テラミスティカ：ガイアプロジェクトTM of Yokohamaさんのレビュー

【メイン要素】陣取り＋拡大再生産

【ルール理解】かなり難解

【手番選択肢】非常に多い

【勝利点要素】最終タイル＋ラウンドボーナス＋研究点＋同盟点 ほか

【言語依存度】なし

【妨害干渉度】直接攻撃はないが、開発は早い者勝ち

【運と実力比】ほぼ実力

【外観芸術性】宇宙テーマによくマッチしている

【初心者向けルール（提案）】鉱山を始めに3つ置ける、技術タイル1枚付与

この宇宙は、「バランス・オブ・パワー」だ。

　ガイアプロジェクトよりもシンプルで面白いゲームはたくさんあります。対面でやるにはインストも大変ですし、なにより重い。でも、重いゲームだと分かっていてもプレイしたくなる、私にとっては、そんなゲームです。1度このゲームの面白さを感じたら、やみつきになること間違いありません。

　テラミスティカをプレイされている方は、ガイアプロジェクトの敷居はそこまで高くないかとは思います。テラミスティカを知らない人にとって、ガイアプロジェクトの面白さを味わうまでの敷居が少し高いですが、思い切ってジャンプして乗り越えてみてはいかがでしょうか。

　全６ラウンドにより宇宙の覇権を争う大作。前半の宇宙開発競争、後半の勝利点獲得競争ともに、直接攻撃はないものの対戦相手とのインタラクションが熱く、ガイア計画の得意な地球人、パワーこそ正義タクロン人、金ですべて解決ハラス人、首都移転大好きアンバス人などなど、各種族の個性を活かしながら、相手よりいち早く開拓し研究レベルを上げ建物をグレードアップしていきます。

　陣取り、拡大再生産、リソース管理、特殊能力解放、様々な要素がありながら、個性的な種族たちのバランスが保たれているのには驚かされます。また、テラミスティカから大きく変更になった①マップの可変化と②「宗教トラック」→「研究トラック」も、戦略ゲームとしての深みを増したと感じます。マップの色ごとの有利不利を、宇宙タイルを回転させることにより解消しています。「研究トラック」は、各プレイヤーの特殊能力解放とリンクするようになったことで、開発か研究か、相手との駆け引きが生まれました。

　ゲーマーズゲームとしては、ユーロゲームの「システム」と「発展の歴史」を見事に融合させた、一つの頂点と言えるのではないでしょうか。2024年に拡張も出るようですし、これからも、機会があるたびにプレイしたいゲームのひとつです。

　敷居の高さを踏まえてかどうかは分かりませんが、steamやアプリ版のAIの出来が素晴らしいのと、ボードゲームアリーナでもターンベースであれば対戦相手に困ることはないため、デジタル版で遊ぶ機会には恵まれています。ご興味をもった方は、まず、デジタル版から入ることをお勧めします。