- 2人~4人
- 20分前後
- 10歳~
- 2023年~
ペニーブラック荏原町将棋センターさんのレビュー
切手ボードゲーム。珍しいダブルセットコレクションです。
普通は一人1つの面でタイル配置をしますが、このゲーム、「2つの」面でタイル配置をし、セットコレクションを構築します。
切手を貼るアルバムは左右2ページあり、コレクターのあなたは、それぞれのページで、こだわりの展示、整理を行ないます。
ゲームスタート時に、色価値に関するコレクターカードや配置位置のセンスに関するコレクターカードがそれぞれ1枚ずつ、一つのページに充てられます。このセットが2ページ分、つまり、左右でのべ4枚のコレクションの条件が定められます。
↑ 分厚いスタンプアルバム。中はレイヤー構造で、切手は紙製ではない。
人数+1個分のマーケットシートに3枚ずつ切手が置かれ、スタピーからそれぞれシートを選び、3枚の切手を買います(貰います)
すぐに自分のアルバムにその3枚を貼るのですが、2つのページに分けて貼っても構いません。切手は、以前置かれた切手に接するように置かなければなりません。
ルールは以上です笑
↑ 普通に5つ並べてもよいが、「アズール」のようにマーケットシートを置いてみた。右上にあるのがペニーブラック。ラウンドマーカーの印鑑は、本当にゴム製だった。
全10ラウンド。VPは、4枚の条件付きVPコレクターカードと、ペニーブラックです。
ペニーブラックVPは、終了時、ペニーブラックと接している一般切手のうち、最も多い色の数×2VP。例えば、4枚の赤い切手と接しているペニーブラックは、8VPとなります。
一般切手は5色、サイズも、2×2の正方形、2×3の縦長、横長の3種類あります。
ペニーブラックは、一般切手115枚に対して、例えば2人プレイの時はたった6枚しか使いません。袋から引かれてマーケットシートに現れた時は、3枚のうちの残りの2枚を袋に戻し、単独でシートに置かれます。
アルバムには、左右のページに3個ずつスタートークンが置いてあります。この上に切手を貼ると、そのスターが貰え、コストとして使うことで追加アクションができます。
スター1…マーケットシートを選ぶ寸前に、切手を2枚交換できる
スター1…貼り終えたアルバムの切手1枚を剥がし、移動できる
スター2…袋からランダムで一般切手を引き、即座にアルバムに貼る
スター3…袋からペニーブラックを取り、即座にアルバムに貼る
↑ 白のコレクターカードは、色価値の条件が多い。白カードは同じ目標が敢えて2枚ずつあるので、他プレイヤーと目標の色が被る場合もある。黒のコレクターカードは、配置位置の条件が多い。この写真のVPは、ペニーブラックを3枚入手できたので、右ページ上8VP、下6VP、左ページ10VP合わせて24VP。4枚のコレクターカードと合わせて計65VPとなった。3〜4割をペニーブラックVPが占めている。
このような軽ゲーは、ソロプレイ感という問題がよくつきまといます。しかし、「アブストラクト」(公開)という秀逸なメカニクスがそれを阻止します。全プレイヤーの目指す目標カードが見えているので、シートドラフトの際、それを考慮できます。これが非公開ですと、当然自分のことだけを考えたドラフトとなります。即ちソロプレイです。
コレクターカードの決め方も、スタート時、白黒3枚ずつ引いた後、一枚ずつ捨て、自分で白黒セットを2つ作ります。本当の切手コレクターのように、自分の嗜好は自分で決めます。このような「選択肢」があることで運要素は無くなり、また、アズールと同じ公開ドラフトにより、再び選択肢があります。
なので、露骨にレア度の高い白黒カードコンビをセットされ、都合の良いドラフトばかりさせると、大量点が入る恐れがあります💦。他プレイヤーのカットを考えながらシートを選ばなければなりません。ペニーブラックVPよりカードVPの方が強い場合も多いのです。
また、逆に言うと、左右どちらかのページを敢えて弱くし、一ページだけを主得点源にする手があります。弱いページの方に、無意味な切手を貼っていくというイメージです。
たった3枚の配置の軽ゲーですが、ダブル配置&ダブルセットコレクションシステムになると、途端に長考してしまうゲームです。説明書には、「シートを選んだ後の配置は一人一人待たずに、全プレイヤーがシートを選んでいる間、ずっーと考えていてOK」とあります。
アズールのような細かな得点戦略はありませんが、テーマがはっきり(切手)していて、そして、徹底したコンポーネントデザインも没入感を深めてくれます。
※ レビューにご感想・ご不明な部分等ございましたら、ご遠慮なく下にコメントください🙂
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