴールに向いているというわけではなく、単にぐるぐる回るだけなので、両方向の移動先を比べて都合がいい方を選択します。
ダイス運も必要だけど、選択の余地もあるというところです。
ぐるぐる回るだけという意味では、好きな方向を選べるモノポリーというかんじです。

移動を終えたら、移動先のマスの指示に従って遭遇を行います。
もしそこに他プレイヤーのキャラクターがいれば、遭遇の代りにそのキャラクターと戦闘することを選択することもできます。

キャラクター同士が戦闘した場合は、勝った方は相手にダメージを与えるか、またはアイテムか金貨を一つ奪うことを選択することができます。

遭遇はたいてい「アドベンチャーカード」を 1〜3 枚、止ったマスで指示されている枚数だけドローして行ないます。
アドベンチャーカードにはアイテムやモンスター、仲間の他、突発的なイベントもあれば、そのマスに居座って以後効果を及ぼし続けるものもあります。
倒せなかったモンスターや、捨てたアイテムや仲間もそのマスに残っていきます。
はじめは「カードをひく」という指示のマスがボードの大部分を占めていますが、それらはどんどんカードで埋められていくことになります。
すでにカードが置かれているマスでは、新たにカードをドローするのではなく、既に置かれているカードを解決します。

つまり、実はアドベンチャーカードが置かれていってはじめて、本当のゲームボードが完成するわけです。
ボードの内容は毎回変わるうえに、どんなボードになるのかは実際にカードが置かれていくまでわからないというシカケです。

アドベンチャーカードには、それぞれ優先順位が設定されています。
例えばアイテムのカードとモンスターのカードが同じマスに置かれる場合、モンスターを先に倒さないとアイテムには到達できないようになっています。
そのため、単独で現われるモンスターもいれば、アイテムを隠しているモンスターや、仲間になってくれるはずの人物を人質にしているモンスターもいたりというイカニモな状況が、ランダムな組み合わせで生れることになります。

このように、いつも同じゲームボードを使っているにも関わらず、毎回内容が変化して、しかもなんだかドラマチックな展開も生れるのが、大きな特徴になってると思います。

アドベンチャーカードはかなりの枚数 (104 枚) が用意されていて、毎回全てを山札にしますので、リプレイアビリティは相当なものです。
プレイ人数最大 6 人に対して 14 人のプレイヤーキャラクターが用意されているのも、なかなかのリプレイアブルっぷりです。
ウチなんか 2〜3 人でしかやらないので、意識していかなかったら、全キャラプレイできるかどうかも怪しいくらいです。

プレイ時間は相当長い (平均 4 時間 !) ですが、移動も戦闘もダイスで解決なので、考える余地があるのはどっち回りで行くかくらいです。
なので、1 手番にかかる時間は短かいです。
モンスターとの戦闘では、手番でないプレイヤーがモンスター側のダイスを振ることもあって、待ち時間はかなり短かく済むのも良い点です。

地域間を移動する際には、然るべきポイントで隣りの地域へ移動することを選択します。
内側に行くに従ってより過酷になっていくので、次の地域へ移動する前にある程度キャラクターのステータスを成長させておく必要があります。
また、内側の地域へ移動する際には、それにふさわしいだけキャラクターが成長しているかを試す試練もあります。

キャラクターの成長と別に、支配の王冠へ到達するためには最終的に「タリスマン」というアイテムを入手しておく必要があります。
入手する方法は 2 つ。
ただの偶然で拾うか、魔導師からクエストを引き受け、その報酬として貰うかです。
もちろん、偶然入手できる確率は低いので、基本は魔導師のクエストを受けることになります。
どんなクエストを課されるのかはダイス運で決まりますが、逆に言うとそれさえ達成すれば確実にタリスマンを入手することができます。

全体的にダイス運とカードの引き運の要素が非常に強い反面、頑張れば大抵のことは覆せるようにもなっていて、絶妙とまでは言いきれませんが、なかなかのバランスです。
ダイスを転がす回数が非常に多いので、いくらダイス運がよくてもそうそう良い目ばかり続かないし、逆に悪い目ばかりも続かないというところもあります。

中間地域への移行で遅れをとり、慌てて自分もそっちへ移動した途端に妖婆に呪われ、全ての仲間を失なったうえ、その妖婆を追い払ってもらうために外周地域へ引き返さざるを得なくなって、さらに外周地域で出会った魔女にヒキガエルに変えられて、金貨もアイテムも全て失っても、最終的には逆転勝利したという波瀾万丈の展開もありました。
ダイス運の良さも悪さも、カードの引きの良さも悪さもいつまでも続かないのは、まるで人生の縮図かもしれません。

そんなかんじで 4 時間ものプレイ時間と、ヘタすると遺恨を残しそうなイキオイの一人勝ちっぷり。
それだけの時間をかけておいてボロ負けした人は、たまったものじゃないというリスク。
問題はありますが、長丁場だからこそ 1 プレイの中に浮きと沈みの両方があって、いろんな局面が楽しめる。
悔しい結果も楽しめるメンバーなら、そんな充実したひとときを味わえる楽しいゲームです。

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