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ナヴェガドールNavegador

古代~アンティーケ以降,ロンデルシステムとマック・ゲルツが大好きになってしまい,今後も追っかけプレイしていきたいと思っています。今回は、名作ぞろいのロンデルシリーズの中でもさらに名作という評判も高いナビゲーターをプレイさせてもらいました。

プレイヤーは大航海時代のポルトガルの冒険家です。船団が,アフリカ航路を開拓して,ジパングを目指します。ポルトガルからナガサキまでの航路と途上にある植民地を探検していくことを軸に置きながら,経済、経営、建設、有力者からの恩恵など,複数の要素が絡み合っており、それらの複数の要素をロンデル(円環)システムが見事にまとめ上げています。
以下、簡単にどんなゲームかを説明していきます(インストではないので細部は省きます)

このゲームは,ボードの左端ポルトガルから出発した船団のうちひとつでも、マップの右端ナガサキにたどり着いたら,つまり航路が開拓されたら終了します。航路の開拓(まだ誰も行っていない海域に船をすすめる)を行うには、船のコマを必ず失いますが、一度航路が開拓されるとボード(=世界)が広がり,広がった範囲内では船は自由に動け,植民地も買えるようになります。
同時にこの開拓航路が、

- アフリカ喜望峰
- インド

をそれぞれ越えると,ゲームのフェーズが変わり,船の移動力が増え,船の建造コスト,労働者の採用コストが跳ね上がります。ボードが広がっていく中で工場や植民地を経営しますから、もちろん収入の方も上がっていくわけで、まさに大航海時代。(ヨーロッパ人にとってですが)世界が広がり,植民地がひろがることによる経済の拡大が味わえます。

このように航路拡大と経済拡大を軸にしてゲームは進んでいきますが,得点源は5つあります。

- 植民地の数
- 工場の数
- 開拓した航路の数
- 造船所の数
- 教会の数
また、恩恵(Privilege)といって自分の労働者を消費して各得点分野におけるパトロンのような人と近づいて,対応する得点分野の点数を増やすことが出来ます。このゲームは広がっていく世界,拡大していく経済の中で,これらの得点源と,パトロンからの恩恵を他のプレイヤーと競合しながら,確保していくという流れになります。


さてこのゲームを司るロンデルを見てみましょう。
下の写真で3つのコマがのっていて見えないところはBuiding(建物建設)です。ここから順に見ていきましょう。
- Building 建物建設
- Sailing 船を進める
- Workers 労働者を増やす
- Market 生産物を市場で売ってお金にする
- Colony 植民地(砂糖,金,胡椒)を買う
- Privilege 労働者を消費してパトロンから恩恵を受ける
- Ships 新しい船を作る
- Market 生産物を市場で売ってお金にする
毎手番,プレイヤーは今自分のコマがいるところから時計回りに進み,止まったところのアクションを行います。1つの場所から1~3マス進むのにはコストはかかりませんが,4以上すすもうとすると船を一つずつ失います。なので理由がない限りは1~3の間で行動します。



実際にロンデルを眺めてみます。この円の中のアクションの並び順と距離にこのゲームのすべてが込められており、本当に多くの要素とジレンマが圧縮されているのですが,この記事では一つだけ、

- Sailing 船を進める

を例に、選択と集中とプレイ速度の問題を見てみましょう。
このSailingマスに直接関わるマスは

- Market 生産物を市場で売ってお金にする
- Colony 植民地(砂糖,金,胡椒)を買う
- Ships 新しい船を作る

です。それぞれ3マス以内ですので,あるプレイヤーがこの4つだけを選んで、ロンデルを常に2-3マス飛ばしで,スピーディーにまわって,あっと言う間にナガサキにつけてしまえそうです。
もちろん、そうは行きません。航路の開拓には新しい船が必要ですので,お金を稼ぐ必要があります。

では途中のMarketに止まります。
しかし、このゲームは前述したようにゲームの後半になると船の価格が暴投していきますので,かなりきちんとお金を稼ぐ必要があります。また、このゲームの経済システムでは、植民地での生産物ばかり売りすぎるとMarketでの収入が下がっていきますので、バランス良く工場でも生産をしないといけません。
だから、

- Bulding 建物建設

に止まって工場をつくりたくなります。また,船をつくりたいなら同じく、

- Building 建物建設

で造船所をつくる必要があります。建物をつくるには

- Workers 労働者を増やす

もいります。さらにお金が要るので Market に止まる頻度が増え,2-3マス飛ばしでスピーディにと思っていたのに、結局全部に止まる必要があります。常にまんべんなく回るとバランスは良いのですが,プレイ全体の速度が遅くなり,早い者勝ちの局面で他のプレイヤーに負けてしまいますので、ここぞという時は,大胆にロンデルを回す必要があります。

