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  • 1人~4人
  • 20分~50分
  • 8歳~
  • 2021年~

ジューシィフルーツ荏原町将棋センターさんのレビュー

449名
7名
0
3年以上前

日本語版が発売されたジューシィフルーツ。

ルールは簡単ですが、フルーツ資源を効率的に得るためのスライドパズルは結構悩ましく、拡大生産を狙いに強力なビジネスタイルを入手すると、スライドさせる余地が無くなり、かえって生産できなくなります。


各自、個人ボードに島を持っていて、手番では、まず、5種類あるフルーツタイルの一つを、縦か横にスライドさせます。空いているマスの分までスライドできるので、例えばバナナを3マススライドさせれば、バナナが3本貰えます。

次に、島の四辺にある12隻の船の一つにフルーツを渡して出航させるか、(フルーツを渡して)ビジネスタイルを得るか、どちらかを行います。

最後に、ジュース工場にあるトラックマーカー(各自2枚)を(フルーツを使って)それぞれ1マス進めることができます。(進めなくてもよい)

この3フェーズで一手番です。要は、収穫して→使えたら使う、というだけです。


VPは、

各船出航のVP(1〜8VP)

大きな土地(6〜18VP)

ビジネスタイルを得る時のVP(1〜5VP)

即時VPや終了時VPのビジネスタイル

緑のアイスクリーム屋(7〜8VP)

黄のアイスクリーム屋(10〜12VP)

青のアイスクリーム屋(16VP)

ミルクセーキ(3VP)

ジュース工場の各マス(1〜8VP)

レモネード(1本につき1〜5VP)

と多彩ですが、コストパフォーマンスから言うと、アイスクリームが頭一つ抜けています。特に、緑のアイスクリーム屋はライムとオレンジの2種類、黄のアイスクリーム屋はバナナとザクロとマンゴスチンの3種類で製造できるので、それぞれフルーツ1個あたり4VP程とコスパが非常に高いです。つまり、これらのアイスクリーム屋が、このゲームの主たる得点源と言えます。

このアイスクリーム屋を開店させるには、同色のアイスクリーム移動販売のビジネスタイルが必要です。

逆に、気になるのは、下の3つ、ミルクセーキとジュース工場とレモネードで、コストパフォーマンスが弱く、使われにくいです。


一方、このゲームでは、単純な拡大生産はできない仕組みとなっています。フルーツ資源は、空き地をスライドさせることによって得ることになっていて、もしビジネスタイルや大きな土地を取ってしまうと、それを配置しなければならず、スライドがしにくくなってしまうからです。これが大きなジレンマとなっています。

結局、空き地を作りながらVPを得る、船の出航アクションが大事となります。ただ、この出航アクションのコストパフォーマンスは、例えば最大8VPの船でフルーツ6個(3×2種類)なので、アイスに比べると、主の得点源には到りません。

そこでセオリーとしては、VPの小さい船を先に出航させることとなります。

↑ スタート時の島の状態。周りは船で埋め尽くされ、どのフルーツも、初手は、空きマス1つしか動かせない。それにしても、可愛いフルーツ達!このトークンは思っている以上に大き目です!


ジュース工場に関しては、トラック(ベルトコンベア)の最後に8VPが待ってはいるものの、先に進むということはそれだけフルーツを消費しているということなので、コスパはいいとは思えません。せっかく面白い双六なのに、あまり戦力になりません。(もっとも、ジュース工場は拡張ルールですが)


アイスクリーム戦略がオーソドックスな戦略となりますが、短所もあります。

それはまず、移動販売のビジネスタイルを入手しなければならないこと。もし、ゲーム開始直後に、一直線でこの移動販売を入手しようと動くと、獲得後早速一マス分狭くなります。

また、アイスを製造してVPを得る時は、フルーツタイルの代わりに移動販売タイルをスライドさせますので、フルーツ資源は取れません。つまり資源を増やす代わりに、VPを得るアクションをしているのです。これをどう見るかです。

↑ 5つの営業許可所。ここに様々な観光ビジネスが並んでいる。係官にフルーツを賄賂として渡し、営業許可を貰う。貰ったビジネスタイルは、即、自分の島に配置する。下部は、3軒5種類のアイスクリームとミルクセーキ屋。左上はジュース工場。1マスずつ進むミニ双六となっているが、各自2つのコマを動かせるので、ちょっとややこしい笑


スピードを重視するなら、出航戦略となります。コツコツと面積を拡げていき、ミドルクラスのVPを取っていきます。フルーツは、この戦略を経験した者しか分からない量をザクザク獲れます笑

実は一番スピードが早くてコストパフォーマンスが高いのは、大きな土地です。これもビジネスタイルで地権を貰うのですが、即、自分の島に土地を置かなければなりません。6〜10VPの土地は1×2マスの長方形、12〜18VPの土地は2×2マスの正方形ですので、序盤、いや、中盤でさえ身動きが取れなくなります。船をあまり出航させていないプレイヤーの場合は、終盤でも身動きが取れなくなります笑

ただ、船戦略とは相性が良く、ガラガラになった土地に大きなVPを堂々と置くことができます。出航土地戦略です。ザクザク感がなくなるので、終盤に置きたいところです。

ザクザクだともう一つ、5つ全てのフルーツを使う青のアイスクリームが作りやすくなります。一つ16VPというアイスですので、一気に3個作れば、一手で48VP!得ることができ、逆転も可能です。


総じて、戦略としては、アイスクリーム戦略と出航土地戦略の二つが考えられます。基本戦略としてはアイスクリーム戦略ですが、船をいつ出航させ、何隻まで出航させるべきか。このタイミングが難しいです。

あまり遅いと移動販売タイルが取れませんし、移動販売タイルを入手しても、アイスを作るフルーツ資源がちょっとずつしか得られなければ、効率よくVPを稼げません。

だからアイス移動販売タイルを四つ角に置いてしまう手もあります。この場合、船を1隻でも出航させないと全く使えませんが、とりあえず入手しておく、という作戦です。

↑ 序盤に欲張り過ぎ。船を2隻しか出航させていないのにビジネスタイルをたくさん早取りしてしまうと、このように詰んでしまう。(まだなんとかやり繰りできますが…)

また、これは公開次第ですが、終了時VPのビジネスタイルも、条件が揃えば大きなVPとなります。

ちょっと難しいかもしれませんが、こちらもお子様のいる家庭にオススメのゲームです。


p.s いろいろ遊んでみたのですが、拡張のジュース工場の価値を高めるためのヴァリアントとして、ゲーム終了時に全員レモネード2本が作られる、とすると、レモネードにも活躍の場ができるのでいいかもしれません。

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