エフテーヴェー?!荏原町将棋センターさんのレビュー

某大学非公認サークル「FTW研究会」

F(部長)「FTW⁉︎、フィッシェンと、フリーゼの新作はやはりFだったな」

T(副部長)「そうですね、今回のFはForです」

W(部員)「勝つために、というテーマは、ボドゲーマーを誘ってますよね」

F「なので今日は、挑発に乗って方法論を考えてみようじゃないか」

T「ほんとに数字だけのカードで、こんな難問ゲームを作るって、画期的ですよね」

W「我々3人なので…3人プレイで考えましょう」

F「1から36までの36枚。各プレイヤーに12枚ずつ配り切る」

T「親から順番に、場に出ている数字より大きい数を出していく」

F「出せない時、あるいは出したくない時は、場の数字より小さい数のカードを手元に公開し、場の中から任意のカードを取る」

T「手札の数は減らないわけですね。これをパスと言う」

W「場が流れるので、次のプレイヤーが親となり、任意のカードをリードする」

F「1回でもパスをしたプレイヤーは、次に出せない、あるいは出したくない時に、再度パスをする代わりに、手札の数字と手元に公開してあるお助けカードを足し算した和としてカードを切ることができる」

T「お助けカード、我々研究会では、貯金と呼んでますね」

W「その時、場に出すカードは手札のカードで、貯金カードは場外に捨てる」

F「なので場の数字が小さくなる」

T「誰かの手札が残り1枚になった瞬間終了」

W「その人は、そのカードの数字がそのままVPとなる。貯金カードは無視」

F「残りのプレイヤーは、手札の中で一番大きい数字から、それ以外のカードの数字を全て引く」

T「つまり、36などの大きな数を1枚残して上がればいい」

W「必ずしも上がる必要は無く、2枚残った人も、例えば36と1なら、36−1＝35VP入る」

F「自分が上がるつもりなら、例えば36と35を持って、35を出して上がれば簡単だ」

T「しかし、1回もパスしないで手札を減らし続けて、尚且つ、大きい数を2枚残すと言うのはまずあり得ない」

W「パスして大きい数を補強して、そういう2枚にすることは簡単ですが」

F「先に誰かが上がってしまうと、大変なことになる」

T「36−35＝1……」

W「例えば3枚残って、引き算の結果、マイナスになった場合は0VPとなりますが、1VPと言うのは、その0VPに匹敵します」

F「全員親を1回、プレイ人数分ラウンドをするから、1回でも小さいVPを喰らうと痛いな」

T「だから、自分が上がることを目指すよりも、誰かが上がった時のことを考えて、36と1のような大小コンビを残しておく方がいいですね。大きい数ばかりで最終盤を迎えるのは怖すぎます」