しかし船を使ってロンデル回すぞと思っても、支払う船を作るためには

- Ships 新しい船を作る

が必要ですし、その船を作るにはお金が必要と、とやるべきや思考がループします。

つまり逆算と先読みがループするジレンマ。
- 隣、2つ先、3つ先のアクションとの関係
- 中心を挟んで反対側に配置されたアクション同士の関係
- 線対称に見立てた場合の右側と左側のグループの関係
これがある一周の中でもジレンマを作り出します。しかし,円であるが故にさらに,
- 過去の周回での選択の影響
- 今の選択の将来周回への影響
と、も生まれます。つまり選択とその影響が過去と現在でループしつづけます。このループがゲームボード上に変化をもたらし、その巧拙によって勝ち負けを作り出していく様子は、実はループではなく螺旋です。なにかマンダラとか輪廻とかそんな宇宙的なものまで感じてしまいますね。

ゲルツのロンデル大好きです。 この記事を書く間も,ナビゲーターのロンデルを2時間眺めても飽きませんでした。文章に出来そうな考察も3~4つくらい出てきたけど、あまりに長くなるので、書くのは1つにしぼりました。
このゲームもっとやりたい!
他のロンデルゲームも早くやりたい!

最も読まれているレビューを表示しました
  1. 投稿者:YYYKKK
ナヴェガドール
ナヴェガドールの通販
ゴールは長崎!
残り1点
1営業日以内に発送
日本語マニュアル付き
¥ 8,140(税込)
マイボードゲーム登録者
  • 163興味あり
  • 398経験あり
  • 139お気に入り
  • 338持ってる
プレイ感の評価
運・確率0
戦略・判断力13
交渉・立ち回り0
心理戦・ブラフ0
攻防・戦闘0
アート・外見8
作品データ
タイトルナヴェガドール
原題・英題表記Navegador
参加人数2人~5人(60分~90分)
対象年齢12歳から
発売時期2010年~
参考価格未登録
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レビュー 6件

  • 202
    名に参考にされています
    投稿日:2019年10月07日 22時14分

    本格派重ゲー。ポルトガルを出て、長崎まで船を進める。それはつまり未知の大陸に降り立つという事。当然その航海も簡単なものではありません。このゲームはロンデルシステムという特殊なシステムに従って進行していきます。一言で言い表すと、自分の出番で出来ることがターン毎に変わる、という事です。普通のゲームだったら数あるアクションの中から好きなアクションを選んで実行しますが、ロンデルシステムでは、(普通は)そのターンに選べるアクションは3つしかありません。そしてそのアクションも、再び実行する為にはまた暫く時間がたたないと出来ないのです。これだけだとテンポ悪そう、なんて思われるかもしれませんが、これがま...

    天瀬涼太さんの「ナヴェガドール」のレビュー
  • 256
    名に参考にされています
    投稿日:2019年04月18日 13時47分

    Navegadorはおそらくポルトガル語で、英語ではNavigatorです。日本語のナビゲーターも定着してきていますが、この場合の意味は「航海士」でしょうか。大航海時代を舞台にしたゲームです。ポルトガルから出発して、長崎につくと終わります(勝てるとは限りません)。このゲームは勝利点を争うゲームですが、その過程で多額の資金が必要です。金策の手段はいくつかありますが、大きなものは二つ。植民地の資源を市場に売ることと、市場から資源を買って工場で製品化することです。その際に資源はストックできるわけではなく、植民地や工場の数を上限として取引できます(購入の場合は加工差益を直接得ます)。その際に、物...

    flat/京山和将@昼夢堂さんの「ナヴェガドール」のレビュー
  • 226
    名に参考にされています
    投稿日:2019年01月27日 21時46分

    ゲーム名称:ナヴェガドール(Navegador)2010年→BGG7.6デザイナー:マック・ゲルツ(MacGerdts)推しポイント:ロンデル!時は15世紀。世は大航海時代。裕福な商人となり、植民地で金や香辛料などの産地や、未踏の海を航海する栄誉、造船技術や、商品加工のための工場などを手に入れ、より稼ぐことを目指します。ゲームの目的は、未踏の海域を探検したり、植民地や工場、造船所などを増やし、最も勝利点を集めたプレイヤーが勝者となります。勝利点の要素は非常に多く、基本的に何をやっても点数になります。要素ごとに得点の倍率が違ったり、建物などは全プレイヤーで奪い合いになるため、他プレイヤーと...

