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  • 2人用
  • 30分~90分
  • 10歳~
  • 2017年~

タンクスプラスBluebearさんのレビュー

400名
3名
0
5年以上前

80年代にアナログゲーム界において主流となったシミュレーションウォーゲームの後期、初心者の拡大を目標にリリースされたものにエポック社の『シミュレーション入門1』というタイトルがありました。(僕の記憶が確かなら1985年だったはず)

通常BOX内に何と!完成度の高い異なるゲームが3つ同梱されて定価2800円の神価格。

最初は価格的にもやっつけ製作の安易なもの、という印象でしたが、後にじわじわ評価が高まり、何と単独で再版されることになりました。

その中の、第2次世界大戦の東部戦線(ドイツ対ソ連)における戦車どうしの激戦を、師団や大隊規模ではなく、車両1両ごとのスケールで再現したものが「TANKS」というゲームだったのです。

これをもともとのコンポーネント通りに国際通信社が再版したものが「TANKS!」で、これの高評価を受けて、コンポーネントをさらに改良し、米英の西部戦線や、歩兵、対戦車砲などの要素を追加した完全版がこの『TANKS+』というわけです。

当時、戦車どうしの戦闘シーンを再現するゲームとしては『戦車戦』(ホビージャパン)、『タイガー1』(ツクダ)などがあり、そのデザイン思想からかなりスッタモンダありましたが、まあここでは割愛(泣)。

少なくともこのゲームに関しては、程よい難易度と内容で、あまりシミュレーションゲームに馴染のない初心者でも、シンプルな手順で白熱した戦闘を楽しむことができました!すごく懐かしいです。

スケールは1ヘクス50m、コマはすべて1両単位。射撃距離から性能一覧表の「命中率」を参照し、ダイス2個でその数値以下を出せば「命中!」です。

ただしこれで終わりではなく、戦車というものは主砲の「貫徹力」と、それを防ぐ「装甲厚」とのせめぎ合いですから、砲が当たったとしても装甲に弾かれてしまえば効果なしなので、「貫通」したかどうかの判定を続けて行います。

やはり距離によって砲の「威力」が明記されているので、目標となった車種の「装甲値」と比べて「撃破」できたかどうか判定するのです。

これがまさに燃えた!!

「ええと…8ヘクスだから距離400mか。3号戦車の命中率を見て…8。前進射撃だから-2して6以下で命中だな。これならいけるか!?えい(コロコロ)。うぉぉぉっ!当たらねえ!」

「よしっ!いいぞ」

「まだまだ次!こっちからは500mか。厳しいな。今度は7以下か…。5以下でないと当たらんな。でも当てるっ!えい!(コロコロ)よっしゃあああああっ!当たったっ!」

「くそっ、まだまだぁ!」

「貫通力と装甲を比べて、うう…ちょっときついな。さすがにこの距離だと貫徹力が落ちるな。差し引き「-1」か。さすがにT34の装甲4は甘くないな~。」

「うむ、弾けば問題ない!」

「えいっ(コロコロ)…4!やった撃破っ!!!ギリギリだな!」

「おのれ、まだ1台。まだまだぁ~!次はこっちの番だな。反撃するぜ!」

「やべぇ!一気に接近される!」

…とまあ、こんな感じ。

やっぱり攻撃の1発1発が当たるかどうか、相手を倒せるかどうかの、ぎりぎりでの撃ち合いや攻防戦は手に汗握って盛り上がります。

テーマが「戦車」だけに、そんなにスピードは速くないので移動はじりじりしたものになり、いいかげんに動かしているといつの間にか不利な位置関係にはまり込んでしまい、悔しい思いを味わうので、距離や移動速度に留意して自軍の布陣を考える必要があるので、ゲームとしても充分に思考性が高い印象です。

一般に現在流通している平和なボードゲームも決して悪くはないのですが、もしちょっとでも「戦車」や、ギリギリの撃ち合い戦闘に興味があったらやってみて絶対損はありませんよ。

【補足】

しかし、シミュレーションウォーゲームの流通減少に伴う価格の上昇はすごいですねぇ。もともとの3in1セットで2800円(1作あたり1000円しない)だったものが、そのまま単独で再版されて2200円(税別)。これがこの「TANKS+」としてBOX版になったら、何と4600円(税別)!!オリジナル版から比べると実質5倍の高騰ぶり。

まあ、コマが大きくフルカラーとなって、全体のデザインも良くなり、プレイしやすいものになっていて、初心者の前に広げるのに抵抗がなくなったので、まあ仕方ないかなと納得しております。

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yuishi
まつやまん
tomo#e725
Bluebear
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