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  • 1人~4人
  • 90分~150分
  • 12歳~
  • 2017年~

グルームヘイヴン真夏。さんのレビュー

738名
5名
0
8ヶ月前

グルームヘイヴンは一般的なボードゲームとは一線を画する、まさに「人生で何度も遊ぶことを前提とした」超大作です。その世界観、ゲームシステム、ボリューム、全てが常識を超えており、ボードゲーム好きなら一度は耳にしたことのある名作だと思います。今回は実際にプレイした体験をもとに、その魅力と注意点を丁寧にレビューしていきます。


 荘厳で重厚な世界観に引き込まれるゲーム内容 

グルームヘイヴンの舞台は魔法と剣が共存するファンタジーの世界です。プレイヤーはそれぞれ異なる目的を持つ傭兵となり、街や荒野、ダンジョンなどさまざまな場所を冒険していきます。物語は複数のシナリオで構成されており、プレイヤーの選択によって進行ルートや結果が変化していきます。この“選択によって未来が変わる”という体験が、まるで本当にその世界に住んでいるかのような没入感をもたらしてくれます。

各キャラクターにはバックグラウンドが設定されており、自分の目的を達成することで物語から引退するという要素もあります。このような設定があることで、ただの協力ゲームではなく、個人としての成長や物語の深みを感じられるのも魅力です。


 カードを使った独自の戦闘システムが新鮮で奥深い 

グルームヘイヴンの戦闘は一般的なボードゲームによくある「サイコロを振って攻撃成功判定」という方式ではありません。代わりに使われるのがカードをベースとしたアクションシステムです。各プレイヤーは自分の手札から2枚のカードを選び、それぞれの上部と下部のアクションを1つずつ使用するという仕組みになっています。

たとえば「移動」と「攻撃」を組み合わせたり、「回復」と「範囲攻撃」を組み合わせたりと、戦略の幅は非常に広く、単純なバトルの繰り返しにはなりません。さらに行動順を決定する“イニシアチブ”の概念もあるため、敵味方の動きを予測しながら行動を選択する必要があります。カードを消耗していくと手札が尽きてしまうため、単純に攻撃すれば良いというわけではなく、持続力や回復タイミングなど先を見据えた戦術が求められます。


 キャンペーン方式とレガシー要素が生む“唯一無二の物語” 

グルームヘイヴンの真髄ともいえるのがレガシーゲームとしての側面です。レガシーゲームとは、プレイの結果がゲームに永続的な変化を与える形式のことで、たとえばマップにシールを貼ったり、カードを封印したりといった要素があります。つまり一度プレイしたら後戻りできない「一度きりの物語」が展開されるのです。

物語が進むごとに新しい街が登場したり、キャラクターが成長したりと、目に見える形で世界が変化していくため、プレイヤーはまるでRPGゲームの中に自分の冒険の足跡を残しているかのような感覚を味わえます。この長期的な成長と変化こそがグルームヘイヴンを他のボードゲームと一線を画す存在にしています。


 一方で注意したい点もいくつかあります 

このゲームは素晴らしい反面、やはり注意すべき点も存在します。まず価格が非常に高額です。完全日本語版はおよそ33,000円と、ボードゲームとしてはトップクラスの価格帯に位置します。さらにコンポーネントが非常に多いため、初回の開封・整理・セットアップにかなりの時間がかかります。

またルールが非常に複雑で、ゲームブックは50ページ以上にもおよびます。最初はルールを覚えるのが大変で、正直に言って「初心者にはややハードルが高い」と感じました。

加えてゲームの進行自体もゆっくりです。キャラクターが成長するには何時間ものプレイが必要で、すぐに成果が見えるわけではありません。腰を据えて長期間遊ぶ覚悟がないと途中で飽きてしまう可能性もあります。


初心者には段階的な導入がおすすめです

もしグルームヘイヴンに興味があるけれどいきなり本作に挑戦するのは不安という方には、いくつかの選択肢があります。まずは「獅子のあぎと」というスタートセットを使う方法です。これはグルームヘイヴンの世界観やシステムを簡略化して楽しめる入門版で、価格も手頃なので試しやすいです。

またデジタル版の存在も忘れてはいけません。PC版ではルール処理が自動化されており、物理コンポーネントの準備が不要です。1人でも気軽にプレイできるためルールを覚える手段としても最適です。

加えて事前にルール解説動画やレビュー記事を読むことで、ある程度の予備知識を得ておくと実際のプレイ時にかなりスムーズになります。仲間と一緒に遊ぶ場合でも1人がある程度ルールを把握していればゲーム進行が格段に楽になります。


 総合的な評価とおすすめしたいプレイヤー層 

グルームヘイヴンはプレイ開始までのハードルが高いことは確かですが、それを乗り越えた先には今まで味わったことのないような没入型の体験が待っています。プレイヤー一人ひとりの行動が世界を変え、その物語がプレイヤーごとに異なる展開を見せる──そんな唯一無二の体験ができるボードゲームはそう多くはありません。

「物語を自分たちで紡ぎたい」「戦略を練るのが好き」「仲間と長期間の冒険を楽しみたい」という方には、このゲームはまさにうってつけの一作です。一方で「すぐに盛り上がるパーティーゲームが好き」「準備に時間をかけたくない」という方にはやや不向きかもしれません。

いずれにしてもグルームヘイヴンはボードゲームという枠を超えた、一つの壮大な冒険体験そのものです。興味のある方はぜひ一度その重厚な世界を味わってみてはいかがでしょうか。

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