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  • 1人~4人
  • 60分~120分
  • 14歳~
  • 2024年~

フェニックス〜新たな地平線〜荏原町将棋センターさんのレビュー

88名
4名
0
約13時間前

このゲームには、「迷路」というメカニクスが含まれています。メインボードは、いかにもマジョリティ争いなのですが、主メカニクスは、ワーカープレイスです。

なぜ迷路なのか。それは、双六型ワーカープレイスだからです。要は、トラックが一直線ではなく、分岐が多くなっているわけです。この双六型のアクションボード上で、3人の隊員を、地下から地上に向かって進ませながら、ワーカープレイスして行きます。

↑ 上のメインボードではなく、下のアクションボードでワーカープレイスをして行く。


テーマは、2021年、核災害から逃れるために地下に移住していた人々を再び地上に戻らせること。汚染された地上に再生装置を造り、公共施設、軍事施設、科学施設などの建物を建てて行きます。これがフェニックス計画、つい3年前が舞台の超現代ボードゲームです。


手番では、隊員(ワーカー)を、同じ高さ(最初は地下4階)の任意のアクションスペースに移動させ、実行するだけです。アクションスペースは、「再生装置を建てる」「建物を建てる」の2つが王道で、他に、住民を1人地上に進める、開発を1つ上に進める、があります。階が上がるごとに、これらの派生したアクションや新しいアクションが増えて行きます。

また、メインアクションする代わりに、隊員を1人昇格することができます。これは、大量のガソリン(このゲームのお金)を払うことで、上の階(スタート時なら地下3階)へ上がることです。そして、上がる時、+1ガソリンを足すことで、その階のアクションもできます。ですので、昇格する場合は、必ずもう1ガソリン払って、アクションもすべきです。ちなみに、ガソリンさえあれば、2階分一気に上がる「ダブル昇格」もできます。

3ワーカーのうち1人は、隊長です。隊員と隊長の違いは、唯一、昇格追加アクションの+1ガソリンが無料になる、それだけです。


大きなVPは、主に、再生装置と建物の建設により得られます。通信室と言われる条件付き終了時VPタイルが9つあり、ほとんどが「〜1つにつき○VP」です。例えば、「中型(銀)の再生装置1つにつき」「公共施設(青)1つにつき」「紫地区の再生装置1つにつき」など、再生装置や建物に属しています。

通信室には、救助された人々だけが辿り着くことができます。モグラのようになってしまった住民は、各プレイヤー、ゲームスタート時に1人だけ、人口ルートの地下深くに、身動きの取れる状態になっていますが、残り6人は、人口ルートの途中に1人、個人ボード内💦に5人、閉じ籠っている状態です。

要するに、各プレイヤー、7人の住民を9つの通信室に送ることが目標です。

個人ボードの5人の住民を救出するには、個人ボードにあるエネルギートラックをコツコツ上に上げていく必要があります。これだけで3人が助かります。また、建物ディスクを建てて行けば、2人の住民が身動きが取れるようになります。

通信室は、「地上」に3部屋、「人口ルートの地上」に3部屋、「隊員ルートの地上」に3部屋あります。助けられた住民は、ダイレクトに地上の通信室に行くか、隊員ルートの地上付近で隊員達が来るのを待っているか、人口ルートのスタート地点に置くか、の3択によって配置します。

一番幸せな住民は、「ダイレクト地上」の通信室に置かれる人です。プレイヤーとしても、確実にその通信室の終了時VPが入るので、まずはここです。各通信室は、3人までの早取りなので、「〜1つあたりのVP単価」が下がって行きます。とは言っても、条件が自分に合ってなければ「ダイレクト地上」に置く意味はありませんし、そもそもここの通信室に置くのは序盤になります。なので、ゲーム終了時ハズレる可能性も大きいです。

人口ルートは、枝分かれの多い、一方通行のトラックです。双六のゴールは3つの通信室で、途中の分岐で進路を誤ると、目的の通信室に辿り着けなくなります。しかし、各マスには美味しいボーナスがあり、条件未達成の序盤中盤は、大きなVPになる通信室がどれになるか決められず、ボーナス本意で進みます笑

