テセウスのパーティーParty of the Theseus

シンプルなルールで勢いのある作品

魔物を討伐して金を稼ぐために最高のパーティーを作る。

なお魔物を効率良く倒し金を稼ぐべく魔物をパーティーに加えて人間を討伐する展開が発生するかなりシニカルなフレーバーを持つ作品でもある。

ゲームはかなりシンプルでパーティーから2体選んでアクションするだけ。

効果も3種類しかなく

・場から手札に加える（探索）

・手札からパーティーに出す（勧誘）

・手札からリワード（得点）に出す（討伐）

だけ。

勝敗もパーティーのVP+リワードのVP+パーティーの終了時ボーナス効果の合計でかなりシンプル。

初期カード以外はオールユニークの効果があるが都度読めば良いのでインストは5分もあれば十分スタートできる。

このゲームの良いところと悪いところ

◎良いところ

・展開の味付けが上手

　このゲームはランク1〜6まで山札が存在し、カードの使い切りで終了となる。

　ランク1〜2が効果カード、ランク3は特定のアイコンによる倍率得点カード。

ランク4はランク1-2の上位互換、ランク5はルールに干渉する強カード

ランク6は条件を満たしたら固定のボーナス得点カード

　展開はランク2までで軽いエンジンを組み、ランク3で方針を決め、ランク4と5でエンジンを完成させる。ランク6は答え合わせとミニマルな作品ながらしっかりと緩急を付けたゲーム展開を演出することに成功している。

　これはかなり素晴らしい。

　このゲームのミソはパーティー4枚という制限である。5人目が出るたびに誰か1人が追放される。徐々にカードを入れ替えていく、強いカードを入れるか得点ボーナスの置物を置くか、悩ましい取捨選択が程よい緩急と相まって楽しい体験を作り出してくれる。

・分かりやすい効果群

　イラストのクセは強いが効果は意外とシンプル。

　基本アクションをしたら他のアクションがついてくる、勧誘や討伐を手札以外から打てるようになる。複数枚まとめてアクションが打てるとしっかりと足が地についた堅実な効果でまとめられている。

この組み合わせに低ランクでは手札に戻ったりリワードに落ちたりするデメリット（諸説あり）が付いている。ランク4からはデメリットが消えるしユニークな能力が付くこともある。ランク5はルールを書き換えるカードが現れだす。

　3回行動とか追放したカードがリワードになるとか。

最初にゲームの補強、次に目標の提示、そこから終盤に向けて強いカードが順々に出てくる、プレイヤーの理解に優しい作りだ。

堅実な能力、悪用出来るデメリット持ちカード、ハチャメチャなランク4、5カード、そして得点ソースとなるランク3やランク8を上手く組み合わせて凶悪コンボを作りだそう。

例）場から直接勧誘するビースト、同じカードを何回も使えるフール、1ターンに3回行動のルーラー、追放されたパーティーをリワードに突っ込むソーサラーの4人パの場合

　毎ターン、3回ビーストを使う事で場からリワードに得点化するアクションが打てちゃう。ちなみにこれやると1位36点くらいのゲームなのに1手番で6点くらい稼げる。

◎悪い点

・見づらい

　同人ゲーのレビュー書いてて結構な頻度で書いている気がする。綺麗なイラストを見せたい気持ちは分かるんだけど白抜き文字は遠くから見ると読みにくい。

　基本的に両方から読みやすいように横向きに場を並べるんだけど益々しんどい。　

　たぶん読みやすくしてもらえたらプレイ時間が10分くらい短縮できて更に良い作品になると思う。

・さすがに禁止にした方が良い気がするルーラー

　ランク5、ルーラー　効果3回行動出来るようになる。これを獲得してから2〜3手番くらいは手番が来るのでえげつない差を出せる（コンボの例参照）

　1人だけ1.5倍動けるのはかなり強い。これは抜いた方が健全かも。

以上。程よい粗さと緩急がしっかりついたゲームデザインがリプレイ意欲をそそらせる傑作。

手に入るなら買って遊んだほうが良い。傑作。