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  • 3人~5人
  • 60分~90分
  • 12歳~
  • 2018年~

ドラゴンズ・インタレストsopraさんのレビュー

202名
2名
0
3年以上前

要素が増えて支払い機会が減ってマイルドに、でも胃が痛くなるポンジスキームのリメイクゲーム。

TMGボドゲ事業撤退追悼レビュー第3回。実質的にベルフォートと並んでTMGの最後の作品となってしまったかな?

3人戦でプレイ。


【どんなゲーム?】

王国の復興のために竜から金を借りて建物を建築しつつ、竜にずっと利子を求められ続ける自転車操業ゲーム。

誰かが破産するか、10軒の建物を所持しているプレイヤーがいたらゲームが終了。勝利点の最も高いプレイヤーの勝利。


ポンジスキームと同じ作者。というかリメイクに近い関係性。

ポンジスキームに要素を足しつつ、いろいろと流れが変わっており、支払いのキツさ以外は別ゲームに近い。


ゲームの流れは以下の通り。

  1. 建物タイルの競り
  2. 建物の起動(定期収入+交渉)
  3. 建物のリフレッシュ
  4. ドラゴンの移動と利息の支払い

ポンジスキームとの違いを絡めながら、流れを説明していこう。


1. 建物タイルの競り

ポンジスキーム: スタートプレイヤーから会社タイルを取り、段階に合わせた借金契約を取り、お金を受け取る。

今作: 4~17の借金契約書を裏向きに出して一斉公開競りを行い、値の高いプレイヤーから公開されている建物タイルとり、そこに書かれている金額を受け取る。


ポンジスキームにあった会社タイルは今作では建物タイルとなり、5~6種類が1枚ずつ公開されている。競りをしてこの建物タイルを受け取り、建物タイルに書かれている金額だけお金を受け取る。

競りを使った契約書はドラゴンとの借金契約であり、竜の威を借りて他国に先んじて効率の良い建物を建築するという感じかな?


2. 建物の起動

ポンジスキーム: スタートプレイヤーから、他のプレイヤーを1人選んで会社タイル授受の秘密交渉を行う。

: スタートプレイヤーから自分が持っている建物1種類を選択する。選択された建物の種類に従ってお金 or 騎士の収入を受け取り、それらを使って秘密交渉を行う。


ポンジスキームではお金しかリソースがなかったが、今作では「騎士」という要素が追加される。会社タイルたる建物タイルの交渉は、起動した建物によっては騎士トークンを使っての交渉が行われる。

また、ポンジスキームでは「同種類の会社タイル」でなければ交渉ができなかったが、今作ではとにかく相手が持っている建物であればなんでも交渉できる。そして突っ返されたら相手が自分の持っている建物を好きなものを取っていく。辛い。


3. 建物のリフレッシュ

今作のみ。競りで購入されなかった建物タイルを捨て札にして、各種類新しいタイルを1枚公開する。

この時に特別なタイルが公開されると、各プレイヤー2騎士か建物タイルを1つ捨てなければいけなくなったり、次のフェーズでドラゴンの移動距離が伸びたりする。


4. ドラゴンの移動と利息の支払い

ポンジスキーム: ターンダイヤルを動かして、支払い期限がきた借金の額を支払う。

今作: ドラゴンを動かして、またいだ建物の種類に置いている借金契約書に書かれている金額を各プレイヤーは支払う。


全員が個別に何かを動かす必要がなくなったので管理が楽になったかな?

また借金の額も、ポンジスキームでは返済額120金、3桁当然みたいな状態であったが、今作では4金~17金までの積算で30金ですでに首が回らないくらいの大きさである。

ここで利子を払えないプレイヤーが出たらゲーム終了。もしくは誰かが建物タイルを10軒所持していたらゲーム終了。



【感想とか】

ポンジスキームとは別ゲーであり、でも永遠に利子を支払うという点でポンジスキーム味を感じる良作。


騎士というリソースを加えたことで、騎士と金のどちらで相手から勝利点(建物タイル)を奪い取るかの選択肢ができたが、交渉の仕方は起動する建物タイルの種類に依存するので、狙った交渉をするためにどの建物タイルを取るのかの選択が悩ましい。

その建物タイルも好きに取れるわけではなく、契約書の額による競り順次第では狙った建物を取れないどころか何も取れないことも起こりうる。そうすると建物タイルを取った時の臨時収入も貰えないので、いくらで競るべきか悩ましい。

もちろん低い金額で欲しい建物タイルを取れれば御の字だが、ドラゴンの移動は時計回り固定なので、ターン終了時にすぐに支払いが来る建物はなるべく取りたくはない。それが10金と比較的に高い臨時収入をもたらすものであったとしても。


建物タイルは持っている種類ごとに1点、各種類で単独で最も多くタイルを持っていれば1点、最大で12点(3人だと1種類使わなくなるため10点)の勝利点を競うことになる。

単一種類の建物タイルを重ねて持っておけば、建物を起動したときの定期収入も大きくなる。広く建物を持ちつつ攻めの建物を1つ持っておきたいが、そうすると足りないリソース(騎士 or 金)で建物を略取されるので難しい。


騎士と金のリソースバランスもなかなかに難しい。

建物の定期収入による効果でしか騎士の総量は増えない上、同点時のタイブレークは騎士が優先となる(騎士→金→建物タイル数)ので貴重な資源だ。貴重な資源なのだが、持っていないと困るのは交渉時と「悪魔の軍団の進行」というイベントだけで、どちらもゲームオーバーにはならない。

一方「金」はないとドラゴンに王国を滅ばされてゲームオーバーになる。最低限、ゲームオーバーにならないように資金を確保しておく必要がある。といって金に執着すれば騎士に建物を奪い取られて勝てなくなるので悩ましい。


と全体的にポンジスキームの悩ましさがそのままに、考えどころが増えたようなゲームである。

一方でポンジスキームの魅力だったところをあえて変更されたと感じるところもある。


一番顕著なのは利子の支払いだろう。本作では利子の支払いが「ぬるい」。もちろん、今日の支払いを生き残れるかのギリギリ感があるのだが、支払いまでの間隔がポンジスキームに比べて比較的「長い」のだ。

どういうことか? ゲーム中ドラゴンは建物タイルの山札の周りを時計回りで動き、またいだ建物種類の利子支払いを求めてくる。要はこのターンに支払う最低限の金額は大方予想がつく上、ドラゴンの左隣にある建物を購入すれば支払いは少なくとも3ターン後になる(時計回りで動くため)。

一応、ドラゴンが追加で動くイベントタイルもあるのだが、建物タイル2種の山札にしかなく、合計5枚しかない。建物タイルは各種類10枚しかないので、ドラゴンはゲーム中15歩しか動かない計算だ。どの建物種類も2~3回しか支払いが来ない。

ポンジスキームで言えばすべての借金契約カードが「5ターン毎」となっている感じだろうか? 比べてはいけないのだけどどうにも今作は利子支払いのキリキリ感が薄い。


という自分はドラゴンが追加で動くイベントタイルを2枚出て破産したので、実はよいゲームバランスとなっているのだとは思うが、、、


ポンジスキームにあった容赦のない支払い期限感は薄れ、逆にプレイヤー間の交渉に集中する感じになった本作。

キリキリ感を味わいたい人は前作が、考えどころが多いゲームが好きな人は今作がおススメだと思う。

個人的にはとても楽しめたので、こんなに長いレビューを閲覧してくれたボードゲームファンの皆様もぜひ一度プレイしてみてほしい。そしてTMGの思い出語りをしよう。

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山の川
18toya
仙人
sopra
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