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  • 2人~4人
  • 15分前後
  • 8歳~
  • 2026年~

ゴットファイブ!krmさんのレビュー

147名
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0
20日前

快適に舗装された道を往く

「ゴットファイブ!」は、数字推理ゲームとしての体裁を取りつつも、プレイフィールが極めて軽く、パーティーゲーム的な運用が可能な作品となっている。一方で推理ゲームと呼ぶには捜査の手法が単純で、推理ゲーム愛好家からすると物足りないだろう。

ルール

自分だけが見えない状態で割り当てられた5つの数字を、質問と公開情報から推理することが目標。1から60の数字が5色のタイルに書かれている。各プレイヤーは各色1枚ずつ、計5枚を割り当てられる。数字は自分からは見えず、他プレイヤーの手で昇順に並べ替えてもらう。残ったタイルは共通の場に、数字を伏せた状態で置く。その後、場のタイルを5枚めくった状態でゲームを開始する。

各プレイヤーは自分の手番が来るたび、場のタイルを1枚めくり、数字を公開する。その後、めくられた状態のタイルの中から1枚を選び、以下の情報を他のプレイヤーに求めることができる。

  • 選んだタイルの数字と自分の各タイルの数字との大小比較
  • 選んだタイルと自分の特定のタイルで、☆の数が等しいかどうかの確認

自分のタイル5枚の数字が推理できたら、任意のタイミングで回答にチャレンジできる。5つの数字についてすべて正しく回答できれば勝利、1つでも間違っていれば脱落。1人勝者が出たら終了。


両論併記

このゲームはどのように評価すべきなのか、悩んでしまった。ゲーム進行に関するルールが「タギロン」に類似しており、比較は避けられない。だが比較すると、ゲームとして単純にすぎる感がある。プレイヤー固有の情報がなく、全体の情報量を制御することができない。質問は「想定される数値の範囲が狭まる」以上の効果がなく、このジャンル特有の「断片的情報との撚り合わせで急激に解答が導き出される」ような快感は得られない。質問は場に出ているタイルを基準にするしかないため、絞り込みの精度はタイルの引きに強く依存するなど、運要素もやや強い。運要素をひっくり返せるようなプレイングを発揮できる場面は無いに等しい。

この書き方ではまったく面白くないように見えると思うが、やってみると意外と面白かった。
なぜか。本作は推理ゲームでストレスを感じる要素を削り落としたからではないだろうか。

プレイヤー間で情報を隠匿することはできない。
ともすれば陰湿とも言えるような駆け引きは発生せず、爽やかに進行する。

質問のパターンが少ない。
これらは推理方法を明示してくれる。「何を考えればよいか、何を取っ掛かりにすればよいか分からない」という状況が発生せず、ダウンタイムの均一化、プレイ時間の短縮にも一役買っている。

推理方法が完全に手順化されている。
これは推理を誤って手戻りが発生する恐れを消している。個人ボードによって常に進捗が可視化され、手番ごとに小さな達成感が積み重なっていく。

推理するのは相手の数字ではなく自分の数字となっている。
実際のところ、相手の数字を推理するのと本質的な差はあまりないのだが、相手の推理の進捗によって自分が「追い詰められている」感覚は薄くなる。

タイルのヒキの問題以外で、本作プレイ中にストレスを感じる箇所は思いつかない。
多くの推理ゲームが「道を探す」ゲームであるとするならば、本作は「綺麗に舗装された一本道を往く」ゲームだ。

本作のプレイは「快適」である。


ではあるが、捨てた物が大きすぎるようにも思える。

数字推理の様々な要素を削り込み、快適でスムーズなプレイを用意した結果、本作の推理は要らない数字の山崩しに留まっている。快適さはストレスを減らすが、推理ゲームのカタルシスは減るどころか完全に消し飛んだ。 

数字推理ゲームにおいて、軽量化は容易な事ではないだろう。他のジャンルであればフィーリングのみでプレイする人もいる。だが推理ゲームで、しかも数字パズルで論理的な処理を行わずにプレイする人は極めて稀だ。その処理を効率化するために、システムは速やかに解剖され、その長所・短所が詳らかにされていく。そして後発の作品は、常に先発の作品と比較され続ける。
本作の単純過ぎる構造に気づくまでの時間は、決して長くはかからない。1回2回遊ぶ程度ならば気にならないかもしれないが、繰り返し遊び続けたり、感想戦に臨めばすぐに明らかになるだろう。


まとめ

本作を推理ゲームの入り口として作ったのであれば、目論見は失敗である。入り口と言うには、カジュアルに寄り過ぎているし、行われる推理の実態が乖離し過ぎている。本作仕込みの地続きの情報整理では、一般の推理ゲーム相手では何もできないだろう。本作の経験を別の推理ゲームに応用できるのであれば、最初からその推理ゲームに手を出せるはずだ。

本作をパーティーゲームとして作ったのであれば、目論見は成功である。湿度が低くスムーズなプレイ感。運要素とドラマを伴う逆転性。ポップなデザイン。全ての要素はパーティーゲームに向けられている。快適さによって、ゲーム本来の地力を超えた面白さを見せてくれる。

後は、ゲームを出す場の雰囲気の問題だ。

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仙人
krm
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