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  • 2人~5人
  • 20分前後
  • 8歳~
  • 2017年~

ブードゥープリンス18toyaさんのレビュー

342名
6名
0
約3年前

最初は取りたくないけど最後は取りたい?捻りの利いたクニツィア流トリックテイキング!

【評価8/10】軽量級・2~5人

トリックテイキング

※以下にはトリックテイキングの基本用語が含まれます。


本作は赤・青・黄・緑・黒の5スートに分かれたカードを使い,「マストフォロー・切り札ありのトリックテイキング」の仕組みでゲームが進行します。

捻りが利いているのは得点システム。2人戦と3~5人戦では微妙に違いますが,共通しているのは「自分が取ったトリック数が得点になる訳ではない」ということ。


では何が得点になるのかというと,

・3~5人戦の場合は,ビリ以外は「他の人が取ったトリック数の合計」,ビリは「自分が取ったトリック数」

・2人戦の場合は,7トリックを先に取ったプレイヤーが「相手が取ったトリック数」。もう一人は「7-相手の得点」

となります。

読んだだけだと何のこっちゃ?かもしれませんが,実はこのルール,ゲームにとても刺激的なスパイスを与えてくれます


【3~5人戦の場合】

3~5人戦の場合,人数によって「上がりのトリック数」が決まっており,3人戦では4トリック,4・5人戦では3トリックを取った瞬間に上がりになる。ところがこのゲーム,早上がりを目指す訳ではありません。「他の人が取ったトリック数が点数になる」以上,なるべく場に居座って,他の人もボチボチトリックを取ったところで上がりたいんです。

ところが,あまりのんびりしすぎてビリになると,今度は自分が取ったトリックしか点数にならなくなる。そのためビリにもなりたくない。

その結果何が起こるかというとお互いの猛烈な牽制と腹の探り合いです。このゲームでは一番得点を伸ばせるのはブービー賞,つまりビリより1つだけ順位が上の人。この人が最も場に長く居座れて,かつビリを回避できている。一番美味しい訳ですが,下手をするとビリになって美味しくない可能性もある。つまりハイリスクハイリターンな訳です。

一番したくないのは,他の誰も1勝もしないうちに自分一人で上がっちゃう事。そんな事したら0点ですからね。だからあんまり自分一人で連勝とかしたくない。他の人にもトリックを食わせたい,勝たせたい。だけど残り2人になった瞬間にサッと上がり抜けたい気持ちもあるので1勝もしないで待ってるって訳にもいかない。

こうして,1勝2勝の当たりで「お前が行けよ,持ってんだろ?勝てよホラホラ」「いやいや強いですわーそんな札出されたら勝てないですわー」とかジリジリした攻防が続く訳です。

誰しも臨まないトップを取らされて抜けしてしまう可能性もあれば,ドベで地獄に落ちる可能性もある。

このジリジリ感がねーーーいいんですわ! 笑


【2人戦の場合】

一方,2人戦もなかなかのもの。2人戦では7トリック取ったら上がりになる。

上がった後の得点計算では,7トリック取った方は,相手が取ったトリック数が点数になる。7-0でストレートで取ってしまったら0点。逆に拮抗して7-6で勝ったら6点もらえる。そのため,勝つにしてもなるべく相手に取らせたい。その結果,序盤は特に相手にトリックを取らせたい展開が続く。

しかし,やがてお互いに取ったトリック数が4-4や5-5になってくると,今度は自分が7トリック取り切って勝ちたくなる。そうなると今度は相手に取らせるのはリスキーです。6-6まで行ったら,最後はどっちが取るかなんて分からなくなる。そこまで行ってしまったら,7トリック取った側は6点で取られた側は1点になってしまう。だから勝ちたい。でも突っ込みすぎると7トリック相手に取られた時に痛手になる。

もうね,ヒリヒリしてくるんですよ。これが堪らん 笑


ここら辺の綱引きは2人専用トリックテイキングの良作「フォックス・イン・ザ・フォレスト」や「ジキル博士VSハイド氏」辺りのトリック綱引きにも通じるものがあり,本来は多人数用ゲームであるにも関わらず2人専用にも匹敵する心理戦と駆け引きを楽しめる出来です!


ただし,2人専用にチューニングされている上記2作と比べてカードプールが多い事による影響,つまり「配られた初期手札で勝負が既に決まっている」ケースがブードゥープリンスでは起こるので,ここをどう捉えるかによって評価は変わるかもしれません。が,複数ラウンドを戦う中で「そういう事もある」と認識した上で遊べば飲み込める範囲かなと思います。


【まとめ】

という訳で,クニツィア流の一捻りが利いた,2人戦でも3~5人戦でも楽しめるトリックテイキングの傑作。皆様も是非お試しいただければと思います!


なお,「ゲームの中身は面白そうだけどイラストが…」という方もいらっしゃるかもしれません。そういう方には,同じルールで「マシュマロ・テスト」という別版も出ていますので,そちらもご覧になってもらえれば,と思います^^

私は本作のイラストも味があって好きなので十分満足しておりますが^^


それでは皆様,良きトリックテイキングライフを♪

味があるイラスト…とは言え小さなお子様が見ると夢でうなされるかもしれませんね,雰囲気ありすぎです 笑
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18toya
18toya
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