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  • 2人~4人
  • 30分前後
  • 10歳~
  • 2023年~

宝石の煌き:ポケモンたっくん@カードゲーマーさんのレビュー

1233名
1名
0
9ヶ月前

9/10 見た目はしょぼいがシステムは良好。「宝石の煌めき」の良さが全面に出た良スピンオフ。

ポケモンヲタクでカードゲーマーの友人と2人でプレイしました。

どちらも本家「宝石の煌めき」はプレイ済みで、初代アニポケも視聴済みです。


【評価点】

・本家同様の評価点は健在

ルールの分かりやすさ、拡大再生産の楽しさ、リプレイ性の高さ、ほどよいプレイ時間など、本家の魅力はほぼそのままであり、本家が好きな方なら確実に楽しめます

この辺りについては、本家のレビューで詳しく語っているので、そちらを参考にしてください。



・「進化」ギミックが楽しい

ポケモンを代表する要素である「進化」がシステムに組み込まれており、システム的にもキャラゲー的にも楽しいです。

進化はターンやトークンを消費せずに得点を増やせるため、進化をいかに使うかが勝負のカギになります。

一方で、進化元のカードを除外しなければいけないため、より得点を伸ばすなら普通に購入した方が良く、進化を狙うか普通に買うかという判断が悩ましいです。

本家では、点数が同じでもコストが重いカードと軽いカードが存在し、重いカードは軽いカードの下位互換だったのに対して、本作では「進化ラインが異なる」という差別化要素が生まれたことで、重いカードが単なる下位互換ではなくなった点も素晴らしいです。


・新要素の追加により、本家に無い新たな戦略や駆け引きが楽しめる

前述の進化を活用するため、進化元にも進化条件の数稼ぎにも使えるレベル1のカードの重要度が本家よりも上がっています。

更に、手札からも進化できる進化ルールや、金貨(マスターボール) が必須のレア・幻ポケモンの登場により、予約の重要度も本家より上がっています。

進化を上手く活用することで「相手が欲しがっているカードを進化先にして奪う」というプレイもでき、予約で止めるか進化で奪うかという選択肢が生まれたためプレイの幅が広がっています。

また、カード自体も、3-2型1点のレベル1カードなど、本家には無いコストのカードが登場しています。

基本ルールは本家と同じですが、本家とはまた違ったプレイ感覚で、新鮮な気持ちで楽しめます。



【問題点】

グラフィックがしょぼく、キャラゲーとしては違和感が強い

どういうわけか、25年も前に放送された初代アニポケ基準のグラフィックで、2023年のゲームとしては違和感が強いです。

私も友人も生粋のポケモンヲタクであるため、世代でなくても初代アニポケを見たことがありましたが、メインターゲットと思われる子供へのウケはあまり良くないでしょう。(一応、アマプラやピカブイで触れる可能性も無くはありませんが…)

「放送当時を懐かしむ大人向けなのでは?」 とも考えましたが、初代アニポケには登場しないヒールボール・クイックボールが登場しており、初代アニポケ基準としてもちぐはぐな印象を受けます。初代だけではボールの種類が足りないのは分かりますが、どうも中途半端で、当時を懐かしむ大人にとってもあまりウケは良くないと思います。

(どうせボールを追加するなら、アニポケ無印編の範囲でも登場するガンテツボールで良かったのでは…?)

ポケモンのイラストも、ファンなら何万回と見た公式立ち絵の使い回しで、背景も一色のグラデを貼っただけ。見た目がかなりしょぼく、公式コラボ商品なのになんだか偽物のように感じてしまいます。

当時を懐かしむ大人向けという観点であれば、同じ年に日本でも韓国でも発売されている「ポケモンカードクラシック」の方が、断然出来が良いです。


加えて、「マスターボールがオールマイティ扱い」というのも、ポケモンファンには違和感があります。

原作やアニメにおけるマスターボールは「ポケモンを必ず捕まえられる」というだけで、「他のボールになれるボール」ではありません。

マスターボールはポケモンを必ず捕まえられるため、マスターボールを投げるなら他のボールを投げる必要は一切なく、マスターボールと同時に他のボールを要求されるのも変な話です。

設定から考えるなら、金銀に登場する「ぼんぐり」が適任だと思います。赤緑の範囲からは外れてしまいますが、アニポケ無印編の範囲ではあります。DPで初登場したヒールボール・クイックボールが出ているなら、ぼんぐりが出ても問題ないでしょう。


また、進化システムとの兼ね合いから、登場するポケモンは2進化ラインがほとんどです。

中でも、パッケージにでかでかと描かれているはずのピカチュウのカードが存在せず、ゲーム中ほぼ登場しないのはどうかと思います。

唯一、サトシのトレーナーマーカーの右下に小さく描かれているのみです。

(トレーナーマーカーは他にも種類があるため、3人以下でプレイするならサトシが使われない場合もありますし、除外領域を表すだけの役割なので、マーカーを一切使わなくても遊べます。)

レアポケモンカードにプテラやラプラスを入れる前に、ピカチュウのカードを入れるべきだったと思います。



本家よりもやや運要素が強い

進化は既に場に見えているカードか手札からしかできないため、進化先のカードが捲れないと進化できません。

特にLv3カードの2進化ポケモンは、ポケモン1種につき各1枚ずつしか無い、ハイランダー仕様です。

そのため本家よりも捲り運の重要度が上がっており、本家と比べるとやや実力差が出にくいです。

ある意味、子供向けのキャラゲーに寄せるための調整とも言えますが、本家の実力ゲーな所に魅力に感じていた方には、少し物足りなく感じるかもしれません。


【総評】

基本的なゲームの魅力は本家と同じです。

元々ルールが分かりやすくボドゲ初心者にピッタリのゲームのだったため、本作からプレイしても問題なく楽しめると思います。

見た目がやたらしょぼくてかなり違和感が強かったり、進化の運要素が強いといった問題はありますが、進化を活かした追加要素がキャラゲーとしての魅力を補っているため、総合的に見て良作と言えるクオリティに仕上がっています。

新要素の登場により本家とは違った戦略を楽しむことができ、本家をやり尽くしたボードゲーマーには特にオススメできます。


【余談】

ちなみに本作は、カードサイズがボードゲームサイズ(56 x 87)になっています。

本家(スタンダードサイズ)とも、デュエル(ミニユーロサイズハーフ)ともサイズが違うため、スリーブやストレージボックスを使う際は注意が必要です。


【追記】

「ピカチュウはレアポケモンや伝説ポケモンではない」「ピカチュウはサトシのポケモンだからゲットできない」という意見を見かけたので、ここで反論させていただきます。

初代ポケモン原作において、ピカチュウは間違いなくレアポケモンです。

初代ではトキワの森にしか出現せず、しかも出現率が約5%とかなりの低確率です。当時人気が出たのも、その希少性と可愛さが理由であり、人気が出た後にアニメ版のメインキャラに昇格しました。

初代アニメでも、第2話などを筆頭に「サトシのピカチュウ」ではないピカチュウが普通に登場するので、サトシのものとは別のピカチュウをゲットしても何ら問題は無いはずです。

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ばんけ
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