アクションボードも同じです。隊員達がワーカープレイスする双六は、地上の3つの通信室へのルートが、シンメトリーではあるものの、ケーブルが複雑に絡み合い、やはり、行ないたいアクション本意で、隊員達は上って行きます笑。この3つの通信室に入る場合は、まず、フリーの身となった住民をキープしておき、隊員の1人が地下1階のアクションを行なった時、そのキープしていた住民を配置します。したがって、住民をキープしないうちに隊員が地上に上がってしまったら、通信室に配置する住民がいないので、置くことができません。

また、隊員は、地上に到達すると、即座に再び隊員ルートの最深部のスタート地点に戻り、このラウンドもう1アクションできるようになります。

手数は3人の隊員×全4ラウンド=12手番ですが、この行動により、唯一手数が増えます。

↑ アクションボードの隊員ルート(2、3人用)。アクションスペースは嵌め込み式なので、毎回変わる。地下3階にはレベル2、地下2階にはレベル3、地下1階にはレベル4の技術タイルがある。レベル2の技術タイルは、このゲーム唯一の永続効果が付いている。しかし、レベル3の即時効果、レベル4の終了時VP効果の方が強いので、レベル3、4まで我慢する手もある。技術タイルは各プレイヤー4枚までしか取れない。


通信室の次に大きなVPは、各建物VPです。これも、公共施設1軒につき、軍事施設1軒につき、科学施設1軒につき〜ですが、各3建物専用のミニトラックで単価を上げていきます。MAX4VPまで行くので、建てる建物を特化すれば、大きなVPとなります。しかも、通信室VPと被るので、特化する価値はあります。

↑ メインボード左側(2、3人用)。3つの地区に分かれている。ここに再生装置と建物を建てて行く。左下にあるのが「ダイレクト地上」通信室、左上にあるのが、建物VP単価トラック。右下は、設計図タイル。ミッションカードと全く同じやり方で獲得できるが、これは先着1名の早取りとなる。


プレイの方針となるのが、ミッションカードと呼ばれる、再生装置や各種建物のパターンビルドです。このカードを沢山手に入れ、コツコツ完成させていきます。このボーナスによってガソリンやアクションを増やして行くのが一番効率的です。


最後に、個人ボードの構成ですが、中央下から伸びるエネルギートラックが生命線で、この左側に、再生装置と建物が嵌め込まれています。これらの建物は、エネルギートラックの位置(高さ)と同じかそれ以下の建物しか建てることができません。これは同時期の重ゲー「パンペロ」と同じです。

そのエネルギーなのですが、これは、再生装置を建てることにより、その穴空きボーナスとして必ず1進むことができます。つまり、新しい再生装置を建てるためにはエネルギーが必要で、そのエネルギーを増やすためには再生装置が必要、という相互関係です。また、建物ディスクは、メインボードの再生装置がある区画にしか建てることができません。つまり、再生装置が優先です。しかし、他プレイヤーが建てた再生装置の区画にも建てることができるので、建物優先に建てて行くこともできます。この場合、他プレイヤーは、再生装置を建てた際のメインボードのボーナスを再度貰うことができます。

また、エネルギートラックは、各ラウンド頭のガソリン収入の量も表します。これには、個人ボードのエネルギートラックの右側の下から伸びる開発トラックが絡んできます。開発トラックは2種類あり、左の開発トラックは、エネルギートラックとともに、収入量に関与します。エネルギーと開発どちらか下の方にある位置(高さ)のガソリンを得ることになります。

また、右の開発トラックは、これまた分岐のあるミニ双六となっています💦この右の開発トラックの高さと左の開発トラックの高さの低い位置にある終了時VPを貰うことができます。

