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  • 1人~4人
  • 60分~90分
  • 14歳~
  • 2021年~

マグレヴ・メトロ Yamashnikov [JP]さんのレビュー

375名
4名
0
6ヶ月前

今よりそう遠くない未来を舞台に、効率的な交通手段の確立をして鉄道王を目指す作品です。
その交通手段こそが磁気浮上式鉄道(マグレヴ・メトロ)です。マグレヴとは、"MAG"netic "LEV"itation(磁気浮揚)を意味する言葉だそうです。近未来とハイテクノロジー、はい、もうワクワクを禁じ得ません。
2人で数回遊びました。

遍く鉄道系ゲームがそうであるように、六角形のマス(ヘクス)に区切られたマップに線路を敷設して、効率良く乗客を輸送して勝利点を獲得するのが目的です。因みに、このゲームは磁気浮上式鉄道がテーマなので、線路ではなく軌道と呼称します。
このゲームでは軌道を敷設したヘクスに専有性がなく、他のプレイヤーも同じヘクスに軌道を敷設することができます。並走したり、交叉したり、ゲームが進むと現実の路線図のようにカラフルなラインが入り乱れる光景を目にすることができます。これを実現させるのが、ストレートやカーブのラインが1本入ったプラスチックの透明なタイルです。本作の最も特徴的なコンポーネントと言えるでしょう。

各プレイヤーは手番中に移動や乗車、駅の建設などのアクションから、任意に2アクション行います。これをゲーム終了の条件が満たされるまで回して続けます。
勝利点の計算はゲームの終了時に行われます。単純に得点勝負です。

では、効率の良い乗客の輸送はプレイヤーに何をもたらすのか。それは、拡大再生産の雰囲気を感じさせる、このゲームのもう1つの特徴である個人ボードの強化です。
個人ボードには、一度のアクションで移動できる駅の数や敷設できる軌道の上限などを意味する空きスロットが用意されています。近年「豪華なコンポーネント」の代名詞になりつつあるダブルレイヤーというやつです。目的地で降車させた乗客はこの個人ボード上の空きスロットに配置され、アクションの強化に貢献します。移動のスロットに1人配置することで一度に移動できる駅の数が1つ増え、乗車のスロットに1人配置すれば一度に乗車させられる乗客数が1人増える、といった具合です。追加のアクション(最大5まで)を得られたり、列車の定員数を増やすといった強化項目もあります。

乗客には金・銀・銅のメタリックな配色の3種のロボット客と、赤と青の濃淡で分けられた4種類の人間の通勤客があり、ロボット客はアクションの強化に、人間の通勤客は勝利点の獲得に貢献します。つまり、アクションの強化を目論んでロボット客を優先しても勝利点の獲得には結実せず、勝利点の獲得を急ぐあまり通勤客を優先すればアクションが弱くジリ貧になる、「今はどの乗客を優先するか」そんな選択を常に迫られることになります。
プレイヤーが停留する駅に乗客を配置する呼び込みアクションがありますが、姿を見せる乗客はバッグドローのため狙い撃ちが難しく、当然ですが種類を問わず有限なので、他のプレイヤーとの取り合いになります。個人ボードを全部乗客で埋めることは、ほぼ実現不可能と考えて良いでしょう。
いずれかのプレイヤーの手番終了時に、乗客が待機するバッグが空になっていれば、ゲームは終了に向かいます。例え輸送が完了していない乗客が駅や車内に残っていたとしても…
時には誰かが呼び込みしまくって、意図せずゲームが終わってしまうこともあるかも知れません。そんなプレイヤーが現れれば、何はなくとも通勤客の輸送を急いで、少しでも勝利点を得なければならないこともあるでしょう。臨機応変さが求められます。

プレイヤーの状況に応じて重要視されるアクションが変わるため、個人ボード上のロボット客を移動させて各アクションの強度を変更する調整アクションも用意されていますが、これまた「今1アクション消費して強化ポイントを振りなおす必要があるか」と悩むことになります。
悩みついでに、ゲーム開始時にランダムに数枚配布される(上級ルールではドラフトする)勝利点のボーナスカードもまた、思考の沼に誘う要素でもあります。
幸か不幸か、資金や株式といった要素は廃されているので、単純に乗客の効率的な輸送に専心できる鉄道系ゲームになっています。

このように、手番で行うアクションは至ってシンプルな割に、思い切り悩まされるゲームなのです。このジレンマが面白いと感じられるか否かが、本作を楽しめるか否かの分かれ道ではないかと思います。
ですが、勝敗に拘らず、他プレイヤーなど我関せずで理想の鉄道網を敷くのに専念し、ゲーム終了時に完成した美しい路線図を愛でるプレイでも、十分に楽しめます。
無論、悩みに悩んで掴んだ勝利は、何物にも代えがたい達成感をもたらしてくれるでしょう。
ゲーム開始時に配られるボーナスカード、乗客のバッグドロー、他のプレイヤーの行動、適度に存在する不確定要素で、二度と同じ盤面にはお目に掛かれません。なので、何度も遊びたくなるゲームです。
マップは両面刷りで、それぞれ特徴や戦略が異なる2つの都市が用意されているのもまた、リプレイ性の向上に一役買っているのではないでしょうか。

このマップは凄いです。駅が建設可能なヘクスは予定地としてスロットになっており、それが両面の都市にそれぞれ存在します。ええ、つまりトリプルレイヤーというやつです。初めて目にしました。
また、プレイヤーの駒となる列車は金属が使われています。雰囲気は抜群です。スタートプレイヤートークンも金属製で、非常にカッコ良い! ステキ!
ただ、ご注意いただきたいのが、プラスチックの軌道タイルに施されたラインの塗装が剥げやすいです。収納する際は、トレーシングペーパーのような薄い紙をタイルの間に挟むか、100均などで購入できる缶バッジなどを個包装できるテープ付きのクリアファイルのようなものを準備して1枚ずつ入れると良いかと思います。
これらの豪華なコンポーネントは材質や作りの関係上、物理的に重量級です。手に持った感覚が重ゲーというのもまた、初めての経験でした。そのためでしょうか、得も言われぬ所有欲の充実を感じました。

全体的に見て、非常に拘って製作された作品だな、と感じました。
システムもよく練られており、アクションのルールを理解して遊ぶだけなら初心者の方でも問題ないかと思います。遊ぶだけなら。とは言え、数回遊べば安定した動き方も分かってくるのではないかと思います。
完成度の高い、「買って良かった」と思える作品でした。
少々値は張りますが、価格に見合う満足感と面白さを得られると思いますので、是非とも遊んでいただきたいなと強くオススメできます。
鉄道好きの方にはもちろん、頭を使ったりジレンマに悩まされたりするゲームが好きな方も、手に取ってみてはいかがでしょうか。

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山彦
Hirrosh
MIFFYBX
びーている / btail
マグレヴ・メトロ 日本語版
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アクリル線路タイルを敷設し、運んだ乗客でアクションを強化! ジャンルの概念が変わる、革新的・革命的鉄道ゲーム!
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大賢者
Yamashnikov [JP]
Yamashnikov [JP]
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