テラミスティカ：ガイアプロジェクト手動人形さんのレビュー

エリアマジョリティ、資源獲得、技術向上などの要素が絡み合う作品をソロプレイで何度かプレイした感想です。

結論から言ってしまえば、他の方が言うように「重ゲーの一つの評価基準」となる素晴らしい作品でした。

プレイヤーは7属性14種の宇宙人（地球人）含むとなって、手番ごとにアクションを1つ選んでいきます。惑星を開拓しつつ技術を向上させ、同盟を結び、勝利点を重ねていきます。

建物をアップグレードさせることによって次ターンに別の収入が得られるようになるものの、そのためには一度、既存の建物と置き換える必要が出てきます。

そのため、「知識を得るために研究所が欲しいのに、交易所がなくなるからお金が得られない」

といったジレンマと常に闘い続けることになります。

こちらの技術トラックやパワー/QICアクションもゲームの考えどころを増やす要素。

自分の種族と属性が異なる惑星をテラフォームさせるために必要な資源を減らしたり、より遠くの惑星を開拓するための技術は、ゲーム中のアクション効率を劇的に高めてくれるだけでなく、

• 技術ランク向上によりゲーム終了時に得られる勝利点が増える
• ランクアップごとに即時/ターンごとの収入がある
• パワーサイクルを行う
• 強力な効果がある上級技術タイルを入手する
• パワーやQICトークンを消費して追加資源や技術タイルを得る

などがあるので、ここをおろそかにしているとゲームが進むごとにじり貧になっていきました。

ラウンドごとの目標は、同じアクションでもラウンドごとに得点が異なってくるのですから、「次のラウンド目標のためにもここはしゃがまなければ」という判断にもなりますし、全体目標も初期からのゲームプランニングに大きくかかわってきます。

ソロプレイは専用デッキを使います。2枚のカードを並べ、中央に出てきた効果を用いることでインタラクティブあふれる対戦が味わえます。

今まで、Automa Factoryデザインのソロプレイ用オートマデックをいくつか体験してきましたが、『ガイアプロジェクト』のそれは

• 柔軟な難易度調整
• 慣れてしまえば理解しやすい意思決定

の2点が特に白眉でした。

• オーガナイザーを使ってもなお分類が複雑な膨大なコンポーネント
• 理解するまで時間がかかる難解なルール
• プレイの巧拙で、如実に得点差が生じてしまう運要素のなさ

と、（本体価格も相まって）ハードルは極めて高い作品ではありますが、

• 資源獲得→（パワーの回し方）→技術向上のサイクルが分かった時の爽快感
• うまく回せなかったときのアクションを分析しての再プレイが出来たときの達成感
• 種族ごとの相性はもちろん、タイル1枚の違いによってゲームプランが異なるリプレイ性

などは、本当にやみつきになりました。