つまり、エネルギートラックと2本の開発トラック、計3つのトラックは、最終的に平均的に進めなくてはなりません。

↑ 個人ボード。スタート時は、エネルギーは一番下だが、2つの小型(銅)再生装置と2つの建物が建てられる。開発トラックは、左右両方とも4マスずつ進めば、終了時10VP入る。エネルギートラックは、3人目の住民がいる高さまでがまずは目標だ。その時建設できる建物には6VPが付いている。右下がミッションカード。達成しなくても罰符は無いので、沢山持っておきたい。


考察

◾️9つある通信室のうち7箇所に7人の住民を配置するのがベストだ。しかし、総人数よりも、効率性、つまり配置するタイミングが物を言う。自分が伸びている、あるいは伸びそうな条件の通信室に、できるだけ早く配置していきたい。空振りになる通信室に置いても意味がない。

◾️人口ルートの3つの通信室には、少なくとも2人の住民を置きたい。1人をゴールさせ、新しい住民を再度スタート地点に置くのだが、ブランクがあると、その間に人口ルートを進めるボーナスが無駄になってしまう。1人目がゴール近くになったあたりで早めに2人目の住民を置いておきたい。3周目は、手数的に難しいかもしれない。

◾️人口ルートの通信室3つが無理となると、隊員ルートの通信室にも2住民を置きたい。ただし、4人プレイの場合、スタート地点の地下4階から、左右どちらかの地下3階に昇格した瞬間、反対側の地上にある通信室には行けなくなる!この迷路で不覚をとると、自分に合っていない無意味な通信室にゴールする可能性もある。勿論、やりたいアクションの道を進んで行くのが当然なのだが、少なくとも中盤からは、ゴールの通信室を意識した道のりを選ぶことが肝要だ。

◾️隊員達は、3人全員アクションが終わると、その階にある休憩場に戻る。また、隊員ルートの道中には、ワープゾーンがある。これは、他プレイヤーが踏んでいるスペースによって発動する。したがって、隊員がごちゃごちゃ多い休憩所では、後出しでアクションした方が、ワープを使える可能性が高くなる。昇格コストは、階が上がるごとに高くなるので、ワープや「無料昇格アクション」は、ガソリンを大量に消費しないで済む。

◾️人口ルートや隊員ルートの道中にある「1つの建物の種類を指定し、その建物VPを即時に得る」アクションが強い。本来終了時VPである建物VPだが、早めに特化してこのアクションを踏むと、ゲーム途中で大きなVPが入る。

◾️人口ルートの迷路を、初手から、左、左、左、左と進んで行くと、2VP、2VP、4VP、5VPと、VP街道(と私は呼んでいる)に入ることができる。序盤はさすがに生VPより他のボーナスが欲しいが、2周目3周目は狙う価値はある。ただし、2回目の分岐点を左に行くと、一番右の通信室には行けなくなるので注意。

↑ 人口ルート。今、オレンジの住民が立っているマスが重要ポイント地点。この点線では、もう1人の住民を見つけたことになり、この住民を「ダイレクト地上」通信室か、「隊員ルートのゴール地点」で待機させるか、「この人口ルートのスタート地点」に再び置くか、選ぶことができる。ここがなぜ重要地点かというと、ここで左右どちらかに進むかで、いずれか左右の通信室に行けなくなるからだ。もう真ん中は選べない。決断の時だ。


5つ以上あるトラックは、ほとんどが分岐ばかりでできている双六迷路。もはやトラックとは言えないわけで。自ら誤った道を進んでしまうので、中盤、いや、できれば序盤から慎重に進路を決めたいです。また、再生装置は、他プレイヤーとの半協力。ミッションや設計図の完成には、割り込むのが手っ取り早いです。しかし、自分で再生装置も建てなければエネルギーが上がらないので、あまり「お得感」ばかり追求するプレイを徹底できません。

ミッションやVPが、再生装置と建物の建設という、方針が限定されているゲームなので、プレイ感は簡単ですが、「効率」を求めるプレイは、かなり捻り出す必要があります。

また、何より、アクションボードの隊員ルート、メインボードの人口ルートは、入り乱れており、状況が変わると、あっという間に来た道を後悔することに。「戦略の幅」というより、「戦略のタイミング」が多くて難しいゲームと言えます。



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