- 3人~6人
- 60分前後
- 12歳~
- 1994年~
アイム・ザ・ボスレモネードさんのレビュー
ビジネスの商談をテーマにした交渉ゲーム。
友人たちと5人でプレイしました。
最初ルールを読んだ時は、
ちょっと交渉部分がむき出し過ぎて
「うちらちゃんと盛り上がれるんかな?」って、
だいぶ不安でしたけど、
実際にプレイしてみたら、ヤバい、めちゃおもろいやん。
交渉ゲームって聞くと、
ウィンウィンでちゃんと話し合うってイメージだけど、
これはもうワチャワチャ系ゲームかな?
と言わんばかりにヒッチャカメッチャカの商談で、
まるでスラップスティックなビジネス喜劇。
さて、いつものごとくルールは簡単。
ボードにはモノポリーのようにマスが描かれており、
各マスはひとつの商談を表しています。
まず各自、自分の部下となるA〜Fの記号がある
投資家タイルを無作為に1枚ずつ受取ります。
6枚あるので、例えば今回の5人プレイだと、
余った1枚は脇によけておきます。
そしてお金の値段が書かれた商談タイルなるものを、
小さい価格が一番上で段々大きくなるように重ねて
ボード真ん中に置きます。
そして、このゲームをちゃんとぶっ壊し面白くする
『影響カード』なるものを
全員3枚ずつ手札にして持ちます。
スタートプレイヤーを決めて、
彼は好きなマスに1個だけしかないマーカーを置いて、
ゲームスタート。
自分の番にやることは、
今マーカーがあるマスで商談を始めるか、
それともサイコロを振り、時計周りにマーカーを進め、
そこで商談を始めるか、
商談をせずに影響カードを3枚受け取るのどれか1つ。
後はそれをゲーム終了まで、時計回りに続けるだけです。
では、このゲームの肝である
商談を始めちゃうとどーなっちゃうのか?
これは手番者がボスとなりマジに商談を始めます。
正確には、実際の商談をゲーム的にデフォルメした
リアル交渉を行います。
ここで、ボードのマスについて詳しく説明すると、
ボードの各マスの商談には、
その商談成功に必要なA〜Fの投資家と、
商談が成功した時の数値が書かれております。
書かれた数値に、今一番上になっている
商談タイルの値段をかけた数字が、
商談成功時に手番者が受け取るお金の金額です。
商談を成功させるのはものすごく簡単で、
マスに書かれた投資家を商談に参加させるだけ。
ただ必要な投資家の条件はマスによって様々で、
例えば、CとFの2人が参加すれば商談成立とか、
A、C、D、Fのうち3人が参加すれば商談成立とか、
Aと、D、Eのうちどちらか1人と、
CとBのうちどちらか1人の3人が参加すれば商談成立とか、
色んな形態の必要投資家の条件があります。
んで、当然なんですが、
自分の所持する投資家タイルは
無条件に参加させることができます。
しかし1人で商談成立に必要な投資家を揃えるのは、
極めてマレでして、
大概は他のプレイヤーの持つ投資家タイルが必要になり、
誰かの協力が必要不可欠になっていて、
そのためのリアル交渉を始めるワケです。
例えば、C、 F、Bが必要なマスで商談を始めるとすると、
「オレはC持ってるから、Fのタイルの君と、
Bをもってるあなたに参加して欲しいねんけど、
お金は8入るから、オレが4であとは2ずつでえーかなー?」
みたいな感じ。
手番者は自分が受け取るお金から、
参加してくれたら、いくらワケ前を与えるか提示します。
逆に手番者以外の者はいくら支払ってくれたら、
その商談に参加してもいいか提示します。
例えば先ほどの例だとすると
Fのタイルを持つ友人「2ずつやと、お前に4入るわけやん。
なら参加せーへん。3ずつで、お前が2なら参加してもえーで」
Bのタイルを持つ友人「そーやなオレも3なら参加するわ」
手番者(ボス)「えー、オレだけが損するやん、どーしよう」
みたいな感じ。
自由に話し合うマジ交渉です。
この商談部分でルールで決められた部分はちょっとだけ。
値段の交渉で約束したら、
必ずそのお金を分配しなくてはならないことと、
お金の分配は必ず受け取るお金の中から支払うこと。
あとは条件に書かれた投資家タイルを持っていれば、
手番者以外の者も、
自分からアピったりして自由にトークできます。
交渉中に商談に必要な投資家参加の合意がえられれば、
手番者はいつでも「3,2,1商談成立」と発言することで、
その商談を成立させて、無事お金を受け取ることができます。
そして交渉通り、そのお金を分配します。
