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  • 1人~4人
  • 60分~90分
  • 12歳~
  • 2022年~

南チグリスの旅人ハナさんのレビュー

592名
11名
0
12ヶ月前

面白い!けど、万人にはオススメできない中重量級ゲーム。

「南チグリスの旅人」は「北海の侵略者」や「西フランク王国」3部作の作者による新シリーズ第1弾です。もともと西フランク王国シリーズのファンだったので、迷わず購入しました。

早速プレイしたので、第一印象をレビューします。


前作の西フランク王国シリーズは、個性的な世界観とイラスト、独特でやや複雑なプレイ感のゲーマーズゲームでした。メインメカニクスはそれぞれ違いましたが、いずれもタブロービルド(手元にカードを並べてアクションを強化し、コンボさせたり連鎖させていくジャンル)を採用している点が特徴的でした。

今作もそれら西フランク王国のDNAを色濃く受け継いでいます。



【テーマ】

プレイヤーはアッバース朝イスラム帝国時代の旅人となり、首都バグダードから旅に出ます。目的は様々。探検家、地図製作者、天文学者、、、。陸路、水路を探索し、天体を観測し、旅先で町民の協力を得て、旅の記録を指導者に報告しなければいけません。最も指導者を感動させる旅ができた人が勝利となります。

テーマはものすごくふわっとしていますが、なんとなくロマンチックで壮大です。戦争で争うわけでも、経済力を競うわけでもなく、「良い旅ができた人が勝ち」。訪れた場所(カード)は個人ボードの左右にパノラマ写真のように広がっていき、その上に星空のカードも広がっていきます。ゲーム終了時には訪れた場所が1枚の絵のようになるのは素敵ですね。

西フランク王国シリーズ独特のキャラクターイラストは健在で、今回は特に善人悪人関係ない(前作は関係あった)はずなのに、どことなく悪人顔が多いのは相変わらずです。


【ゲーム内容】

ゲーム内容は今作もとても複雑なので詳細は割愛しますが、メインメカニクスはダイスプレイスメント。最初にサイコロを振ったら、「キャラバン」を参照することで出た目にアイコンが付与されます。これらのダイスを配置して効果を発動させていくのが中心となります。

初期状態だと1の目に「ラクダ」、6の目に「望遠鏡」しかないですが、ゲームを進めていくとキャラバンを改良して、他の目にもアイコンや効果を与えられるようになります。

ダイス目の変更はかなり柔軟で、キャラバンを改良していけばほとんどどんな目でも「当たり」になります。「ダイスを使うから運ゲー」ということは全然ないです。ダイス目はほどよいジレンマ、という印象ですね。

ラクダの目を使って陸路カード、船の目を使って水路カード、望遠鏡の目を使って天空カードを獲得していきます。各カードには「タグ」(都市や港等のアイコン)か描かれており、このタグを集めるのが主な勝利点を稼ぐ手段となります。

また、これらのカードにはプレイヤーに追加のアクションスペースや即時ボーナス、常時ボーナスを提供してくれる、いつものタブロービルド要素もあるため、うまくコンボを組んで1アクションで多くの効果を連鎖発動させるのも醍醐味です。


加えて、アルナックの研究トラックのような「報告誌」というトラックがあり、これを進めていくレース的な要素もあります。トラックは上記のタグを集める事で先に進め、リソースを得たりゲーム終了トリガーを引いたりと、かなり重要な要素となります。


全体的に干渉要素は控え目。ダイスプレイスメントは完全に自分のボード内なので、そこにインタラクションはありません。カードの早取り、トラック競争、あと影響力トークンを場のカードに置く事による妨害等はありますが、直接的なやり取りは少ない今風な設計です。


プレイ自体は結構シンプルなのですが、周辺要素や細かいルールが多く、ゲームとしてはかなり重めです。

度々引き合いに出してしまいますが、西フランク王国シリーズでいえば「子爵」と「聖騎士」の間くらいの印象。プレイ時間も人数×30~40分くらいで、初回プレイだと2人でも2時間前後のヘビーゲームだと思います。



【良い点】

とにかく自分を好みに強化していくのが楽しいゲームだと思います。

ダイス目を規定するキャラバンは、かなり自由に改良できます。自分が水路メインでプレイするから「船アイコン」が出やすいようにキャラバンをカスタマイズする、どの目が出てもすべて6に変更できるようにタイルを組む、等の戦略的な楽しさがあります。

陸路や水路カードも自分の戦略にあった効果を選ぶ事で、連鎖的にリソースが得られるエンジンを構築できるエンジンビルドの爽快感があります。


慣れれば多くの戦略が取れそうな幅の広さも魅力的。報告誌トラックを速攻で進めてゲームを早期決着させることも可能で、ゲームテンポを含めてかなり戦略性が高そうです。

大量のカード、3枚表裏組み合わせ式のメインボード(2×2×2=8通り)等、リプレイ性も申し分なく、かなりやり込み甲斐があるゲームだと感じました。


戦闘でも経済でもない独自のテーマはロマンを感じて良い雰囲気です。コンポーネントとアートワークはかなり好みでした。



【気になった点】

基本的に好きなゲームでしたが、気になった点もたくさんあります。


まずはこのシリーズ特有の煩雑さ。とにかく要素が多く、アイコンも多いです。セッティング、インストは大変ですし、アイコンの意味を覚えるまでは非常にテンポが悪く感じます。様々なカードが連鎖発動するため、ゲーム後半は処理失念等もかなり多そう。

全体的に少しガチャガチャした感じは、西フランク王国シリーズの頃から変わっていません。

得点も直感的に分かりにくくなっており(これはわざとだと思いますが)、勝てると思って終了トリガーを引いてみたら負けてた、なんてことも。終了時の得点計算もなかなか大変です。


また、ゲーム的に待ち時間はかなり気になります。西フランク王国の聖騎士もそうでしたが、4人プレイだと少し厳しそうです。

場所も問題です。個人ボードの左右にパノラマ写真のようにカードを並べるため、1人1人がとんでもない場所を使います。1人でテーブルの端から端までカードを並べる、なんて事も。

これらの事から、ベストは2人な気がします。


説明書も読みにくいです。まず各要素の詳細説明から入って、最後にゲームの流れを書く構成で、何度も前後して読まないと理解しにくくなっています。


そしてボックス。インサートは全然ダメです。使いにくい。このインサートがなければ外箱は西フランク王国シリーズとおなじサイズに縮小できたと思います。今後このシリーズがこのサイズで出ると思うと少しツラいです(収納スペースが)。


【まとめ】

ゲームとしてはかなり面白いです。テーマも好きです。ただ、少し要素が多すぎて人を選ぶ仕上がりな気がします。

西フランク王国シリーズが好きな人なら絶対外さないゲームなので、そういったコアなゲーマーにオススメします。

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ツナマヨ
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ハルシカ
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ハナ
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