W「ただ、問題があって、誰かが上がってくれればいいのですが、その状態で、自分の手番が回ってくると、1で切れないから上がれないんです…」

F「36を出せば当然切れるけど、1を残して上がってしまう笑」

T「だから、1を公開してパスをして、場の山から補充しますが、この時、大きい数を取ってしまうと、やはり怖い。従って、小さい数を補充する」

W「自力で上がれない状況が続くんですよね。そのスパイラルに入ると、小さい数字が徐々に大きくなって、絶対値が小さくなっていくんだよな…」

F「そこで、いい手がある。大小コンビでも自力で上がれるようにする」

T「貯金ですね。1のような小さい数の方で切れるように、事前に貯金をしておく」

W「小さい数字だと、貯金があっても場が切れない時もありますよね」

F「そう。なので、出来るだけ貯金カードは大きい数がいい」

T「しかし、パスして貯金する時は、場の数より小さい数しか公開できない」

W「だから、『中盤までに、大きい数で場が回ってきた時、敢えてパスして手札の大きい数を公開しておく』んですね」

F「そう！それが真理だ」

T「しかし、もし最後に1を切りたいなら、例えば29あたりの数字を貯金していたとしても、30以上の大きな数字は切れませんよ」

W「だから、貯金を2枚しておけばいいんですよね」

F「そう。貯金カードは一気に2枚以上使うこともできる。場が34で、29と30があったとしたら、60として1を出すことができる」

T「だから、大きい数を貯金できなくても、中間層の数字を2枚以上公開しておく手もありますね」

W「ただ、貯金ばかりしていると、手札の数で遅れをとりますね」

F「そう。なので、2枚差で上がられた時、つまり手札3枚の時上がられた場合も考える」

T「この時は、36、1、2のように大小小になっていなければいけませんね。これなら、早く上がってもらっても大丈夫」

W「そうですね。しかし、相変わらず、自分の手番が来た時に、1や2が切れるようにしておきたい」

F「すると、小さい数2枚のために、最低2枚の大きい貯金が必要だな」

T「下手したら貯金2枚でも足りないかも…」

W「他プレイヤーの手札の枚数次第ですね。2枚とか3枚とかでなければ、36、35、1のような大大小の3枚で待っていてもいいですね。自分の手番が回ってきても、とりあえず1回は35で貯金を使わずに切れる」

F「最終盤は、大小小、大大小、どちらにも順応できるように、とにかく他プレイヤーの手札の枚数をよーく見ておかなければいけないな」

T「となると、残り4枚は、大大小小が理想でしょうか」

W「そういうことになりますよね。小小小大は守り過ぎ。大大大小は危な過ぎ。あとは、スタート時の手札12枚、どの数字から切っていくか、という話になります」

F「今までのことを考えると、最小の数字2枚と最大の数字2枚は、切らずに終盤までキープしておく必要があるぞ。勿論、貯金1〜2枚キープも条件で」

T「そうですね。ただし、『手札の大きい数字のキープは1枚だけでも十分』だと思うんです」

W「なんでですか」

F「そうか、補充するからだ！大きい数を貯金するために、中盤、大きい数を補充する」

T「はい。あまり親権が取れずリードができないと、中間層の数字が吐けなくなるので、大きい数字は惜しみなく使ってもいいと思います」

W「すると、例えば、スタート時親だった場合、小さい方から3番目のカードをリードするというセオリーはありそうですね」

F「そうだな。ただし、それは、全体的の総和というかバランスが良い時だな」

T「なるほど。36と35が2枚あるとか、全体的に大きい数が多いとか。逆に、もし全体的に小さい数が多い場合、最小は1枚だけキープでもいいか」

W「だから、スタート前にブースター3枚交換があるんですね」

F「3枚交換でも、やはり最小の数2枚残して、小さい方から3、4、5番目を右隣の人に渡すのが基本路線だろうな」

T「そうですね。もし全体的に小さい数が多ければ、最小3枚渡して、アベレージ上げられますね」

W「小さい数字同士の間隔の問題もありますよね。3、4、5番目が中間層に入ってしまうなら、2、3、4番目を渡すとか、いっそのこと最小3枚渡すとか。どうせ小さい方の数字が左隣から回ってくるんだから笑」

F「まあ、今日は、36、35、1、2など極端な数字の話だったけど、実際は微妙な間隔の手札になるから、セオリー通りにならない」

T「結局そこが悩ましくて面白いんですよね。仮に中間層ばかり12枚だとしても、パスすれば極端に大きい数も小さい数も手に入る」

W「だから運要素とは言えませんよね。終盤までにどうにかなる」

F「ゲーム中、感覚おかしくなるんだよな。36までだと、例えば9という数字は、序盤は大きく見えるけど、終盤は小さく見えてくる笑」

T「プレイ人数が変わると、もっと感覚が麻痺しますよ。5人プレイとか60までなので、60に対して、14とか15とか、終盤小さく見えますもん笑」

W「カードが多いと、妥協しがちですよね」

F「ゲームスタートの親のリードでいきなり20とか出されるとブーイング買うけどな」

T「10〜20は、リードや交換で、すぐ処分されがちですよね。でも、出し方に意外性もあるので、大富豪より面白い」

W「大富豪の交換は、大体お約束で機械的だからね。FTWの3枚交換は意味が深い」

F「だから、うちの研究会は人気があるんだよ」

T「部員、3人……」

W「新入部員募集中です！」