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  • 2人~4人
  • 20分前後
  • 8歳~
  • 2022年~

ペンは剣よりも強し18toyaさんのレビュー

99名
4名
0
2ヶ月前

小箱ながら侮れないジレンマと戦略。妨害有りだが悩み悶えられる良きシャハトゲーム!

【評価7.5/10】

オープンドラフト✖️セットコレクション

本作は「コロレット」「ズーロレット」「王と枢機卿」「パトリツィア」などでよく知られるミヒャエル・シャハト氏の作品。6色×10枚=60枚のカードを取得して点数を競い合うゲームです。

◇ルール

ルールはシンプル。手番でできることは2択。

・2列ある列のうち密書カードが置かれている列からカードを取るか
・または自分の場のカードを密書カードが置かれている列のカードと交換するか
のどちらかです。

上列一番左にあるのが密書カード。カードを取るにも交換するにも密書がある列から。


カードを取る際は最小の数字のものを取る必要があります。カード構成は色ごとに−2点の「羽ペンカード」3枚と3から8の数字を持つ「兵士カード」7枚から構成されており(3のみ各色2枚、4〜8は1枚ずつ)、羽ペンの数字が最小のため取れる列に羽ペンがあれば必ず羽ペンを取ることになります。取ったカードは自分の前に表向きで置いておきます。カードを取って空いた場所には山札から1枚捲って補充し、列を5枚に戻します。


カードを取る時にはいささか邪魔と感じる羽ペンですが、交換の時は非常に便利な存在です。羽ペンで交換を行う際には密書カードが置いてある列から好きな兵士カードと交換することができます。ただ、羽ペンで交換をした際は密書を移動してカードを取れる列がもう片方の列になります(これがまた悩ましい。理由は後述します)。
一方、兵士カードは自分自身よりも小さい数字の兵士カードとしか交換できません。

交換で取ったカードもやはり自分の前に表向きで置きます。


こうしてカード取得や交換を繰り返すことで同色のカードを3枚揃えられると、瞬時に他人からカードを1枚奪う効果が必ず発動します。奪えるカードは「今3枚揃った色」「自分の場にある色」「既に裏返ってるカード」はダメですが、それ以外であれば誰からでも、どのカードでも好きに奪うことができます。しかるのちに、3枚セットとなったカードを裏返します。

最終的には裏返したカード全ての合計値にちょっとしたおまけが付いた点数を互いに競い合い、最も高得点を取った人が勝者となります。


◇本作の肝

上記の通り、このゲームは基本的に同色3枚セットをどんどん作っていくことで勝利点を上げていくことができますし、他プレイヤーからカードを奪える効果が強い。従って同色3枚セットを全員が作りたい訳です。

できれば自分だけが3枚セットをジャンジャン作り、自分以外のプレイヤーには極力3枚を揃えさせたくない。そのためにお互い知謀を尽くし合うと言うのがこのゲームの勘所です。


まずここで考え所その1。3枚セットを作ると即座に効果を発動して裏返し、ラストの得点になる。一旦取っておくということはできない。これは、カードが裏返るので「もうカードを奪われる事が無くなる」という利点と共に「その点数で良いんか?」というためらいにも繋がる。

「なるべく点数を美味しく作ってから3枚にしたい」けど、上にも書いた通り数字が大きいカードは基本的には取りづらい。そうなると、羽ペン・3・4の3枚セットとかの方が作りやすい訳ですが、これらを裏返したとしても点数は3+4−2=5点。えっ、ってなっちゃいますよね 笑

ただし3枚セットを作った時に人からカードを奪える効果は純粋に強いので、効果の発動か?点数のために一旦我慢するのか?でも点数を高めたいと思ってモタモタしちゃうとハイカード(数字の大きいカード)を取られちゃうんじゃないか?ここが悩みどころです。


また、羽ペンの使い所も考え所その2。羽ペンはどんな大きな数字でも取れる反面、密書が違う列に移ってしまう。密書が移動して自分以降の人に美味しくなりすぎちゃう場合、羽ペンは使いづらい。特に自分以外の誰かの3枚目となる美味しい(6以上とかの)カードがあるとそちらの列には行かせたくない。これが悩むんですよね。だって、今自分が羽ペンで7とか8の美味しいカードを取ったとしても、その後3枚セットを作った人に今自分が取ったばかりの美味しいカードを取られちゃうかもしれませんからね…

