- 3人~4人
- 20分~30分
- 12歳~
- 2017年~
最上川drillさんのレビュー
【まえがき】
2017年ゲームマーケット春にて、国内同人サークルから発売されたカードゲームです。イベント販売のみだけではなく、一般流通もしています。
ゲーム内容は、最上川を行き来する商人に作物を運んでもらう村長となり、より多くの商品を運んでもらうことで村の名声を上げることを目指します。
【ルールの簡単な説明】
※簡略化した説明です。説明書は公開されておりますので、詳細はそちらを参照してください。
最初に、場に名声カード4枚を1列に並べます。これが名声トラックおよび舟が進むエリアを表します。
次に、最上川カード(運ぶ商品を表す)を混ぜて山札にします。
次に、この山札から、一番下の名声カード(出発点にあたる)の横に5枚カードを並べます。これが今からゴールを目指す作物を載せた舟になります。
次に、この舟のカードの下側にさらに5枚カードを並べます。これが場札(場のカード)になり、各プレイヤーの手札となります。
次に、山札からさらに2枚、場札の横に積み重ねるようにおきますが、半分ずらして下側のカードが見えるようにします。これが五月雨カード(舟が進む要素になるカード)です。
最後に、各プレイヤーに山札から5枚ずつ配って手札とし、プレイヤーコマ7個を受け取ります。このコマは舟に載せるコマになります。
舟で運ぶ作物は「米」、「紅花」、「あおそ」の3種があり、最上川カードにはこの3種の作物のいずれかと数字が描かれています。これは、舟として場に置かれた時はどの作物をどれだけ運んでいるかを表し、手札として持つ時はどの舟にコマを乗せられるかを表します。
各プレイヤーの手番では、
まず場札から1枚カードを選び、手札に加えます。
次に現在ゴールを目指している舟にコマを置くか、または山札から2枚カードを引くかを選びます。
舟にコマを置く場合、乗せようとしている舟に描かれている作物または数字が合っているカードを手札から捨てなければなりません。どちらもあっている場合は1枚で2枚分として数えます。そして捨てる枚数は、舟に描かれている数字分の枚数となります。さらに舟が出発点から進んでいる場合は、現在いるエリアに該当する名声カード右下に描かれている分の枚数が余分に必要となります。つまり、出発点が一番枚数が少なくて済み、ゴールに近いエリアになるほど必要な枚数が増えるということです。
1回で乗せられるコマの数に制限はなく、手札から必要な枚数分のカードを捨てられるのであれば、一度に何個乗せても構いません。
これを繰り返し、手番が一巡したら舟を進めます。まず残っている場札と同じ列にある舟が1エリア進みます。次にその残っている場札と同じ作物または同じ数字の舟が1エリアずつ進みます。さらに五月雨カードと同じ作物または同じ数字の舟も1エリアずつ進みます。
舟がゴールに到着したら名声の計算を行います。到着した舟にコマを乗せているプレイヤーは、その舟に描かれている数字×乗せているコマの数分、名声トラックを進めます。名声トラックは作物ごとに分かれているため、到着した舟に該当する作物の名声トラックのみを進めます。さらにこの名声トラックには最初、現在点を示すマーカーは置かれていません。名声の記録が必要になった時点で、自分のコマを置いてマーカー代わりとします。つまり、この時点でコマが1個減ることになります。
さらにこの舟に単独最多でコマを乗せていたプレイヤーは、この最上川カードを獲得します(獲得した枚数で最後にボーナスがあります)。
最後に到着した舟の代わりに、新しい舟を山札から補充します。
これを繰り返し、名声カードの上2枚のカード上にマーカーが8個乗った時点でゲームは終了し、自分のマーカーが置かれている名声トラックの数字を各作物ごとに加算し、獲得した舟の枚数によるボーナスを加えて最終点数とします。最多点数のプレイヤーが勝利者となります。
【感想】
非常に多くの要素をコンパクトにまとめたカードゲームです。舟によるレースゲームに見えますが、早く到着することが目的ではありません。如何に自分のコマをうまく舟に乗せてゴールさせるかを競うゲームだと思います。
もちろん、終了条件を満たすために早く名声を進めるという点ではレースかもしれませんが、主の目的ではありません。
このゲームでは大きく分けて2種類の戦略があると思います。
できる限り手番ごとに舟にコマを乗せてチマチマと名声を稼ぐか、もしくはカードを貯め込み、1つの舟に大量のコマを乗せて一気に名声を稼ぐかのどちらかだと思います。どちらがいいのかは、まだプレイ回数が少ないため、結論は出せません(恐らくは、どちらも効率は変わらない気はします)。
ゲーム自体は派手さはなく非常に地味な展開であり、この点は好みが分かれるのではないかと思います。失礼ながら見た目も地味であるため、このゲーム自体に興味を持つ人も少ないのではないかと思います。
しかしながら、このゲームは手札のコントロール、どの舟がゴールに近いかを予想してその舟にうまく乗り込めるか、名声をどのようにして進めるかといろいろ考える点があり、単純ではありません。そうは言っても、要素が複雑に絡み合い、高度な考えが要求されるわけでもありません。そのため、ゲームにある程度の歯ごたえを求めている人には合っているのではないかと思います。
リプレイ性もある程度あり、1回のみならず、2回、3回と繰り返して遊べるのではないかと思います。ただゲーム内容が大幅に変わるような要素もないため、若干飽きやすいようにも感じます。
総合的には考え所もある非常にまとまった内容のゲームであり、同人サークル発のゲームの中ではかなり良質であると思います。
- 20興味あり
- 32経験あり
- 5お気に入り
- 21持ってる
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