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  • 1人~6人
  • 120分前後
  • 13歳~
  • 2002年~

蒸気の時代山本 右近さんのレビュー

1025名
18名
0
3年以上前

イギリスの著名なゲーム作家、マーティン・ワレスの代表作の一つ。プレイヤーは鉄道会社の経営者となり、その会社を発展させることにより勝利点を稼ぐ。

このゲームの特徴の一つが株式の発行だ。株式は最大で計15株まで発行する事ができ、1株ごとに発行時に5ドルを得ることができる。しかし、発行株数と同じ額の配当金をラウンド毎に支払わなければならず、事実上の借金と言われている。ゲームスタート時、2株発行した状態で始まるため、強制的に借金をした状態でスタートさせられることとなる。

また、発行株数はゲーム終了時にマイナス勝利点となるため、株式の発行は慎重に行わなければならない。

手番順は毎ラウンドセリが行われ、そこで決定するのだが、この入札金額が悩ましい。最初に降りると、手番順は後ろになるもののお金は払わずに済む。ところが、最後の2人になるまで競り合ってしまうと、最後に競り負けたとしてもビッドした金額全てを失ってしまうため、ここの駆け引きが毎ラウンド熾烈を極めるのだ。上記の理由からも、株式発行数がさらに悩ましく思えてしまう。

ルール自体は難しくなく、手番順に線路の敷設と商品の運搬を行い、商品をどれだけ運んだかによって会社の収入が決まる。他人の路線も使用する事ができるが、そうすると使用した分その路線の持ち主の収益が上がる仕組みだ。逆に言えば、他プレイヤーに利用してもらいやすいハブ路線を作ることができればゲームを有利に展開できるだろう。また収入は上がれば上がるほど維持するのが難しくなるので、序盤出遅れると苦しいことにはまちがいないものの、一応逆転のチャンスも残されている。

ゲームの得点は実はお金は関係なく、会社の収入とどれだけ敷設できたかどうかで決まる。これだけお金に悩まさせられるのに最終的にお金は得点にならないというところに作者らしさが垣間見られる。

このゲームの最大の特徴は、何と言っても豊富な追加マップの存在だ。基本的なルールはそのままに、マップ毎に幾つかの特殊ルールが追加されることにより、プレイ感がガラッと変わってしまう。ヴィタル・ラセルダのような著名な作家も追加マップを作成しており、ファンが作成し無料で公開されているものも多数あるため、一体幾つ存在するのかわからないのが正直なところだ。

2019年に発売されたデラックス版はイアン・オトゥールがアートワークを刷新し、旧来の雰囲気を残しつつもモダンな仕上がりになっている。現在はこのデラックス版がもっとも入手しやすく、旧版用の追加マップとも互換性が保たれているため、購入する際はデラックス版が良いだろう。本気で遊ぶと一生遊べてしまうゲームだ。

あえて欠点を言うと、プレイヤー依存度が高いという点だろうか。無謀なプレイでの自滅や特定のプレイヤーばかりを邪魔するようなプレイも可能なため、そのようなゲームを壊しかねないプレイを好むプレイヤーとは遊ばない方が良いかもしれない。逆にいうと、ゲームに慣れれば慣れるほどにプレイヤー同士の駆け引きをより深く楽しめるゲームとも言えるだろう。

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タカオ/タカあゆゲームチャンネル
山本 右近
山本 右近
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