ナショナルエコノミーレモネードさんのレビュー

経済の仕組みが斬新に表現されてて

面白いと話題になったらしいゲームです。

ここのレビューの多さからも人気の高さが伺えます。

今回、初めて友人たちと３人でプレイしました。

ゲームの設定としては

プレイヤーは会社を運営する社長で、

どれだけ資産を稼ぐかを競います。

場には採掘場とか、鉱山、学校、大工などの

初期の公共職場カードが公開されており、

各カードには実行可能なアクションが書かれてます。

んで、全員、プレイ順により

それぞれが決められたお金を受取り、

建物カードの山から３枚ずつ手札にして、

自分の従業員カード２枚を所持して

ゲームスタート。

各手番では、自分の従業員1枚を

場のカード上に置き効果のアクションを実行。

全員、従業員を使い切ったらラウンド終了し、

従業員を集め、次ラウンドを繰り返す

ってのが基本構造です。

いわゆるワーカープレイスメントやんね。

アクションは主に、手札を増やしたり、

手札の建物カードを自分の前に配置（建設）したり、

お金を得たり、従業員を増やしたり、

そんなところです。

ちなみに会社を運営してるけど

色んな建物を建てるし、

鉱山や果樹、鉄道とかに従業員を働きに出すし

なんの会社運営かは謎です。

建設業？総合総社？

そこは抽象表現ってゆーか、

概念的なやつ。

でもプレイしてると

なんか社長になって

会社を運営してる感じはちゃんとあって、

会社がうまく儲かるように

色々な選択肢や

何かを実行するタイミングなんかを

社長として決断してるよーなプレイ感が、

たまんなく面白いなーって。

なぜこんなに会社運営してる感じがするのか、

ちょっと考えてみたんですけど、

やっぱりそれは、

独特の給料ルールかなって思います。

このゲーム、ラウンド終了時には

必ず自分の従業員に

給料を支払わなければなりません。

そのために、お金とゆうリソースがあります。

てゆーか、お金はそれ以外に使用しません。

アクション中はお金は一切消費せず、

むしろお金を増やすだけです。

（そのため手札を支払ったりしますが）

リアルな会社運営なら、

投資とか、資材費とか、地代とか、税金とか、

他にもお金を使うことはあるんですが、

このゲームは、その辺をシンプルにして

人件費に集約されちゃってます。

わかりやすーい。

しかも、この人件費、

ラウンドが進むごとに上昇します。

そして、この給料のルールには

さらに斬新なギミックが仕込まれています。

プレイ中、アクションでお金を獲得して、

ラウンド終了時に給料として消費するってのが

基本的なルーティンなんですが、

この獲得できるお金が無限じゃないのです。

普通のゲームなら、

お金は銀行みたいな場所で管理されていて、

そこに無限にあって

何かの効果でお金を得たり支払ったりすれば、

それは銀行からってなるじゃないすか。

しかしこのゲームはその場所が２つあります。

それがサプライと家計とゆう２つのお金のストック場所。

サプライはいわゆる銀行です。

ここにはお金は無限にあります。

いわば政府（日銀）かな。

国債や信用創造でいくらでもお金作れるので。

しかしプレイ中に、

プレイヤーが主に支払ったり得たりするお金は

もう１つの家計とゆう場所です。

家計には最初はお金は何も置かれてないです。

お金を得ようとしても、ここが０金なら

お金を得るアクション自体ができません。

ここにはプレイヤーが給料を支払った時、

初めてお金が貯まるのです。

つまり序盤では各プレイヤーが給料を支払い、

それを誰かがアクションでゲットするとゆう

自分たちの初期に所持してるお金だけを

グルグル回してやりくりするシステム。

誰かの所得は誰かの支出であり

誰かが支出しなければ誰も所得は増えない

国民経済は横のつながりってゆーのを

このゲームは見事に表現してるわけです。

しかし、市場全体でお金が増えなければ

ＧＤＰはいつまでたっても成長せず、

ゲーム上では怖くて従業員を増やせません。

じゃーどーするか？

これは現実の日本経済でも同じです。

（今は緊縮財政で積極的にやってませんが）

国の（無限にある）お金を市場に注入します。

ところで

自分専用の建物を建てるアクションがあります。

これは初期は大工に従業員を置くことで

手札の建物１つを

自分の前に配置するアクションです。

この時、リソースを支払いますが、

これは当然お金じゃなく、

手札をコストとして数枚捨て建物を建てます。

（なので手札を増やすアクションもあります）

この建物にも効果があり、

自分の従業員を置いてアクションができます。

ただし、これは自分専用なので、

他の者は利用できません。

んで、ここがまた独特なルールなのですが、

もしも給料を支払うとき、

十分なお金が手元にない時のみ

この自分専用の建物を政府に売ることができます。

政府に売り払えば、この建物は

全員が利用できる公共職場カードとなり、

そしてこの時のみ、通常の家計からじゃなく、

外の銀行からのお金をゲットできます。

この外からのお金で従業員の給料を支払えば、

それは家計にいくので、

他のプレイヤーもお金を獲得するアクションで

その家計からお金を引っ張れます。

これはつまり公共投資ってことかな。

この国の支出のお金は結構でかくて、

その建物カードの点数（資産価値？）分もらえ

たいがいは、１回でだいぶ潤います。

政府に自分の建物を売っちゃうなんて、

なんか損した気分なんですけど、

このゲームの勝利条件は

自分専用の建物カードに書かれた点数合計で、

政府に売れば、それは消えてなくなりますが

実は１金も１点になり、建物の値段は、

その建物の点数分なので、政府に売っても、

お金として点数分

ちゃんとゲットできてる理屈になってます。

要するにこうです。

建物を建てる→

あえて従業員を増やしお金を払えなくする→

その建物を政府に売る→

外からお金を得る→

給料をそのお金で支払い市場も潤う。

ちなみに売る建物がなかったり、

お金が入っても給料を支払えなければ、

支払えない分、-３点の赤字カードとゆう

強烈な減点カードを受取ることになり、

その恐怖感は常にゲーム中つきまといます。

だもんで、どの建物を建てるか、

あるいはお金をいつ増やすか

そのために手札をどーやって増やすか

どこに従業員を配置するのか

いつ従業員を増やすのか

今、この選択肢でほんまにいいんか？

これで俺の会社うまくっていってるのか？

ちゃんと給料を支払えるのか？

ちゃんと成長してるのか？

そんな社長としての不安が渦巻き

友人の一人なんて

「なんかこのゲームドキドキするー」

みたいな感想を漏らしてました。

実際のゲームでは、

バチバチお互いにやりあうとゆーより

それぞれが不安を抱えつつ

しのぎをけずって切磋琢磨して

自分の企業を運営してる感覚に

みんな、なるほどー、面白いと。

あと、お金を稼ぐ苦労よりも、

手札を増やす苦労のほうが大きい感じでした。

手札ってすぐなくなるし、

手札がなければ、やりたいこと全然できないし。

僕はといえば自転車操業的になっちゃって

ちみちみ社員を増やしては

ひーこらいいつつ給料を支払い

赤字カードだけは避けたい一心で頑張ってたら

後半の雇用のタイミングを見誤った友人を抜き

見事１位になれちゃいました。

とゆーことで、

経営に振り回される社長気分を満喫できる

そんなゲームでした。

ソロはやってないのでわかりませんが、

３人でプレイしたら、

「やばい家計にお金がないー！」

ってゆうやりとりが後半まであったので、

３人以上がオススメかも。

プレミアついちゃってるんで、

ぜひとも再販をお願いします。