ホイッスル・マウンテン荏原町将棋センターさんのレビュー

テーマは、建設現場における機械設置作業風景。ただし、ロッキー山脈の渓谷の中。橋が掛かっており、その下には渓流が流れ、滝壺ができています。

まずは足場を建てつつ、3種類の大きさの飛行船で資源を取っていきます。

↑ グリッド上に置いた青の大型飛行船からは、鉄1と石炭1と水3が取れる。また、黒の大型飛行船は、二つの機械を作動させるので、水1金1と水1石炭1と間にある鉄1、要するに水2金1石炭1鉄1が取れる。青の中型飛行船は、水1石炭1とその周りの金1石炭1鉄1、要するに水1石炭2金1鉄1が取れる。このように飛行船は機械の上にも置ける。

アクションは、

A(飛行船を置き)、資源を取るか、資源を使って足場や機械を買う。(あるいはカードや改良を買う、あるいは救出する)

B(飛行船を全て個人ボードに引き戻し)建設&ワーカーを足場に移動

大きくこの2つ。

VPの取り方は主に3種類しかなく、

・足場を建てた時に接する辺の数

・機械を建てた時のVP

・機械を建てた時、その足場にいたワーカーが昇進することによるVP

つまり、VP獲得は主に、B「建設&移動」アクションの時だけです。

そのB「建設&移動」アクションですが、建物(機械又は足場)3つとワーカー移動1人が可能です。

例えば、「足場を置く→足場を置く→ワーカーを足場に移動する→機械を置く」というアクションが、1手番で可能です。

もちろんこの場合、足場タイル2枚と機械タイル1枚を所持してなければいけませんし、機械タイルはその面積の分、足場が敷かれていなければ上に置けません。さらに条件として、建物3枚置く場合は水2必要で、ワーカーを移動するためには金1が必要です。

ワーカーは、バラックの上で何人もスタンバイしていて、足場に移動させないと、水位が上がった時、滝壺に呑まれていきます。また、足場にいるワーカーを覆い被すように機械タイルを置くと、そのワーカーは昇進し、グリッドの高さと水平の監視塔で管理職となります(終了時VPが貰えます)

↑ まずクランクの足場を建て5VP(5つの辺に接している)、もう一つの足場を置いて4VP、ワーカーをバラックから1人、今置いた足場に移動させ、そのワーカーを覆うように中型機械を建てて12VP。さらに、そのワーカーを右に平行移動して褒賞を貰い(早取り)、(終了時)8VPを得る。この手番だけで計21VPだ。

↑ しかし、もしこのような資源だった場合、水が1個しかないので、建設は2枚までとなる(水0だと1枚だけ)。また、ワーカーの足場への移動は金1個だが、金2個払うと、滝壺で溺れているワーカーを足場に移動することができる(救出アクションと同じ)

(デラックス版でもないのに、パーツが金銀銅のメタリックなのはいいですね！)

↑ 橋の高さより1グリッドでも高い位置に機械を置くと、稼働熱によりロッキー山脈の雪が解け、水位が上がる。(まるで建設製図の定規のようだ)。機械もこのようにいくつも水没していき、使えなくなる。バラックに青ワーカーが一人取り残されている。今、高い位置に大型機械が置かれ、水位がこのワーカーを呑み込み、終了フラグ。滝壺で救出されなかったワーカー一人につき−5VPなので、青プレイヤーは−25VPになりそうだ💦

訳がわからない時は…

■オールマイティの資源ホイッスルを取れる時は取る。ホイッスルは足場を買う時、2つ払うと3枚貰える。(ホイッスル0でも1枚貰えるが、手数が損をする。1つ払う時は2枚)。なのでホイッスルは、他資源の代わりに使うより、足場を買う時優先して使いたい。

■足場のVPは得点源である。一番最初の写真のように、ピッタリ嵌る足場(この場合なんと8VP！)が置けるように、足場を買う時は、出来る限り3種類の形をバラバラで買い、持っておきたい。

■手数を節約するため、飛行船を引き戻す時は、3隻外に出て行った後がベストに思えるが、タイルや資源が潤沢で、建設&移動アクションを急ぐ時は、3隻使わずに引き戻す手もある。

■建設&移動アクションも、水0で建設を一つだけしたり、金0で移動せず建設のみをしたりするのも可能だが、さすがに効率が悪い。水と金は常に切らしておかないようにする。

■一方、3つのサイズの機械を買うための資源は鉄と石炭だが、中盤以降は、コストが石炭の小型機械はVPが小さく需要がなくなる。鉄の需要の比重が高くなる。

■機械選びは、自分だけが使うわけではないので、性能が自分に合うかも大切だが、単にVPが高いタイルを取るのもいいと思う。

■ワーカーの移動は、どの足場の上にでもワープできる。なので、できるだけ高い位置が良いが、後で機械が置けない位置では意味がない。かと言って、あまり高くない位置の足場だと、バラックでなくても水位に呑み込まれるので注意。

始めから水位を1〜2上げておいてスタートする短縮ヴァリアントもできます。その分最初に溺れている人数も増え、救助感も上がります。

資源を取るにも、機械を置くにも、水位の位置関係にも、全て「面積を見ること」が大事となる幾何学ゲームです。この感覚、楽しいです。

触れませんでしたが、この内容に、改良タイル、カード、個別能力、特殊機械などの効果類があります。(カード以外は公開の3択です)

しかし、資源を集め、足場を買い、機械を買い、ワーカーを昇進&救出するのに必死で、なかなか効率的な作戦が立てられません……