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指輪物語:対決デラックスThe Lord of the Rings: The Confrontation Deluxe Edition

レーティングの登録/分布

  • 指輪物語:対決デラックスの画像
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いきなりですが、私はこのゲームをこよなく愛しています。
もうね、やっぱり天才は創るものが違いますね。普段は版権モノはあまり好まないのですが、このゲームは別です。

非対称型の2人専用対戦ゲームは結構好きで、それなりの数を遊んでいる方だと思いますが、色々遊んでみた結果、特に心理的な駆け引き要素においては、このゲームは頭一つ抜けているかなと感じます。
きっとこの先どれだけ遊んでも飽きることはないと思います。

現在は新品の流通はなく、中古価格は高騰気味でオススメしにくいタイトルになってしまっているのが残念ですが、余裕がある方は是非ゲットしてみてください。残念ながら日本語版は存在しませんが、日本語訳が付いたものが多く流通していますし、日本語訳がついてなくともネット上でルールを参照すれば問題なく遊べます (ただし、英語版とその他の言語版では、一部の固有名詞が異なる場合がありますので、その点だけご留意ください)。

私はこのゲームに魅せられてしまった結果、このゲームをより深く味わうためのフレーバーとして、あのクソ長い映画「ロード・オブ・ザ・リング」3部作を鑑賞しましたよ (笑)

ゲーム開始時の配置イメージ


初期配置では、各マスに置けるコマ数は決まっていますが、どのキャラをどこに置くかは自由なので、ここから既に勝負は始まっています。

ゲーム開始後は、移動先のマスには自陣営のコマを最大2個まで入らせることができます。
ただし、真ん中に横たわっている4つの山脈マスだけは例外で、両陣営とも1人ずつしか入れません。
山脈は敵陣地と接触しているマスになるので、誰をどのルートから進ませるかは非常に悩ましい選択となります。

それ以外にも、有名な「モリアの坑道」など、指輪物語の名場面やキャラクターの特性に合わせた特殊な移動方法がいくつかあるのですが、今回は割愛します。

そして、両陣営のコマが同じマスに入ったとき、戦闘が発生します。

①まずは双方のコマの正体が公開され、その時点での戦闘力の優劣が判明します。
(一方の陣営のコマが複数存在する場合は、攻撃側がどちらと戦闘するか選択して公開します)

②その後、お互いに手札から「戦闘力を追加するカード」または「特殊能力を発動するカード」を1枚選んで出し、それぞれ処理をした結果、勝敗が決します。戦闘に負けた方のコマはゲームから除外されます。

③戦闘終了後、まだ両陣営のコマが同マス上に残っている場合は、①に戻って繰り返します。

強い数値や特殊能力を発動すればその戦闘を有利に運びやすいですが、その後は全手札を使い切るまでそのカードを使えなくなるため、「強いカードはできるだけ、絶対に負けられない局面で使いたい」というジレンマがあります。
逆に言うと、その戦闘では負けても「相手にいかに強いカードを使わせるか」が次の戦闘での勝利に繋がります。

手札に何が残っているかはお互いわかっているので、可能な限り手札を効率よく使って戦力を温存していくために、相手に勝てるギリギリのラインを狙った読み合い、激しい攻防が繰り広げられます。

上段が悪側、下段が善側の手札。戦闘のたびに双方手札から1枚出す。悪側が数値的にやや強く、善側は特殊能力が多くなっている。


しかしまぁ、指輪物語(ロード・オブ・ザ・リング)の何が良いって、物語の鍵を握る主人公のフロドがクソ弱いところですよね(笑) このゲームの中でも、このフロドの弱さが駆け引きのキモになっています。指輪物語がテーマであることの最大のメリットと言っても過言ではないでしょう。

善側(主人公側)でプレイする場合は、とにかくこの主人公のフロドがどこにいるのかを悪側に悟られないように、周りの仲間の動きで支えつつ、ときに相手を欺きながら、なんとかフロドをゴール (悪側マップ最奥マス:モルドール) まで到達させるというのが勝利条件になります。特に、サムという従者はフロドと同じマスにいる時はパワーアップするので (作中の設定を実にうまくゲームに取り入れてます)、サムをうまく盾に使いつつ進むのが手堅い進め方になります。かと言って、いつもセットで動いてたら「あいつらサムとフロドじゃね?」と疑われますけどね(笑)

善側のコマが単騎でフラフラと向かってきたから、こりゃきっとボロミア (敵と相討ちする能力を持つ) の自爆テロ狙いだろうと、悪側が戦闘を仕掛けず無視していたら実はフロドで、そのまま横を駆け抜けてゴールされてしまった・・・そんな心理の裏を突いた駆け引きもできるので、相手をうまく出し抜いた時の気持ちよさは格別です。

そうなんです、実はこのゲームではコマを横や後ろに動かすことが原則できないのです。「前進あるのみ」なんていうと単純なゲームかと思われそうですが決してそんなことはなく、マップは前方に分岐が存在する構造のため、どの方向に前進するかという選択が常に発生します。進んだら戻れないことも相まって、その選択は実に悩ましいです。

この移動に関する縛りがゲーム上とても重要な要素で、いわゆる "反復横跳び" 的な動きや、コマを後ろに下げてのディフェンスができないため、ハッと気づいた時には横に入られる流れを作られてしまい止められなかった、という場面は結構ありがちです。というか、それを狙うのが一種のセオリーでもあります。まぁさすがにフロド単騎特攻は極端な例で、実際はそうそう繰り出せる技ではありませんが(笑)

