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  • 1人~6人
  • 45分~60分
  • 12歳~
  • 2020年~

ハドリアヌスの長城真夏。さんのレビュー

109名
3名
0
25日前

「ハドリアヌスの長城」は、紙とペンだけでローマ帝国の壮大な歴史に没入できるユニークかつ重厚なボードゲームです。通常、紙ペンゲームと聞くとライトで手軽なイメージを持たれるかもしれませんが本作はその常識を覆します。高度なリソース管理、緻密な戦略、そして多彩な勝利条件がプレイヤーに絶え間ない決断を迫り、満足感の高いゲーム体験を提供します。プレイヤーはローマ皇帝ハドリアヌスの命を受けた将軍となりブリタニア北部に長城と砦を築いて、異民族「ピクト族」の侵攻を防ぎながら自らの名声を高めていくという歴史的な背景を舞台にしています。


紙ペンとは思えない豪華な構成

「ハドリアヌスの長城」の最大の特徴のひとつは、紙ペンゲームとしては破格の内容物の豊富さと質感です。ゲームシートは2種類、それぞれ200枚ずつ、合計400枚も付属しており、何度プレイしても使い切る心配はほとんどありません。これに加えて、プレイヤーボード、資源コマ、労働力コマ、命運カードや方針カードなど、しっかりとしたコンポーネントが揃っています。その重量はなんと約2.1kg。箱を手に取った瞬間、紙ペンゲームの枠を超えたスケール感に驚かされることでしょう。


ゲームシステムの奥深さと魅力

「ハドリアヌスの長城」では6年間(6ラウンド)にわたる長城建設計画を指揮しながら、資源を効率よく管理し、自分の砦を発展させていきます。各ラウンドでは「命運カード」によって供給される資源をもとにプレイヤーが同時にアクションを行います。この同時進行の仕組みにより重量級でありながらテンポ良くゲームが進むのもポイントです。

そして最大の魅力はなんといっても「資源連鎖」の爽快感。あるマスを埋めると新たな資源が得られ、それを使ってさらに別のマスを埋められるという連続的なアクションが次々に生まれていきます。「これをすればあれができる、そしてその結果、これも得られる」というわらしべ長者的な循環がプレイ中ずっと続いていくため、プレイヤーは終始、手と頭をフル回転させることになります。


ソロプレイの完成度の高さ

「ハドリアヌスの長城」が高く評価されている理由のひとつにソロプレイの完成度があります。本作には16の砦を巡る長期的なキャンペーンモードが用意されており、1人でも飽きずに何度も挑戦したくなる構成になっています。それぞれの砦には異なる目標や達成条件が設定されているため、毎回異なる戦略が求められ攻略のしがいがあります。ルールの調整や難易度のバランスも非常に丁寧に設計されており、ソロでじっくりと腰を据えてプレイしたい人にとってはまさに理想的な一作です。


テーマとゲーム性の融合

本作の優れている点はテーマとメカニクスの融合にも表れています。単なる「リソースを使ってマスを埋める」作業ではなく、実際に自分がローマの将軍として防衛線を構築している感覚を覚えることができます。ピクト族の襲来に備え、防御トラックを伸ばし、名誉や信仰といった要素に投資することで名声を高める。こうしたすべての行動がローマ帝国の軍事的・文化的発展と重なり合っており、プレイ中の没入感を一層高めてくれます。


プレイして感じた良い点

  • 戦略性の高さ:毎手番の選択に意味があり、資源の流れを見極めてシステムを最大活用することが重要です。
  • リプレイ性の高さ:カードの組み合わせにより、毎回異なる展開が生まれ、同じ戦略では通用しません。
  • ダウンタイムの少なさ:全員同時に進行するため、ゲームがサクサク進みます。
  • ソロでも十分楽しい:一人用キャンペーンモードはまるで別ゲームのようなやり込み要素があります。
  • テーマと一体化した構成:ローマの歴史を体感するような設計で、世界観に引き込まれます。


気になる点や注意点

  • 初回はルール説明に時間がかかり、理解するまでにややハードルがあります。
  • 他プレイヤーとの直接的な干渉がほとんどなく、ソロ感が強めです。
  • 記入順序を守らないとゲームが破綻する可能性があり、慣れるまでは注意が必要です。
  • 長考しがちなプレイヤーがいると、時間がかかることもあります。


プレイを楽しむためのコツ

  1. 資源の流れを読み切る:単に目の前のアクションだけでなく、次に何が得られるか、どう繋がるかを常に意識しましょう。
  2. 防衛を怠らない:ピクト族の襲来は毎ラウンド発生します。防御力を確保しつつ、施設の発展もバランスよく進めることが大切です。
  3. 方針カードを活かす:ゲーム開始時にもらう「方針カード」は、終了時のボーナス得点に直結するため、早めに方針に沿った戦略を意識しましょう。
  4. 初回はソロで練習もあり:複雑なルールに慣れるために、まずはソロで1〜2戦してみると、ゲームの流れが理解しやすくなります。

まとめ

「ハドリアヌスの長城」は、紙ペンゲームとは思えないほどの戦略性とボリュームを備えた非常に完成度の高い作品です。ソロプレイ派から重量級ボードゲーマーまで幅広い層に刺さる内容となっており、一度その魅力にハマると何度もプレイしたくなる中毒性があります。複雑さの壁を乗り越えた先には計画と連鎖が美しく絡み合う最高の達成感が待っています。紙と鉛筆で味わう帝国の興亡、あなたもぜひその将軍としての一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

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仙人
真夏。
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