- 2人~4人
- 60分前後
- 8歳~
- 2016年~
揚子江 / 長江 / 清王朝の豪商たち / ヤンツェミチミツさんのレビュー
【まえがき】
2016年にPiatnik社が発売したライナー・クニツィア原作のゲームです。国内では「清王朝の豪商たち」、「長江」などのタイトルで流通しています。「揚子江」は世界第3位の長さを誇る長江の下流部分を指した名称です。
中国の清王朝の時代、長江を行き来する行商との商品売買や、長江近辺での建築などにより、富を築き上げる内容となっています。
【ゲームの簡単な説明】
ゲームボードは長江を表し、川の部分だけ商品タイルが置けるように凹んでいます。
タイルには商品タイル、建物タイル、勅令タイルの3種類があります。商品タイルはプレイヤーが売買するタイル、建物タイルは競りによって集めるゲーム終了時に点数となるタイル、勅令タイルは全プレイヤーが強制的に行うアクションを表すタイルです。
各プレイヤーは衝立とお金を管理するお金トラック、商人カード一式を受け取ります。商人カードは様々な効果(お金を得る、商品が無料になるなど)があるカードで、ゲーム内で1回しか使うことができません。
最初に商品タイルからランダムに2枚ずつを初期手札として各プレイヤーは受け取り、衝立の後ろにかくしておきます(持っている商品のみ非公開情報)。そして、残りの商品タイルと建物タイル、勅令タイルをすべて袋に入れて混ぜ合わせます。
ゲームは、スタートプレイヤーから時計回りの順番で進めていきます。手番では
- 持っている商品を売る
- 長江を流れている商品を買う
の2つのアクションを順番に行います。
商品タイルには一般品と高級品の2種類があり、さらにそれぞれ異なる商品が何種類かあります。1枚で売ると安いのですが、何枚かセットで売れば高く売ることができます。ただし、セットで売るためには商品の色が同じであること、または商品の種類が同じであることが必要となります。
そして長江を流れている商品の横には、その商品を買うための価格が書かれています。下流になるにつれて価格は下がります。お金を支払った商品は、衝立の後ろに隠しておきます。買われた商品の空いたところは、上流から商品タイルを詰めなおします。
そして袋から買った商品の分だけ、タイルを引いて川の上流から補充します。この時、建物タイルが引かれたら即競りが始まります。競りは価格競り上げ方式で、誰か1人になるまで続けられます。競り落とした建物は手前に並べておきます(公開情報)。
勅令タイルが引かれた場合はボード横に並べていき、全プレイヤーが勅令タイルに書かれているアクションを実行します(強制)。この勅令タイルが12枚並べられたら、ゲームは終了します。
ゲーム終了後、競り落とした建物の種類によるボーナス点、建物の種類ごとのマジョリティによるボーナス点、そして商人カードからのボーナス点と残りの所持金すべて合わせて、最も点数が高いプレイヤーが勝利者となります。
【感想】
1回、3人プレイで遊びました。
このゲームは川から商品を安く買い、商品を集めて、そして高く売る、これが基本となっています。これだけでは何の変哲もない、ただのセットコレクションのゲームですが、商品の売買に建物によるボーナス点、そして勅令と特殊な効果がある商人カードがある点が他のゲームと少し変わっているところです。
商品の売買は安く買い、高く売るのが理想です。しかし、高く売るためには同じ色または同じ種類の商品を集めなければならず、そのためには例え上流の一番価格が高いところに商品があっても買わざるを得ません。下流に流れてくればそれだけ安くなりますが、それまでに誰かに買われてしまうかもしれません。ただ得られるお金が10金単位の大き目の金額であるため、商品の購入価格に4金と10金の差があっても、あまり苦しくないように感じます。商品を高く買っても、ある程度集めて売ることでそこそこのお金が手に入るため、お金がカツカツな感じはしません。
むしろ、お金を圧迫するのは建物の競りの方です。競りには最低金額や最高金額がないため、相場はその建物を競り落とすことでゲーム終了時にどれぐらいの点数が見込めるか次第です。状況や競争相手によっては、大金で競り落とすことにもなると思います(例えば4種類目の建物と建物の種類ごとのマジョリティ両方が達成できそうな時など)。
戦術にはあまり幅はありません。主に商品売買で点数を稼ぐのか、主に建物で点数を稼ぐのか、それとも両方バランスよく取りながら点数を稼ぐのかぐらいです。
商品売買で点数を稼ぐのであれば、建物の競りは極力参加せず、できる限り同色・同一商品を安く集めることに注力すべきでしょう。
建物で点数を稼ぐのであれば、商品売買は競りの資金集めと割り切り、競りに全力をかけた方がいいと思います。
勅令に関しては少し蛇足な感じがしました。良い効果も悪い効果もあるのですが、どちらもほんの少しの影響しかないため、どちらかというとゲーム終了までのカウントダウン程度の感覚です。勅令によって、ゲーム展開が大きく変わることはありません(手持ちの商品を1つ捨てるのが一番影響が大きいでしょうか)。
商人カードはそれぞれゲーム内で1回のみ使用することができるお助けカードなのですが、効果が地味ながら良いゲーム要素だと思います。
少し気になったのは人数によるタイル枚数の補正がないため、3人でも4人でも同じ枚数を使用して遊ぶようになります。3人プレイでは枚数が多く、プレイ時間が長く感じました(勅令タイルの引きにもよりますが)。4人であれば、枚数が適正なのかもしれません。
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