故宮荏原町将棋センターさんのレビュー

役人に賄賂を渡し、明の13代皇帝、隆慶に謁見するゲームです。

4枚の手札を1枚ずつ出すだけで、それを4ラウンド行い終了です。

同作者の「シュタウファー」「ハンザテウトニカ」と比べて、バランスが良く、時間もさほど掛かりません。

「7つのアクションスペースに置いてあるカードの数字より大きな数のカードをプレイしていく」というインストをすると、かなり誤解が生じます。どちらかと言うと、「小さいカードで大きなカードを切っていく」ゲームです。

今、この旅アクションをする場合、4で3と交換できます。

しかし、これは悪手で、写真右上のダイスボーナスの4(しかもダブル)を無くす行為で、次のプレイヤーが喜んでこのカードを取ってしまうでしょう。ここは、4を自分の捨て札にし、2で3を切り、アクションします。

(自分の捨て札にすると、次ラウンドの自分の手札になります)

このように、1枚を犠牲にすれば、小さな数でも大きな数と交換し、アクションすることができます。ダイスボーナスの4も自分の捨て札に入ります。

(ワーカー駒を2つ捨てても大きな数が切れますが、これはかなり勿体ないので、最終ラウンド、駒が余った時に使う技です)

カード1枚つまり1アクション分減るので損なのでは？と思われますが、このゲーム、トータルのVPがかなりデフレーションで、毎ラウンド終了時に貰う『ダイスボーナスが大きい』のです。3VPが入り、おまけに隆慶に1歩近づくことができます。さらに、次ラウンドの追加ワーカー駒も、ダイスボーナスの数だけ貰えます。

もう一つの例。この布告アクションをする場合、2と8どちらでも8とは交換できません。なので切るしかないのですが、この場合も、8を捨てて2で切ります。2のカードはカードアクション(万里の長城)が付いているからです。8の方は何もありません。つまり、この一手で万里の長城と布告の2つのアクションができます。

ゲーム最大のVPは、翡翠を5つ集めて15VP。布告アクション(ボーナスタイル)が大体6〜10VP。ボードに落ちているのは、運河アクションに4VP、旅アクションに2VP、万里の長城アクションに3VP&謁見1、そして前述したダイスボーナス3VP&謁見1。

なので戦略としては、翡翠5は確実にやりたいところです。ただ、ワーカー4駒以上で買うのは避けたいです。

あとは、序盤、何を優先するか。

手札が1枚増えたり、ワーカー2人分になる2倍駒が手に入る運河アクションを急ぐか、

7以上のカードを捨てれば翡翠1など、おいしい旅アクションを急ぐか、

マジョリティー争いとなる万里の長城アクションを繰り返すか。

そして最終ラウンドまでに、布告ボーナスを最低1枚は取っておきたいです。

旅アクションは、取った旅タイル2つで1ワーカー駒になったり、6つ集めると1翡翠になったり重宝します。

何からやっていいか分からなくなったら…

■ダイスボーナスナンバーのカードがある所でアクションをする

■相手に先に取られたくないアクションをする

■優先がないときは基本、小さな数からアクションをする

■一番大事な謁見アクションはできるだけしない！

隆慶に謁見できないと、その瞬間に負け確定ですが、「カードアクションや万里の長城やダイスボーナスなどのおまけで1歩ずつ近づく」、これが効率的です。謁見がギリギリ間に合わなくなりそうな時は、最終ラウンドに謁見アクションすればよいのです。効率重視のためには賄賂優先。隆慶にはゲーム終了ギリギリまで謁見しない、という際どいやり方で攻略したいです。