マイボードゲーム機能「持ってる」「興味あり」など知人に共有できるコレクション管理機能。人数別や時間別などの並び替えも。
ボードゲーム発見機能マイボードゲームの登録データを統計分析し、未経験かつ未所有のおすすめボードゲームを自動抽出します。
レビューや日記の機能投稿した記事が読まれるたびに、通販でお得に商品を購入できるボドクーポンをGET! ハードル低めです。
コミュニティ機能専用掲示板・ボードゲームリストの合体機能が便利!公開コミュニティ、秘密のコミュニティ、設定も豊富。
ボドゲカフェ情報自分の「興味あり」「お気に入り」に登録したボードゲームカフェが提供するゲームが一目でわかるように。
通販ショップ国内主要メーカーや同人ゲームなど様々な商品をご購入いただけます。会員登録しないで購入することもできます。
  • 1人~5人
  • 90分~120分
  • 14歳~
  • 2019年~

クトゥルフ:死もまた死すべし真夏。さんのレビュー

257名
1名
0
8ヶ月前

 ゲームの世界観とコンポーネントの豪華さ 
本作の舞台はH.P.ラヴクラフトの「クトゥルフ神話」をベースとした架空の世界です。プレイヤーは古代より続くカルト教団の陰謀に巻き込まれ、世界を滅ぼしかねない「古のもの」の召喚儀式を阻止するために奔走する探索者として行動します。舞台設定自体が非常にドラマチックで、ただのボードゲームではなくまるでクトゥルフ神話の一編を体験しているかのような感覚が味わえます。

そしてまず特筆すべきはそのコンポーネントの圧倒的なボリュームとクオリティです。フィギュアは合計40体以上も同梱されており、探索者だけでなく様々なモンスターやカルト教団員、そして「古のもの」そのものが非常に精巧に作られています。特に古のもののフィギュアは探索者の数倍の大きさがあり、箱を開けた瞬間からその迫力に圧倒されます。触手の造形やうねる肉体の表現など細部に至るまで作り込まれており、フィギュアを眺めているだけでも価値を感じられます。

またマップを構成するタイル、各種カード(神話カード、発見カード、狂気カードなど)、ステージカードやダイスも非常にしっかりとした作りで、ゲームの世界観への没入感を大きく高めてくれます。アートワークやフレーバーテキストも雰囲気たっぷりで、クトゥルフ神話ファンなら思わずにやりとしてしまう要素が満載です。


 狂気と成長が共存するユニークなゲームシステム 
クトゥルフ系のゲームといえば狂気や絶望が付き物です。本作でもその要素はしっかりと取り入れられていますがそこに独自の工夫が加わっています。それが「狂気に侵されることで強くなる」という逆説的なシステムです。

プレイヤーはゲーム中、行動や出来事によって「狂気度」を少しずつ増やしていきます。狂気度が一定段階に達するたびに自分のキャラクターの能力がパワーアップするのですが、同時に「狂気カード」に記された症状が発動し、思いもよらぬ行動を取らされたり味方に影響を及ぼしたりする場合があります。さらに狂気度が限界に達してしまうと、キャラクターは死亡してしまいそのゲームから離脱することになります。

このリスクと報酬のバランスが本作の戦略性を非常に高めており、どこまで狂気に身を任せるか、どのタイミングで能力を強化するかといった判断がゲームの展開に大きく影響を及ぼします。毎ターンの決断が物語の緊張感を一層高めてくれる要素となっています。


 豊富なエピソードとキャラクターが生むリプレイ性の高さ 
クトゥルフ 死もまた死すべしには全部で6つのエピソードが用意されています。それぞれに異なるマップ構成やイベント、儀式の阻止方法が設定されており、加えて2体の「古のもの」(クトゥルフとハスター)を組み合わせて遊ぶことで毎回異なるシナリオ体験が楽しめます。

さらにプレイヤーが選べる探索者は10人用意されており、それぞれ固有のスキルと狂気カードを持っています。同じエピソードであっても、どの探索者を選ぶか、どの古のものと対峙するかによってゲームの雰囲気や難易度は大きく変化します。これにより何度プレイしても新鮮な感覚が得られる、非常に高いリプレイ性を持つゲームとなっています。

また追加の拡張セットとして「未知の恐怖」や「シーズン4」などが用意されており、新たな探索者や古のもの、エピソードなどを加えることでさらに遊びの幅を広げることが可能です。基本セットだけでも十分なボリュームがありますが、拡張を導入することで長く楽しみ続けられる魅力が倍増します。


 難易度の高さとルールの複雑さには注意 
本作はルール自体は比較的直感的で覚えやすい部類に入りますが、細かな処理やエピソードごとの特殊ルールが多いため初心者が最初からスムーズに遊ぶには少しハードルが高いかもしれません。特に初プレイではゲームの進行やトークンの配置、カードの使い方などで戸惑うこともあるでしょう。

また探索者が狂気の果てに死亡してしまうと、そのプレイヤーは以後ゲームに参加できず見ているだけになる時間が発生します。特に2人など少人数で遊ぶ場合はこの点が少し気になるかもしれません。ゲームのバランス的にも難易度はやや高めに設定されており、運が悪ければあっという間に敗北してしまうこともあります。ただしそれこそがクトゥルフらしさであり、理不尽な恐怖と絶望の中で勝利を勝ち取るからこそのカタルシスが存在するのです。


 総合評価とおすすめポイント 
クトゥルフ 死もまた死すべしは、その名にふさわしく死と狂気に満ちた濃密な体験を味わえるボードゲームです。豪華なコンポーネントと、プレイごとに異なる展開を生み出す高いリプレイ性、そして他のゲームにはない狂気を活用するメカニクスにより非常に完成度の高い一作に仕上がっています。

もちろん価格は13,200円と高めに設定されていますが、それに見合うだけの内容とボリュームを持っており、コレクション性の高いフィギュアや多彩なシナリオは価格以上の満足感をもたらしてくれるでしょう。クトゥルフ神話が好きな方はもちろん、チームで協力して戦略を練るようなゲームを好む方にも強くおすすめできるタイトルです。

初めてプレイする方はルールを確認しながら簡単なエピソードから始めるのが良いでしょう。そして慣れてきたら徐々に難易度を上げていくことで、本作の魅力を余すところなく体験できます。緊張感、達成感、そして圧倒的な没入感を味わいたい方はぜひ一度この狂気のゲーム世界に飛び込んでみてください。

この投稿に1名がナイス!しました
ナイス!
びーている / btail
真夏。
真夏。
シェアする
  • 275興味あり
  • 166経験あり
  • 84お気に入り
  • 245持ってる
ログイン/会員登録でコメント
ログインする

真夏。さんの投稿

会員の新しい投稿