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  • 2人~12人
  • 20分~45分
  • 8歳~
  • 2016年~

ワインと毒とゴブレットYamashnikov [JP]さんのレビュー

192名
1名
0
約1年前

とある晩餐会にて、次の玉座を狙う貴族たちが秘密裏にライバルを排除しようと目論み、ワインの乾杯に乗じて邪魔者の毒殺を試みる、そんな作品です。
文字通りのパーティゲームです。2つの意味で。
ゴブレットとは土台のついたグラスや杯を差す言葉で、日本の食卓ではあまり見掛けないかもしれませんが、箱絵をご覧いただければ「ああ、これか」とピンとくるのではないでしょうか。
このゲームには、3つのゲームモードが用意されており、それぞれ2~3人用、4~6人用、そして7~12人用となっています。作品テーマからも明白ですが、ソロモードはありません。
2人、4人でそれぞれ複数回遊びました。
本稿では、恐らくメインであろう4~6人用のルールを中心に感想を述べたいと思います。

ゲームは3ラウンドから成り、プレイヤーはラウンド開始時に衝立と、ワイン・毒・解毒剤を模した赤・黒・白の3色のトークンを受け取り、これらのトークンを衝立の内側に隠します。そして、それぞれに標的となるターゲットカードが配られ、公開されます。
また、それぞれに固有能力を持ったキャラクターカードも配られます。

ラウンド中では、プレイヤーはワインを注いだり、ゴブレットを交換したりといったアクションを実行しながら、ターゲットの毒殺を目論みます。アクションは手番中に2回行えます。ワインの赤いトークンを総て注ぎ終わった手番プレイヤーが乾杯を宣言すれば、全員最後のアクションを行った後、一斉にゴブレットの中身を飲み干し(テーブルに空けて公開し)ます。この際に、毒トークンよりも解毒剤トークンの方が多いプレイヤーが生き残ったことになり、やれ「生き残った」「殺された」「やった、仕留めた」と皆で一喜一憂します。ここで無念にも毒殺されてしまったとしても、次のラウンドでは何事もなかったかのようにシレッと復帰しているのでご安心ください。
そして、生き残ることができれば何点、ターゲットを仕留めることができれば何点、両方達成で更に何点、公開したゴブレットの中身のワインの数が一番多ければボーナス何点、と点数計算をし、3ラウンド終了後に最も点数の高いプレイヤーが勝者となります。

ワインを注ぐ際は、自分の衝立の内側から1つのトークを手に取り、誰にも見られないようにゴブレットに注ぎます。自分のゴブレットにワインを注いでも良いですし、標的のゴブレットに毒を盛っても、あるいは無関係のプレイヤーのゴブレットに注いでも良いです。
アクションの選択肢の中には、ゴブレットを覗き見るものもあります。これにより、自分の前にあるゴブレットに何が入っているかを窺い知ることができます。ワインは1アクションで1トークンずつ注がれるため、論理パズルが得意な方であれば、内訳を覗き見た後に何回(何個)ワインが注がれたかといった情報から、果たして覗き見たゴブレットは今、安全なのか否かを推して知ることもできるのではないでしょうか。
ただし、上述の通り誰かが全員のゴブレットを隣に回したり、誰かと誰かが交換したりして、毒入りゴブレットがどこに行ったか分からなくなります。いざ乾杯してみれば全滅しました、なんてこともあるかも知れませんし、死人の出ない平和な晩餐会になるかも知れません。
キャラクターの能力によっては、他人がワインを注げない(自分だけがワインを注げる)ゴブレットを作ったり、他人のゴブレットを覗き見たり、ほぼ絶対に殺す毒を持っていたり、逆に何でも無毒化する薬を持っているのもあり、多少のリプレイ性もあります。

とは言えこのゲームは、良くも悪くも場の雰囲気で楽しむ作品だと思います。他のプレイヤーのアクションはどうやったって全体の場に影響しますので、頭の中で総て管理統制しようとすると破綻するか、あるいは他のプレイヤーを長時間待たせることにもなりかねません。少しの思考と推察を残しつつ、大胆にサクサクとテンポ良く回すのが好ましいかと感じました。なにせ、今宵は楽しい晩餐会なのですから、無暗な長考は野暮ってもんです…

3人以下のルールは、いわゆるロシアンルーレットのようなものです。
場に出された6つのゴブレットにお互いにワインを注いでゆき、最後に順番に1つずつ飲み干してゆき、先に毒に中ったほうの負けです。こちらでも、ゴブレットの順番を入れ替えることができるので、一筋縄ではいかなくなります。
ただやはり、本作のゲーム性からも、大人数でワイワイ楽しむのが良いと感じました。

その大人数ルールである7人以上のものについては、残念ながら体験できていないので詳しくお伝えすることができません。貴族役のプレイヤーと従者(毒見)役のプレイヤーでペアになり、やはり生き残り点数を稼ぐことを目指すのですが、従者の中には下剋上を目論む裏切り者がいるようで、貴族のプレイヤーは果たして自分の従者がどれだけ信用できるのか、といった正体隠匿の要素を持つようになります。
こちらは、遊ぶ機会があれば本稿に加筆修正を行いたいと思います。

ステキだなと感じた点は、そのコンポーネントです。
ゴブレットはしっかりゴブレットでした。まぁ、中身が見えないように深く作る必要があるので当然と言えば当然ですが…
専用のインサートも入っており、収納した際にガタガタしません。これは素晴らしい。
反面、非常に残念なのがカード類です。個人的にはスリーブに入れて運用したいのですが、スリーブに入れるとインサートに入りません。いえ、スリーブの有無に拘わらず厳しい、です。インサートのカードの収納部分がカード幅ギリギリで且つ固定用なのか少し爪が出ており、カードの側面を傷付けます。いえ、それだけじゃありません。得点チップをパンチボードから抜いてインサートに収納すると、例えスリーブを外したとしてもカードの入る余地がなくなります…
ゴブレットの土台に付けるコースターがあるのですが、これは付けっぱなしだとゴブレットを重ねられず、外さなければ収納できません。このコースターを外して、外箱とインサートの隙間に縦に入れれば、スリーブを外したカードが専用スペースに収納できますが、前述の通り何度も出し入れするとカードを傷付けることになります。
結局、カードスリーブを装着した上でチャック袋に入れ、箱の外に置くことになりました。
この点だけは、いただけない点でした。

収納に多少の難はありますが、それこそお酒、取り分けワインでも飲みながら大勢でワーワー楽しむにはオススメできるかな、と思います。深い時間から始まるゲーム会のアイスブレイクなどに採用してみても良いかと思います。結局、勝った負けたよりも、殺した死んだで盛り上がります。何にも考えず、運否天賦で遊ぶのもまた、楽しいゲーム体験になるかと思います。

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大賢者
Yamashnikov [JP]
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