その後、一番上の商談タイルを裏面でそのマスに置き、
そのマスが商談済みになったことを示します。
(以降、そのマスはスキップ)
そしてマーカーを隣マスに移し手番終了。
ちなみにどーしても投資家が揃わなかったり、
参加するのに法外な要求をしてきてムリー
ってなった場合は、商談不正立を宣言できて、
その場合は、そのまま手番終了となります。
ただ、そんな交渉を
無茶苦茶にしてしまう存在があります。
影響カードです。
このカードがあるおかげで、
このゲームは、とてもぶっ飛んだ
ハチャメチャ交渉になっていくのです。
影響カードは、商談が始まれば
商談成立が宣言されるまで、
誰でも何枚でも自由にプレイして、
その効果を発動させることができます。
ではどんな効果があるのか。
まずは投資家タイルと全く同じ効果を持つ
A〜Fの投資家が描かれた親族カードです。
これをプレイすれば、
その投資家タイルを持ってる者と同じように、
商談に参加できます。
つまり、必要な投資家タイルを持ってなくても、
必要な投資家の親族カードさえプレイすれば、
投資家の条件をクリアできてしまうのです。
さーこれで、交渉がややこしくなってきました。
前の例で説明すると、
突然、今まで参加してなかったプレイヤーが
「あたい、FとBの親族カード持ってるんよねー、
どう?あたいと4、4で折半ってのは?」と言いつつ、
FとBの投資家の親族カードをプレイしてくるワケです。
これには、FとBの投資家タイルを持つ者も
黙ってはいられません。
Fのタイルを持つ友人 「ほんならオレらも、
2、2、4の条件でえーで、頼む、オレらと組んでくれ」
Bのタイルを持つ友人「そうそう、こっちと組めば、
彼女ひとりに4も払わなくてすむでー」
みたいな感じ。
かくして、ここに、交渉合戦が幕開けします。
商談を誰とどんな風に成立させるかは手番者のボス次第。
しかし、影響カードは、これだけじゃありません。
もっと厄介な効果を持つカードも存在します。
まずは他の投資家タイルや、
プレイされた親族カードに対してプレイし、
カードに記載された投資家や親族を旅行中にして、
不参加にさせてしまう旅行中カードです。
先ほどの例でゆーと、
Fのタイルを持つ友人「ちょ待てよー、オレ、
彼女のFの親族カードを旅行中にするわ。
これで2人だけでの成立は不可能になったね、
さーこっちと、3、3、2で商談成立するんや。
その方が手っ取り早いで」みたいな感じ。
ちなみに投資家タイルは
ずっと所持する者の元にありますが、
プレイされた親族カードは、旅行中や、
そのカードの参加で商談が成立した時は
捨てられちゃいます。
しかし投資家タイルも安泰じゃありません。
3枚一緒にプレイすれば、
他の人の投資家タイルを奪ってしまえる
移籍ってゆう影響カードも存在します。
(ただし最初は脇によけてるタイルから奪います)
3枚集めなければいけないですが、
タイルを奪えるので、かなり強力。
これにより、投資家タイルを2枚以上もつ者や
0枚になってしまう者などが生まれます。
ちなみに移籍カードや、親族カードをうまく使えば、
一人で商談を成立してしまえる可能性もあるのですか、
そんなにうまい条件の整ったマスに止まれるかどーかは
サイコロ運にかかっています。
うちらのゲームでも、それができたのは1回だけでした。
そしてもっと恐ろしい影響カードが、ボスカードです。
これは簡単に言えば、手番者になれてしまうカードです。
もう商談成立かって時に
「はい、ここからはオレがボスね」みたいにシレっと出され、
商談ごと奪われてしまう衝撃は、まさに寝耳に水状態。
ちなみにボスカードが複数プレイされたら、
一番最後にプレイした者がボスになります。
誰かがボスカードをプレイしボスになった瞬間、
違うプレイヤーが「いやオレがボスだから」と、
さらにボスが変わる状況、想像してみてください。
面白過ぎでしょ。
んで、今まで紹介した旅行中、ボス、移籍カードを
無効化カードするカードも存在します。
ストップカードです。
オレがボスだと得意顔で影響カードを出した相手に、
「はいそれ無効」と言って、
このカードをプレイする気持ち良さは、
マウント合戦の勝者の気分。
「ねー、どんなキモティー?」って煽りたくなりそう。
ちなみに、
ストップカードに対してストップカードは使えません。
これらのカードが飛び交い、
やった、やられた、またやった、
そんなドタバタ劇の中で
ボスになった者はいかに商談をまとめるか?