    ひめくりさんの「ナヴェガドール」のレビュー
  • 377
    名に参考にされています
    投稿日:2017年10月16日 16時45分

    古代~アンティーケ以降,ロンデルシステムとマック・ゲルツが大好きになってしまい,今後も追っかけプレイしていきたいと思っています。今回は、名作ぞろいのロンデルシリーズの中でもさらに名作という評判も高いナビゲーターをプレイさせてもらいました。プレイヤーは大航海時代のポルトガルの冒険家です。船団が,アフリカ航路を開拓して,ジパングを目指します。ポルトガルからナガサキまでの航路と途上にある植民地を探検していくことを軸に置きながら,経済、経営、建設、有力者からの恩恵など,複数の要素が絡み合っており、それらの複数の要素をロンデル(円環)システムが見事にまとめ上げています。以下、簡単にどんなゲームかを...

    YYYKKKさんの「ナヴェガドール」のレビュー
  • 271
    名に参考にされています
    投稿日:2017年03月27日 11時52分

    ナヴェガドールは大航海時代を船を進め開拓するテーマ性、相手との絡みが強い経済システム、複雑なシステムを遊びやすくするロンデルという円環アクション。これらのシステムを軸に美しい横長ボードでまとめ上げた素晴らしいゲームです。プレーヤーはポルトガルをスタートして船団を大海原に送り出します。先に未開の地を切り拓いた勇敢な者は冒険チップと収入を得ます。いくつかある要所は複数の船団で臨まなければならず、踏破するためには一隻の船が海に沈みます。最初は1マスしか進まない船も誰かがそこを乗り越えれば、2マス進めるようになり後半になればダイナミックな海洋レースが繰り広げられます。そうして開拓された土地では砂...

    kamaji_Gさんの「ナヴェガドール」のレビュー
  • 375
    名に参考にされています
    投稿日:2016年10月30日 12時07分

    大航海時代のポルトガル。プレイヤーは商人であり冒険家であり、そして未開の地を開拓する開拓使でもあります。砂糖や金、香辛料にそれを生産する植民地や加工販売する工場、さらには未開の地を冒険する名誉などを求めてはるか東方の果てにある島国ジパングを目指すゲームです。メインシステムはマック・ゲルツ氏おなじみのロンデル。過去作のリメイク「古代2」と「古代対決」を除けば現状最も新しいロンデル採用作となり、相変わらずのスマートさと悩ましさでプレイヤーをうならせてくれます。また、戦争が大きなテーマとして扱われていた過去作(インペリアル、古代)らと違い、他プレイヤーを攻撃したり他プレイヤーから何かを奪ったり...

    大石さんの「ナヴェガドール」のレビュー

リプレイ 0件

投稿を募集しています

戦略やコツ 1件

  • 323
    名に参考にされています
    投稿日:2017年05月18日 22時39分

    10回程度プレイをしてコツをつかみましたので、投稿します。1:上家の戦略を見極める本作は、いかに他プレーヤーと異なる戦略を取るかが鍵になります。特に上家と戦略が被ると自分のアクションが全て弱くなってしまいます。(例:自分・上家ともに植民地戦略を取った場合、植民地獲得で上家に先んじられ、さらにマーケットにおいても、自分が資源を売る前に上家にマーケットに入られ、資源価格を下げられてしまう)2:序盤は全方位作戦でいこう「1」と矛盾しますが、序盤から特定の戦略に特化してしまうと、上家と戦略が被った時に、挽回が困難になります。よって、第一世代の間は、航海・植民地・工場を万編なくとり、他プレーヤーと...

    walkergyariaさんの「ナヴェガドール」の戦略やコツ

ルール/インスト 1件

  • 609
    名に参考にされています
    投稿日:2018年01月21日 14時11分

    (上から読むだけでナヴェガドールのインストになります)ボードは片面が英語,片面がポルトガル語となっています。英語の面を使います。プレイヤーシートはアイコンの説明が多い方の面を使います。(以下,セットアップが終わったところから。「参考」は読み飛ばして結構です。)■ゲームの概要プレイヤーは15世紀ポルトガルの名門商家となり,ポルトガル(リスボン)からスタートし,航海に出て未知の海域を探索し,植民地を作り,産物を売り,得た資金で労働者を雇い船を建造します。最終的に長崎をめざします。植民地の設立,工場・教会の建設などさまざまな行動が勝利点となります。最も勝利点の多いプレイヤーの勝ち。■フェイズ船...

    malts_yさんの「ナヴェガドール」のルール/インスト

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