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  • 1人~4人
  • 40分~75分
  • 2017年~

プレイグインク / 伝染病株式会社Yamashnikov [JP]さんのレビュー

222名
2名
0
7ヶ月前

危険な病原体となって人間社会を崩壊させる、なかなかにブラックなテーマを扱う作品です。
元はスマートフォンのアプリとしてリリースされたゲームのアナログ版です。
ソロ及び2人で数回遊びました。

人類を滅ぼすことが目的ですが、その毒々しいコンポーネントには直接的な残酷描写はほぼなく、人間はシルエットか、あるいは仏様に掛けられた布から覗いた足先(足の裏)程度しか描かれていませんので、ショッキングな表現が苦手な方でも安心して(?)遊べるのではないかと思います。

各プレイヤーはウィルスかバクテリアかのどちらかとなり、他のプレイヤーと競争しながら感染を拡大させてゆきます。病原体はそれぞれ異なる能力を持ち、その戦法も異なります。
多くの国を感染させ、そして滅ぼし、それにより得られるDNAポイントを使って手札からプレイする特性カードを用いて病原体の持つ特性を進化させ、より効率良く、段取り良く、人類の根絶を目指します。進化できる特性は、感染力の増強や致死性の向上の他、気候に対する耐性や、感染経路の獲得などがあります。
手番で行うことは至ってシンプルで、手番が回ってきたら自分の病原体の感染の状況に応じたDNAポイントを取得し、次に感染対象の国を増やすか、あるいはその代わりに手札の特性カードを全部引き直すかのどちらかを実行し、そして特性を進化させた後に感染を拡大させるだけです。
感染対象の国はカードで表現され、複数の都市名がマスと共に記載されています。各プレイヤーはそのマスに自分の伝染病トークンを配置しマジョリティ争いを行います。1つの国に対して最も多くの都市を感染させたプレイヤーがその国を支配し、DNAポイントを得、そしてその国に属する総ての都市が感染した後に滅亡のトリガーを引くことが可能となります。国の滅亡は自らの病原体の持つ致死性の高さとのダイス勝負です。病原体の持つ致死性よりも小さい目を出せば「おめでとう!」
国は滅亡し、多くのDNAポイントを得ることが出来るでしょう。更に、プレイヤーに様々な恩恵をもたらすイベントカードも1枚手に入れることが出来ます。

感染可能な国が無くなればサドンデスモードに突入します。
何れかのプレイヤーの伝染病トークンがワールドマップから無くなった(つまり人類滅亡前に根絶してしまった)か、あるいは何れかのプレイヤーが感染拡大も国の滅亡も出来なくなったかするとゲームは終息します。
その時点で保有しているDNAポイントと、ゲーム終了時に進化させていた特性のDNAポイントのコスト分と、ゲーム終了時ボーナス(より多くの国を滅ぼした、など)とを合算し、最もDNAポイントを得た病原体が勝利を手にします。無人の荒野で、勝利を噛み締めると感慨深いでしょう。

ゲームに登場する国カードはゲーム毎に抽選し、特性カードも当然シャッフルしてからゲームを始めるため、引きに因っては手も足も出せない状況が生じてしまう可能性もありますが、それも含めて納得できる作りになっていると感じています。手持ちの特性とマップ上の感染対象国が上手く噛み合ったとしても、伝染病トークンは16個しかないために独走状態も起こりづらいのが良いですね。感染力ばかり上げていると致死性が疎かになりがちで、マジョリティ争いには勝てる割になかなか滅亡させられずに伝染病トークンが足りなくなってしまったり、反面、致死性に特化したせいで感染力が低くマジョリティ争いに負けて能動的に滅ぼすことができないなど、上手く環境に適応しながら戦わなければならないので、何となく病原体の生存戦略を体験できるのかな、と思ったりもします。

ソロモードに関しても自分のプレイ感は全く変わりません。
盤面の状況ではオートマがほとんど仕事をすることが出来ずに圧勝することもあれば、こちらの手が進まずにボロ負けすることもありますが、良い勝負ができた時のヒリヒリ感は筆舌に尽くしがたいものがあります。
運否天賦もこのゲームの魅力だと感じ、何度も遊んでいます。

数年前に世界規模で混乱をもたらしたウィルスのせいで、積極的にオススメしにくくなった題材のゲームではありますが、個人的には大好きな作品です。所持するボードゲームの中でも初めて購入した作品でもあります。ええ、レアケースですね。わかります。
些か重たいこのテーマは、海の向こうの方々特有のブラックユーモアなどとして受け止めていただき、楽しんでいただければこの作品のファンとして嬉しく思います。
また、拡張セットも1つ出ておりまして、購入の機会に恵まれれば入手するつもりでいます。

それでも、気になる点はありまして、その1つは「本家アプリ版と違って人類が抵抗しない」ことが挙げられます。アプリ版ではCUREと呼ばれる研究や医療行為がありました。人類も座して死を待つわけではありません。病原体の根絶に向けて特効薬やワクチンの研究開発を進めるわけですが、それがこのボードゲームにはありません。他プレイヤーのイベントカードの効果で感染を縮小されることはありますが、人類の抵抗が全く見えないのはゲームの難易度の面でも少し物足りなく感じました。
そして、個人的には大問題なのが「カードスリーブがない」ことです。50mm*70mmという、国内では類を見ないカードサイズなので、カードスリーブの流通を見たことがありません。海外から買い付けるしかない状況なのが、カードはスリーブに入れておきたい身としては、非常に残念に思っています。

総合すると、とてもとても楽しい作品です。拡張セットに収録される病原体はどんな能力を持っているのか期待も高まります。残念ながら拡張セットの開発は止まっているようですが、本家アプリに実装されている病原体を網羅するまでの拡張セットをいつまでも待ち望んでしまう、そんな作品です。

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Yamashnikov [JP]
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