名作戦略ゲーム、フレスコの17もの拡張モジュール同梱のメガボックス版が登場!
ピッツァはお好きだろうか?わたしは何を隠そう無類のピッツァ好きである。
ピッツァは今でこそイタリアのソウルフード的位置付けであり、その起源を辿ると古代ローマの時代まで遡るほど歴史のある食べ物だが、我々がイメージするピッツァに近いものになったのは意外と最近のようで、少なくとも16世紀以降のナポリが近代ピッツァ誕生の地ということらしい。
それもそのはずで、よくよく考えてみると、ピッツァに欠かせない具材であるトマトは南アンデスが原産である。ヨーロッパにトマトが渡るには、大航海時代まで待たなければならない。
それまでのピッツァは、古代ローマでは皿の代わりに使われていたパンの一種で、近代以降トマトが乗るようになるまでは、せいぜい平らなフォカッチャにラードとバジル、それにチーズを乗せたものが食べられていた程度のようだ。
本作「フレスコメガボックス」はイタリアの文化が活発に発展していったルネッサンス期におけるフレスコ画の修復作業がテーマとなっている。様々な芸術や科学が発展し、近代への扉を開いたとされるルネッサンス時代だが、実はまだピッツァという文化は辛うじて芽を出したかどうか、というところだったのだ。
ベースゲームである「フレスコ」が発売されたのは2010年。ボードゲーム全体で言えば、2000年代はルネッサンス感をほんのりと感じさせる(個人の感想です)。レースフォーザギャラクシーなどに見られる言語依存を極力排除した「効果のアイコン化」という思想が進み、プエルトリコやアグリコラが人気を得て重量級ゲームというジャンルが台頭していった。
2010年はナヴェガドールやヴィニョス、トロワなど、今でも遊ばれる重量級の名作が発売されており、この年のドイツゲーム大賞を受賞したフレスコもそのうちのひとつに数えて差し支えないだろう。
ではそろそろ、フレスコについて掘り下げてみよう。
当時の記事などを読むと本作をワーカープレイスメントに分類したものもあるが、本作におけるワーカーは「アクションを行う回数」を決定するだけのもので、早取りのアクションドラフトの要素はなく、どちらかと言うとアクションポイントシステムの方が近い。
ただし手番順の決定のみ、得点が低い順に早取りで決定する。この手番順、もちろん早い方がそのラウンドのアクション全てを先に行うことができるため有利になるのだが、その分アクションのコストが上がり、時にはアクションポイント自体を1ポイント失うこともある。そこで自分のおかれた状況に応じて、欲しい手番順をドラフトしていくのだ。
この手番順の決定には「弟子を何時に起こすか」というフレーヴァーが割り当てられているのが何とも愉快だ。あまり早く起こすと弟子の機嫌が悪くなり、仮病を使って休んでしまう。そしてオペラに連れて行くと、機嫌を直して戻ってきてくれる。ゲームの舞台は中世なのに、プレイヤーはまるでZ世代の若者を部下に持つ管理職のようでもある。
ラウンドの頭に手番順を決めたら、衝立の内側でアクションポイントを各アクションに振り分けていく。アクションは絵の具の購入、フレスコの修復、肖像画描き(ただの金策)、絵の具を混ぜる、劇場(ただの弟子の機嫌取り)の5つ。このアクションの種類を見ただけで、大体何をするゲームかわかっちゃうシンプルさだ。
絵の具を買って、混ぜて様々な色を作って、それを使って修復すれば得点となり、あとは絵の具を買うお金を稼ぐのと、弟子を早起きさせるかわりにオペラに連れていく。どうせそんなところでしょ、と。そう思ったそこのあなた、その通り!
ゲームシステムにおいて捻ってある部分で目立っているものでは、得点トラックが挙げられる。複数のプレイヤーは得点トラックの同じ場所には留まることができないという、戦略ゲームとしてはなかなか珍しいシステムを採用している。もし同点になったら、その手前で止まるか、追い越して次のマスで止まらなければならない。
じゃあ当然前に行くでしょ?というと、それはそうでもない。前述の通り、得点の低いプレイヤーから手番順を選べるからだ。手番順の選択はかなり重要で、トップを独走してそのまま逃げ切るのはこのゲームではかなり難しい。
程よくしゃがんで、一気に出し抜く。これがこのゲームのコツである。
話を戻すと、このような捻りが一応あるにはあるのだが、得点要素は多くないし、お察しの通りめちゃくちゃシンプルな構造となっている。アクションプロットの駆け引きは確かに面白いが、薄味といわれれば薄味、まるでチーズとオリーブオイルだけが載せられたピッツァのようだ。
だがご安心あれ。「フレスコ」には3種の拡張が付属している。これらはさしずめニンニク、トマト、バジルといったところだろう。小さな契約のようなシステムが加わる「司教の要望」、肖像画描きのアクションで様々な特殊効果が得られる「肖像画」、更なる上級色が登場する「特別色」がそれである。特に肖像画と特別色は最初から導入することをお勧めする。
これらはプレーンのピッツァをマルゲリータにアップグレードしてくれる。ピッツァマルゲリータが発明されたのは19世紀。これらの拡張モジュールは、16世紀から300年も先に我々を連れて行ってくれるのだ(大袈裟)!
さて、ここまで長々と書いたが、全ては前置きである。本作「メガボックス」はなんせメガなので、無印とは訳が違う。もちろんコンポーネントが豪華になった点も見逃せないが、特筆すべきはなんと17種もの拡張が同梱されていることだ。
無印は拡張が3種だから、2の3乗、つまり8通りの遊び方ができる。これだけでもなかなかのボリュームではあるが、17種となるとどうなるだろう。2の17乗(約13万)だ。肖像画と特別色を固定したとしても、2の15乗(約32,000)の遊び方が可能なのだ。
弟子が彼女を見つける拡張やカタコンベを探索するような拡張もあり、その内容はルールブックを見ているだけで楽しめる。
しかし大きな問題が残る。様々なトッピング(拡張)を試してみたくなる一方で、その組み合わせがたくさんありすぎて、一体何を導入すれば良いのか全くわからないのだ。ルールブックをワクワクしながら読んだ後、あなたは途方にくれてこう思うだろう。
「とりあえず肖像画と特別色入れてやってみるか」と。
そして永遠にその2つの拡張で遊び続けることになる。しかしそれではあまりにも勿体無い。
そこで先日、非常に参考になりそうな記事を見つけることができたのでシェアしたいと思う。かくいうわたしもまだあまり拡張を試せていないクチなので、これを参考に色々試してみたい。
その結果「やっぱピッツァはマルゲリータやな」となるのかもしれない。しかし本当にそう思えるのは、マリナーラやカルツォーネ、クワトロフォルマッジやペスカトーレを一度は食べてからこそだと思うし、本作はそれを可能にしてくれるのだ。
もし素晴らしいレシピが見つかれば、是非共有していただきたい!
- 投稿者:
山本 右近
- 23興味あり
- 24経験あり
- 12お気に入り
- 17持ってる
| 舞台の時代背景 | |
|---|---|
| 地域や文化圏など |
| 移動に関する仕組み | |
|---|---|
| 得点や資源等の獲得ルール | |
| 行動に関する仕組み |
| 運・確率 | 0 | |
|---|---|---|
| 戦略・判断力 | 1 | |
| 交渉・立ち回り | 0 | |
| 心理戦・ブラフ | 1 | |
| 攻防・戦闘 | 0 | |
| アート・外見 | 1 |
レビュー 2件
リプレイ 0件
戦略やコツ 0件
ルール/インスト 0件
掲示板 0件
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