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  • 2人~5人
  • 120分~150分
  • 12歳~
  • 2021年~

コーヒートレーダーズsopraさんのレビュー

1292名
8名
0
約3年前

なんで自分の畑でとれたコーヒー豆が自分のものにならないんだよ!と怒鳴りたくなるコーヒー売買ゲーム。

4人戦でプレイ。

写真:コーヒー題材だから当然スマトラ島のジャコウネコがいる。


【どんなゲーム?】

コーヒー農園や設備に投資しつつバイヤーを雇って豆を購入し、契約相手や市場のカフェに豆を売って得点を稼ぐゲーム。

3ラウンドをプレイして一番勝利点の高いプレイヤーの勝利。


1ラウンドは6フェーズで構成されている。基本的な流れは下記の通りで

  1. 新しい畑の開墾
  2. 労働者の配置
  3. 生産設備の建築 or バイヤーの派遣
  4. 珈琲豆の収穫と分配
  5. 契約先への売却
  6. 次のラウンドの準備

文字にするとオーソドックスな流れである。


要は豆を大量に集めて売却すればよいゲームなわけだが、このゲームの本質は「畑への投資」と「豆の確保」が無関係というところ。

畑に投資はできても、それは組合への投資という形で行われるため、豆の生産量は増えるが自分の分を確保したり、購入の優先権が発生したりしないのだ。

ではどうやって豆を確保するかというと、3.のフェーズで行われるバイヤーの派遣。

各農園に自分のバイヤーを派遣すれば豆をもらえる。派遣の仕方に一癖あり、手番プレイヤーが「インドネシア農園にバイヤーを派遣!」と宣言するとターン順に「相乗り」という形で他のプレイヤーも派遣することができる。

そして各農園はプレイヤー人数-1のバイヤーしか受け入れてくれない。誰か一人はその農園の豆を購入できないということが起きるのだ。

バイヤーは有限な資源であり、農園に派遣する代わりに生産設備の建築に回すことにも使わなければならない。コーヒー豆の入手に力を注いでいると生産能力や保管能力で後れを取ることになる。


ちなみに生産設備の中で「公正取引所」という建物を農園に建てると、なぜか無条件で1つ豆がもらえる。

公正取引所で不正が行われるという倒錯した事態のように思えるのだが、社会風刺だろうか?


そうして入手した豆は契約に従って消費するか、市場に売却して勝利点を得る。

どちらも即座にお金と勝利点を得るが、契約は先取りの追加勝利点がもらえ、市場への売却は各市場でのエリアマジョリティによる最終得点に関わってくる。


そんな感じでいたるところに点数を得られる要素があり、どこの農園に投資をするか? どの豆を調達するか? 豆の卸先は契約相手と市場のどちらを優先するか? と様々なジレンマが味わえるゲームである。


写真:コンポーネントは圧巻の一言。メインボードはガイアプロジェクトの箱を縦に2倍、横に3倍にしたサイズで、逸般のご家庭じゃないとスペースが足りない。写真はコロコロ堂2Fで撮影。個人ボードがテーブルからはみ出している。(若干ルールミスアリ)


【感想とか】

全員初めてでルールブック読みながらインストしたら2時間弱。2時間程度のプレイ時間。紛う方なきヘビーゲーム。

と言ってもルールブックが不親切なだけで、全員ルールが分かった状態でやれば30分/人程度、早打ちできるメンバーで集えば4人でも90分で終わると思う。


ゲーム全体で考えるところが多い。

畑は拡張のルートが定められているため早く開墾しないと自分の畑が拡張できなくなってしまう。拡張しなくても豆の確保には困らないのは先述した通りだが、各農園の発展寄与度(畑+建物)でマジョリティ点が入ってくるので全く投資しないというわけにもいかない。

マジョリティのために開墾にお金を使いすぎるとバイヤーの派遣などができなくなる。1ラウンドを通してお金をどうやりくりするかを計画的に行わないと、豆を入手できないなど非常にまずいことになる。

上述した畑の拡張やバイヤーの派遣は先手番有利だが、売却フェーズだと手番順が逆順になり、もともと後手番だったプレイヤーが有利になる。売却フェーズのパス順が次のラウンドの手番順になるので、売却フェーズをいつパスするかの判断も重要。

ラウンド全体の資金のやりくりを考えて畑に投資し、従業員(バイヤー)を何人買い付けに派遣して何人を設備建築に回すか、手番順を考えてどのコーヒー豆をどれくらい入手してどの契約から先に達成するか?と考えることは非常に多い。

これもう経営だな。


フェーズが多く都度やることが違うが、流れはプレイヤーボードに書いてあるので、左から右に順にやっていけばゲームができる。

メインボードも複雑に見えて、中央の6つの農園でリソースを得て、左右両端に豆を投げて点数を得るという構成なので見通しもよい。

複雑に見えてよく考えられたコンポーネントだと思う。


ここ最近は中量級のヒット作が多かった中でCapstone Gamesが投げてきた重量級ゲーム。

非常に頭を悩ませる最高のゲームだと思うので、気になった人は是非プレイしてみてください。

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仙人
sopra
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