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  • 2人~6人
  • 180分前後
  • 13歳~
  • 2020年~

18チェサピーク山本 右近さんのレビュー

293名
5名
0
2年以上前

18xxと呼ばれる一連の作品群の中で2020年に発売された比較的新しい作品。私はこの作品で初めて18xxに触れたが、18xx初心者向けかつ経験者も楽しめるという触れ込みに偽りなく非常に楽しめたので、レビューを書きたいと思う。

プレイヤーはワシントンD.C.東に位置するチェサピーク湾周辺地域を舞台に鉄道会社を立ち上げ経営し、個人の資産総額を競う。

資産は現金と株とがある。株を持っていると、その会社が配当を行う度に現金が入るため資産が増える。そしてそれを元手に株を買い足すことにより更に資産を増やす、というのが基本的な流れとなる。

株の売買は株式フェイズに手番順に行うことができる。配当を行った会社は株価が上がるため、安く買った株の株価が上がったところを売却し資金を得る方法もあり、その場合は基本的に売却した分株価が下がる。経営ゲームの側面も大きいが、勝敗はプレイヤーの持つ資産総額で決まるため、ひとりのプレイヤーの動きがその他全てのプレイヤーの得点に大きな影響を及ぼすことが多いのが特徴の一つだ。

このゲームの魅力はそのインタラクションの強さだろう。ヘタをすると序盤から挽回が難しい状況に陥ることもある。しかしハメ手のような、1人のプレイヤーが特定の手順で短期に莫大な利益を産むようなことがないように、株券の所持枚数や株価下落の下限があるなど細かい調整がされており、ルールは思いの外堅牢に作られている印象を受けた。

その中でも、株価操作による経営フェイズの手番順操作や株売買による経営権の移動、経営フェイズでの交渉による局面の打開など、プレイヤーはさまざまな手段で他のプレイヤーを出し抜くチャンスがあり、また出し抜かれる恐れがあるため、緊張感のあるプレイが楽しめる。インタラクションの強い重ゲーが好きなら、この自由度が高い戦略が楽しめる本作は気に入ってくれることだろう。

18xx.gamesでは無料でオンラインプレイが楽しめる。ホットシートモードで1人回しも可能なため、現物プレイ時に補助的に使用したり、ルールの確認にも役立てることが可能だ。

このシリーズの特徴として、個人資産と会社の資産が完全に分かれていることが挙げられる。つまり、いくら会社の経営がうまく行ったとしても個人資産が増えなければ勝利には繋がらない。会社の株式を最も多く持つプレイヤーがその会社の経営権を握るので、自分の経営する会社が儲かれば経営者の資産の増加に直結はするものの、1人のライバルプレイヤーに同程度の株式を握られている場合、そのプレイヤーも共に儲かってしまうこととなり得点差がつかないことになる。会社は複数経営可能であり、一部会社の資産を自分の持つ他の会社に移すことも可能なので、トリッキーな立ち回りで株主を翻弄する事も難しいものの可能であり、そこの駆け引きにも気を配らなければならない。

列車の買い替えもこのゲームで駆け引きがアツい要素の一つだ。誰かが輸送力の高い列車を買うと、古く輸送力の低い列車はその瞬間ゲームから除外されてしまう。すると安く古い車両で大きな利益を生み出していた会社は新しい高い車両への買い替えを余儀なくされ、その時に会社に十分な資金が残っていなければ社長の自己資金から負担しなければならない。すなわち勝利点を大幅に削られることになるので大ダメージを被ってしまう。会社に資金を残すには利益を配当せず内部留保する必要があるが、そうすると株価が下がり1番の株主である経営者は資産総額が目減りすることになってしまう。その辺りの経営判断は勝負に大きく影響するだろう。

輸送2〜4の列車はより上位の列車が誰かに買われることにより廃棄される。また、古い列車が売り切れないと上位の列車を買うことはできないが、2〜4の列車は経営ラウンドの度に買われていない中で最も古い1台がゲームから除外されるのもミソ。

プレイ時間は4人戦で3〜4時間程度と18xxシリーズにしてはコンパクトに纏まっている。同じくショートな18xxとして知られる18Lilliputと違い本格的なルール構成であるため、18経験者でも楽しめるものとなっているようだ。ルールも細かすぎることはなく、株&鉄道ゲームの面白さのエッセンスを上手く抽出できてるように思う。

ポイントを纏めると、

・めちゃくちゃ面白い

・インタラクションはかなり強い

・経営ゲームだが、勝敗は個人資産で決まる

・自由度の高い戦略性

・本格派18xxで遊び易さとゲーム性を両立

株&鉄道ゲームに興味があるけど難しそう、と言う方に最適なのはもちろんの事、インタラクションの強い重ゲーを探している方にも刺さるのではないかと思う。個人的にもかなり気に入っており、繰り返しプレイしたい作品の一つだ。

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さんず
Sato39
びーている / btail
コン(※個人の主観です。)
はち
山本 右近
山本 右近
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