それがこのゲームの醍醐味なのです。
プレイすればわかりますが素早さも重要。
速攻勝負で、
「あんたらに3ずつ支払い、俺は2でどう?」
「うんいいよ」「よっしゃ321商談成立」
ってなスピード商談をすれば、
影響カードを使うか迷ってる者を
やり過ごすことができます。
そのためには、そのマスでの収入と分配を
パパッと計算しなくてはなりません。
だから僕みたいなアホな子は焦ります。
「えーっと、15入ってきて、4人必要だから、
一人に4払って・・そーなるとオレだけ損するか、
じゃあ3にして・・・参加してもらうのは・・
君と・・君と・・オレと・・」
そのうち誰かが影響カードを使用して、
交渉状況も変わっていくので、さらにパニック。
商談タイルが残り5枚になれば、
ゲーム終了のフラグがたちます。
残り5枚にはサイコロの出目が描かれており、
商談成立後にそのタイルをマスに置いた時、
サイコロでその数値がでたら、そこでゲーム終了。
商談タイルが全てボードに配置されてもゲーム終了。
最終的にお金をたくさん持ってる者が優勝です。
実際のゲームでは、
最初はみんなあまり影響カードは使わずに、
和気アイアイと商談を成立させようとする
穏やかな交渉劇でした。
このゲームに慣れてなくて様子を見てるってのもあるし、
序盤はのめり込むほど白熱してないので、
リアルな友人同士の関係性が表面に出ちゃってる感じです。
しかし、平和な交渉中、僕がいきなり
友人の一人を旅行中にしてしまう暴挙に出た瞬間から、
みんなの目の色が変わりました。
もっとバチバチ好き放題したれーってゆう空気感が蔓延し、
そこからは、カードでの殴りあいや、強引な交渉、
ハチャメチャな商談と、全員が過激なノリに。
じゃあBは旅行中ね、
ほんならそれはストップするわ、
ならオレがボスになる、
いやオレがボス、
じゃあお前の投資家いただき、
それストップ。
・・えーっと・・今、どんな状況?
カードが次々繰り出され、場の状況はコロコロと変化し、
それに呼応するよーに、自分有利の条件を提示する者、
または自分に不利でも、とにかく素早く交渉をまとめようとする者、
一度タガが外れた後のゲームは、めちゃめちゃオモロかったです。
「みんな影響カード溜め込んどるなー、
次、商談が始まったらエライことになるでー」
そんな商談、ワクワクしませんか?
適正プレイ人数は少なくとも4人以上かな。
人数が多ければ、誰が一番儲けているかわかりにくいし、
交渉も激しくなるので。
3人だと利害関係がハッキリしすぎて、
プレイバランスが悪くなるよーな気がします。
とゆーことで、
盛り上がるかどーかはプレイヤー次第ですが、
お利口さんのブレーキをぶっ壊して貪欲になると、
あんま体験したことがないプレイ感を味わえる
そんなゲームでした。
日頃から馬鹿を言いあえる友人同士の場では
特にオススメでーす。
- 134興味あり
- 347経験あり
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