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  • 1人~4人
  • 30分~45分
  • 10歳~
  • 2011年~

パックス18toyaさんのレビュー

154名
2名
0
3年以上前

市場に並べるか,自分の手札に納めるか,はたまた山の底に沈めるか?悩まし楽しい三択!

【評価7/10】

やや中量級寄りの軽量級・1人~4人

市場構築×タブロービルド×セットコレクション!


<以下はソロプレイの感想です>

軽めに一人で流せるのにそこそこ遊びごたえもある,という貴重なゲーム。カードのみで構成されているため,セットアップ・お片付けが楽な点も○。

一人で遊ぶ場合,プレイヤーは反乱軍となり,ノンプレイヤーのローマ軍との戦いで勝つことが目的となります。また,難度も第1ゲーム~第5ゲームまでを選ぶことで難度調整が出来,自分に適した難度で遊べるのも良い点です。

 

長所

・短時間で遊べ,軽い遊び感

・それでありながら軽くジレンマを楽しめる

 短所

・がっつりした遊び応えを求める時は足りない

・イラストもゲーム展開も渋い

 

<基本>

ベースとなるシステムは

1 ラウンド開始処理

2 山札ドロー、手札・市場・山札の底への3択

3 市場からカード購入

4 カードプレイと収入

5 ラウンド終了処理(ローマのカードプレイ)

の繰り返しです。その後,カードの分野ごとにプレイヤーがプレイしたカードとローマ側のカードのシンボル数を比較し,どちらのシンボル数が優勢かを判定。最終的にゲームごとに必要な分野数をプレイヤーが優勢にできていればプレイヤーの勝利となります。


細かなルールについてここでは触れず,このゲームのキモについてだけご紹介します。

それは「攻防一体の市場構築」です。

(ルールの中では「軍団カードの下にカードを置いて」的に書いてありますが,ここではそれを「市場」と表記します)

 

<攻防一体の市場構築>

市場はプレイヤーとローマの共通の場です。プレイヤーもローマもそこからカードを購入し,自分の場を作っていきます。

プレイヤーのお金は中盤まで結構カツカツなので,欲しいものを欲しいだけ買う余裕はありません。一方ローマは無尽蔵の資金力があります(どんなに高い買い物でも購入できる)。しかし,ローマは頭のデキが残念なので値段が高いものに目を奪われ購入していく。そこが付け入る隙です。

 

ソロプレイにおける市場は,3つの市場にランダムにカードが補充され,そこにプレイヤーがどこかの市場に1枚だけカードを付け足したのち,まずプレイヤーが3つの市場から1つを選んでその市場にある全てのカードを購入できる権利を与えられ,その後残りものの中で1番合計値段が高いものをローマが購入していくという流れになっています。

このプレイヤーによる1枚付け札と,同じ種類のカードの中には値段が安いものも値段が高いものも混じっているという2つの点がミソです。

 
シンボル数が同じでも値段が結構違う(金貨のイラストがお値段です。上段が1シンボルで左から1金、2金、3金。下段が2シンボルで3金、4金)


基本的にプレイヤーが付け札をする時は

1)市場から自分が買うことを考えて付け札をするか

2)ローマに買われたくないものから目をそらすために付け札をするか

3)どれも手に入れて欲しくないが,いちばん取られてもマシそうなものに付け札をするか

の行動選択となるでしょう。市場から自分がカードを購入するのなら,お値打ち品にお値打ち品をくっつけて「お値段以上それ以上」を買うのがベスト。ただ,市場にたまたま高いものばかり並んでいてこのラウンドは市場から買わないで我慢だな,という時もある。こういう時には自分が欲しいものをローマに買われないために,別のものに高額商品を抱き合わせて高値を意図的に作り出し,ローマにそちらを買わせるという作戦も成立する。

このように,攻防一体の市場原理をうまく使いこなし,ローマを手玉に取るのがこのゲームの(特にソロプレイにおける)醍醐味です。


お値打ちにお値打ちをドッキング!

ただし,一方でプレイヤーにも泣き所があり,カードドローに関する制約がある。プレイヤーは「山札から1枚ずつカードをドローし,そのつど「市場に並べるか」「自分の手札に加えるか」「山札の底に戻すか」のうちどれにするかを1枚ずつ決めなければならない。

これを必ず3回繰り返し,1枚は市場に,1枚は手札に,1枚は山札の底に必ず送らなければならない」。次のカードが分からないのが曲者で,「あーーー次にこれが来るんだったらさっきの判断間違ったじゃーーーん!!」という事が起こるわけですね。こうしたドローの制約は市場構築とワンセットになっており,このゲームのキモ,醍醐味になっていると思います^^

神殿のシンボルを3つ集めると最初のドローが2枚になる。最初に集め始めたいのはこれか、葡萄シンボル(3つで購入が1金安くなる)辺り。


<短所>

このゲームの短所は上でも言いましたが色々渋い点です。そもそも箱絵からしておっさん二人のにらみ合いですよ 笑

カード絵にも可愛い感じのイラストも無く,やはりおっさんばかり。しかもアートワークのみならずゲームのシステムも渋く,派手な演出や派手な効果のカード等は無く,ひたすら市場を操ってローマに割を食わせ,こちらが得をするよう画策するという地味な展開です。

システムについては,そういうゲームがむしろ好き!という方も居るので一概に短所と言えない面もありますが,アートワークは一般受けするとは言いがたいのが,この作品が今ひとつメジャーになっていない理由でしょうね。

 

ただ,ローマをうまいこと操って思い通りの展開を作った時の「してやったり」感はなかなか楽しいので,イラストだけで敬遠している方は少し勿体無い気もします。

もう一つの短所は,軽く遊べる反面がっつり感が足りない点ですが,これは小箱寄りのゲームのため当然と言えば当然です。「がっつりソロプレイをやる用」のゲームはまた別に用意するのが良いでしょう。

 

<多人数でも楽しめそう>

今まではソロについてお話してきましたが,複数人で遊んだ場合,良い意味で少しゲーム性が変わってきそうです。

プレイヤーの中には裏切り者がほぼ必ず発生するシステムになっており(正体隠匿性はなく,目に見えて裏切り者です 笑),更にカードプレイによりその裏切り者が次々変わりうるシステム。

つまり,自分はローマを勝たせるプレイをするのか,反乱軍としてローマに勝つプレイをするのか悩みそう。あとは,市場構築もいろんな人の思惑が絡みそうなので,市場の作り方とカードの購入の仕方等のプレイ感が変わってきそうで,こうした複数人プレイもなかなか面白そうです。

 現在,日本語版の流通量はあまり多くはないようですが,BGGに日本語訳ルールが置いてあるので並行輸入版でも問題なく遊べるでしょう(私が入手したのも並行輸入版です)。カードはアイコン等で効果が示されておりテキスト表示が無いので,言語依存は低い方かと思います。


<最後に…勘違いで生まれたオリジナルソロルール>

 ちなみに,私,第3ゲーム・第4ゲームのルールを途中まで勘違いしてやっていまして,その「勘違い第4ゲーム」が相当に難易度高く,また「先行して走るローマを追いかける」展開になりがちなので,標準添付のソロプレイとはまた違った感覚で遊べるのでは無いかと思い,こちらのルールの方にこのレビューと合わせて投稿させていただきます。ご興味がある方はお試してください^^

というわけで,ソロプレイ中心のレビューでした。最後までお読みいただきありがとうございます。皆様の良きボドゲライフに貢献できれば幸いです^ ^

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荏原町将棋センター
Sato39
18toya
18toya
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