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  • 2人~4人
  • 60分~90分
  • 10歳~
  • 2011年~

パンテオン荏原町将棋センターさんのレビュー

255名
6名
0
3年以上前

宝石の煌めきは、輪廻的なエンジンビルドを構築したことで、人気ゲームとなりました。パンテオンのエンジンビルドは簡単で、例えば、赤を1所有すれば、赤が1永久となります。宝石の煌めきのように、赤4で青1になるということはありません。つまり、リソース変換のエンジンではない、単純なタブロービルドです。

宝石の煌めきは、宝石でカードを買って、そのカードが宝石になるという連鎖のスタイリッシュなシステムです。パンテオンでは、宝石の煌めきのカードに当たる「生贄タイル」を買い、生贄カードと合計して神様タイルを入手していきます。また、神様タイルの条件に色の指定がないので、生贄タイルは、宝石の煌めきよりスピーディーに使用されるのが特徴です。


パンテオンはもう一つ、ラインコネクトのメカニクスを持っています。

手番のアクションは3種類。(Dは可能な時だけ)

A 足カードを使って移動する(足跡を付ける)

B お金カードを使って、(足や神柱を買う、移動する、生贄タイルを買う)

C カードを3枚補充する

D 対応する生贄カードを捨て、神様タイルを貰う


このゲームはカードアクションです。カードの種類は、足(2歩移動)、お金(1金)、生贄4種類。これらが混ざり合っています。

足と柱のコマは、個人ストック制で、ゲーム開始時は、足4つ、柱3つしか持っていません。

B買い物は、何金でも好きなように買えます。ストックの足も神柱も買えて、一つ1金。移動(足や神柱を有料(1マス1金)で置ける)も、4種の(レベル1の)生贄タイルも、全て1金です。(同じ種類の生贄タイルのレベルを上げたければ、その差額分のお金を払います)

A移動だけはプエルトリコ方式で、手番プレイヤーが、足カードを好きな枚数出し、それに+1した分、足や神柱を配置します。(足2枚出せば2×2+1=5歩)。他プレイヤーも足カードを好きな数出して移動することができますが+1はできません。移動したくない、できないときはカードを1枚補充します。補充はチケライ方式。

この移動によって、スタート地点から、神柱マークのあるマスまで足を伸ばせばOK。その神柱マークには足ではなく神柱を置きます。柱は各プレイヤーmax12本で、4の倍数置くたびに、決算時のVPがアップします。つまり、

1〜3本までは、柱一本につき1VP

4〜7本までは、柱一本につき2VP

8〜11本までは、柱一本につき3VP

12本全部置くと、4×12=48VP。

第3ラウンドと最終第6ラウンドに得点決算があります。

これが、ラインコネクトVPです。


前述のエンジンビルドVPは、神様タイルがそのままVPとなっています。しかし、そのVPなんですが、ラウンドの数=VPとなっています。つまり、第1ラウンドの神様タイルは一枚につき1VP。最終ラウンドは一枚につき6VPとなります。神様タイルは、各ラウンド頭に、プレイ人数+1枚、セッティングされますので、例えば4人プレイだと5枚、即ち6ラウンド目は30VP潜在していることになります。

また、神様タイルは、永続効果も兼ねているので、序盤、VPの小さい神様タイルを取りに行くかどうか悩ましいところです。

↑ 序盤でも取ってみたい神様タイルの例。左から、1種類の生贄4つで、足の数+1という永続効果。その隣は、ジャンプして足が置ける永続効果。右の2枚は、4種類の生贄を該当の数集めて、各ラウンド頭に柱や足がストックから無料で貰える効果。(この2枚は、初版に付いていたプロモタイル)


各ラウンドの全ての神様タイルが買われた時点で、そのラウンド(文明)が終了します。


さて、ラインコネクトに戻りますが、このゲーム、一つのマスには2プレイヤー分しか足又は神柱が置けません。また、後から他プレイヤーの足又は神柱のマスに入る場合は、移動が1ではなく2必要となります。

ただし、ライン、すなわち足のコマだけは、ラウンドが終了すると、全てボード上から無くなり、手元に戻ります。柱だけがボード上に残り、次のラウンドのスタート地点が決まります。この所作が実は、文明が滅び、次の民族が文明を興していることを表しています。6民族分、つまり6ラウンド、スタート地点が変わるというわけです。

↑ ローマが文明を興した場合、ローマを拠点にラインを作るだけ。六角形のボーナスタイルを全て取った時も、ラウンドは終了する。盤上にある「目」のボーナスタイルは半神で、直接VP(1〜6VP)となって決算時に貰える。決算は2回あるので、序盤から半神を貯めておく手もある。


ずいぶん長くなりそうなゲームだと思われますが、これが、実は真逆!最終ラウンドなど、全プレイヤーが6VPの神様タイルをさっさと買って全て売り切れ、あっという間に終わります。最後のラウンドは、神柱を置く時間が回ってこない可能性もあります。

これが、前述したスピーディー、宝石の煌めきの終息感と同じで、しかも色指定も無いので、呆気ない早さで神様タイルが取れてしまいます。だから間延びもしないし、面白いのです。

↑ 終盤は、こんな感じで生贄タイルが何枚か手元にある。この「神物」生贄カードをたった1枚捨てるだけで、5、3、1となり、この、(半神を2枚貰う即時効果の)神様タイルが手に入る。6ラウンド目だったら6VPだ。


このゲームには固有能力制もありますが、ほとんどはスタート時の即時効果。楽です。


難しいゲームではありませんが…

■柱の数が、決算前に7本、11本は非常に悔しい。11本だと33VP。12本は48VPなので、なんと15VP差になる。7本は14VPだが、8本は24VP。これもたった一本で10VP差ある。

■ゲーム終了時、(獲得時のVPとは別に)、神様タイル自身がVPとなる神様が一人いる。このVPは自分の持っている生贄タイルの最高レベル、すなわち4VPとなるので、この神様をたくさん集める作戦もある。

■序盤は、効率的に移動し、柱をたくさん建て、終盤は神様カードを早取りする。これがこのゲームのオーソドックスな戦略スタイル。ただし、柱を置くのに乗り遅れてしまった場合や、中盤から神様タイルのVPを独り占めしたい場合は、柱の目標を「8本」で打ち切り、神様特化戦略に走る。


VPが2種類しかないので、「大量(12)神柱」を狙うか、生贄タイルのレベルを上げ「神様タイル買いやすくする」か。戦略は2つです。要は、ラインコネクトやりますか?エンジンビルドやりますか?ということです。メインシステム同士が戦略の選択肢として対立するゲームは、総じてバランスがいいと思います。

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