悪側は、善側よりも強力な戦闘力を武器に、①主人公のフロドを倒すか、あるいは②ゴール (善側マップ最奥マス:ホビット庄) に9キャラ中3キャラが到達すれば勝利となります。

戦闘力にはかなりの差があり、初めてプレイする際には「これ悪側の方が有利なんじゃ?」と感じるかと思います。が、そこはクニツィア先生のかけた魔法がとてもよく効いていて、善悪両サイドの能力が実によく噛み合っており、良いバランスに落ち着いています。

先ほど書いたように、お互いのキャラが原則前進するしかない中で、常に位置取りの駆け引きをしていくことになりますので、移動に関する特殊能力を持っているキャラはとてもアドバンテージがあります。そうなんです (2回目)、善側キャラは戦闘力は弱いものの、前進以外の移動 (戦闘からの逃亡を含む※とても重要) に関する特殊能力を持つキャラが多く存在するんです。

また善側には、突出した能力を持つ強キャラ・ガンダルフ (知らない人向けに説明すると、フロドたちの保護者的な立ち位置にいるベテラン魔法使い) がいるので、悪側も戦闘力を頼りに前進するだけではガンダルフに狩られる可能性が常にあるため、そこでも結構バランスしています。

逆に言うと、序盤でうっかりガンダルフが倒されたりすると善側は辛い展開が予想されますが(笑)、それでも決して終わりというわけではなく、他キャラの特殊能力を駆使すればやりようはあるのが素晴らしいところです。


ちなみにこのゲームは、流通しているバージョンがいくつもあります。
大きな区分けでは、発売当時に流通していた初期版と、その後リリースされたデラックス版の2つが存在します。

大小様々な違いがある中で、最もプレイフィールに影響しそうな要素がコマの形で、縦長だったり、横長だったり、小さな正方形 (コマの能力はカードになっていて手元で参照する) だったりと、様々な形状のものを見かけます。

縦長のコマはチェスっぽく摘めて一見良さそうですが、原則キャラを伏せて進行するゲームだけに、ゲームが佳境に入ったところでうっかりコマをパタンと倒してしまったりするとゲームが台無しになる危険があるので、個人的にはできれば避けたい感じはあります (まぁこの辺は好みもあるかと思います)。

私の所持しているデラックス版は、画像にあるように小さな正方形タイプのコマでとても気に入っているのですが、デラックス版でもコマが縦型になっている記事も見かけたので、正直よくわかりません。
ネットで探す場合はコマの形状まで確認するのは難しいと思うので、どれに当たるかは運かもしれません。

デラックス版のメリットはもう1つありまして、それはキャラクターの拡張セットが入っているということです。
私が所持している版では、コマにはめ込まれているキャラの厚紙を裏返すと、拡張版のキャラに変わります。

まぁ基本セットのほうがゲームバランスの妙を強く感じるので、あまり拡張版で遊ぶことはないんですけどね(笑)
でも拡張版がバランスが取れていないというわけではもちろんないですし、無いよりはあった方が所有欲を満たしてくれますし、たまに遊ぶとちょっとした味変要素になるのでオススメです。
私はやったことはないですが、基本と拡張のキャラからドラフトでチーム編成して遊ぶ方もいるみたいです。

その他にもデラックス版の方は、ヴァリアントルールで使う「特殊カード」の枚数が多くなっています。
初期版だと各陣営に2枚ずつ付いているのが、デラックス版だと4枚ずつになっているはず(違ったらごめんなさい)。
この特殊カードについては、個人的にはオマケ要素程度に考えていますが、まぁ無いよりはあった方が良いかなと。

というわけで、デラックス版を買った方が内容物的にはお得感があると思いますが、初期版でも十分楽しめるゲームであることは保証しますので、状況に合わせてご選択ください。

基本セットのメンバー。戦闘力で劣る善側は、特殊能力をいかに使いこなすかが勝利へのカギです。 拡張セットのメンバー。基本セットに比べて単純な戦闘力の差は少なくなっています。 ヴァリアントルールで使用する特殊カード。上段は初期版からある4枚、下段がデラックス版で追加された4枚。 厚紙を裏返すと、拡張版のキャラとして使用できます。画像のキャラはどちらもフロドですが能力が異なります。


とまぁ思いつくままにつらつらと書いてきましたが、とりあえずこの辺で一旦筆を置こうかと思います。

余談ですが、うちの相方は心理的な駆け引きがそれほど得意な方ではなく、特にこのゲームでは毎回私が勝ってしまっていたため、今ではすっかりこのゲームを毛嫌いしており、遊ぶ機会がほとんどなくなってしまいました。
じゃあゲーム会など外の人と遊ぶ機会ではどうかというと、そういう場で2人専用ゲームで遊ぶことは稀なので、やっぱり出番は少ないという残念な状況になっています。

というわけで、このゲームに限った話じゃありませんが、最も必要なもの、それは同等のレベルで繰り返し対戦できる相手です(苦笑)

ご自身の環境に合うようでしたら、是非遊んでみてください!

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  1. 投稿者:clevertrick
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  • 60持ってる
テーマ/フレーバー
世界観/基本テーマ
ゲームの基本目的
作品データ
タイトル指輪物語:対決デラックス
原題・英題表記The Lord of the Rings: The Confrontation Deluxe Edition
参加人数2人用
プレイ時間30分~40分
対象年齢12歳から
発売時期2006年~
参考価格未登録
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