逆に今の列に美味しいカードが複数ある場合、そのうちの1枚を羽ペンで取りつつ密書を違う列に動かすのは一挙両得で美味しい動き。なるべくそのムーブをしたいですが、そうそううまくいく場面ばかりでもありません。ここら辺は捲れに一喜一憂するのが正しい楽しみ方かなと思います^^


◇長所と短所

まず本作の長所は以下の通り。

  • 小箱だけどちゃんとジレンマを楽しめる
  • 悩みがい、考えどころもあるが捲れ運も絡み固くなりすぎないプレイ感
  • 戦争と外交がテーマながら柔らかいイラストで雰囲気を和らげてくれている

プレイする時の択は少ないけど悩ましいのはシャハト氏らしさが現れてるなぁ、と感じます!コロレット同様、小箱だけど他の人のカード取得状況も見て自分の動きを考える必要があり「ボードゲームらしさ」のエッセンスがしっかり盛り込まれてると感じられますね!

また、見えている盤面の中でベストを尽くした!と思ったとしても捲れたカード次第では「くぁーそれ来るの!」と呻く事もしばしばあり、固くなりすぎないプレイ感も良いところ。

更には、内容的には結構バチバチなので「戦争と外交」というフレーバーがしっくりくるプレイ感ながら、柔らかいイラストで緩和してくれてるところもいいなと思います。色合いとかも可愛いですよね、素敵です^^


一方で、短所としては

  • イラストは可愛いけどかなりバチバチな内容
  • 割とゲーマーズゲーム。キングメーカー問題

ですかね。上記した長所で、イラストがバチバチな雰囲気を和らげてくれている話はしたものの、逆に言うとやはりプレイ感はバチバチ。他の人を妨害する手段が

 ・人が欲しそうなカードを先取りする(カット)
 ・羽ペンの効果を使って列を変える
 ・先にこちらが3枚セットを作り、他人の3枚セットになりそうなカードを横取りする

豊富なので、悲鳴が上がったり、「ですよねーw」と諦めの嘆息を漏らす場面も多い。イラストに惹かれて柔らかめのゲームなのかな?と誤解して購入すると思わぬ火傷をします!笑

ここら辺のプレイ感は最近風ではないのかな?最近風でないことは別にマイナス点と私は思わないのですが、攻撃性が高めであることは否めません


また、上記とも関連するのですが互いが互いに牽制し合い、得点できるタイミングで確実に得点して(つまり3枚セットを作って)人のカードを容赦なく奪っていかなければ勝てないし、裏返されたカードもあるので正確なカウンティングはできませんが、記憶を頼りに、または体感的に、トップ目のプレイヤーを妨害することも大事です。こうした「恨みはないけど勝つためには仕方ないよね?君を圧迫させてもらうよ」というゲーマー的思考法を持って遠慮なく人のカードを奪ったり列を動かせる人は本作に適性がありますが、攻撃的な動きをためらう人が混じった場合、その人が「キングメーカー」になってしまう危険性も孕んでいます

小箱ながらしっかりしたゲーム性であるという長所と、この短所は表裏一体かな、と思います。よって本作は小さいお子様も交えたファミリーユースやパーティーゲームというよりは、殴り合い上等でも喧嘩にならない大人同士、気心の知れたゲーマー同士で遊ぶ小箱として良い選択肢かなと思います♪


◇まとめ

以上です!お互いの盤面が丸見えで、かつお互いの盤面に(制限はあるにしても)介入できるゲーム性となると、誰にでもお勧め!とはいきません^^;

しかし3人戦・4人戦を気心の知れたゲーマー同士で遊べば、互いにベストの体制を作ろうと思惑が入り乱れまくり!カードを取れる列が思わぬタイミングで移ったり、自分に美味しいタイミングが回ってきたり、かと思えばゲロマズな場面だったり。ジリジリと一進一退するのをワイワイあーだーこーだ言いながら仲間内で盛り上がれます

ゲーマー同士で遊ぶ、しっかりめの小箱ゲームを求めてるならお勧めですよ〜^^


以上です。小箱のレビューですが少々長文となりました。最後までお読みいただいた方、ありがとうございます!皆様の良きボドゲライフに貢献できれば何よりです^^

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nabekoh
じむや
藤森 あつし
びーている / btail
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18toya
18toya
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