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  • 1人~4人
  • 80分~130分
  • 12歳~
  • 2024年~

ガリレオ・ガリレイR(アール)さんのレビュー

506名
7名
19日前

ロンデルが描く天体の軌跡。その先に待つのは発見か、異端の烙印か――知的な駆け引きが光る「ガリレオ・ガリレイ」

# Good

  • 天文学テーマとロンデルの仕組みが上手くマッチしている
  • 適度な複雑さでテンポよくプレイすることができる
  • アクションが連鎖すると気持ちよさがある

# More

  • 現代ユーロの要素を寄せ集めたような構成で、印象がやや薄い
  • 異端審問要素が戦略上の選択肢を制限しすぎてプレイに気持ちよさがない
  • ロンデルの順番が重要だが、そこが個人ごとにランダムだと最初から運要素が強く感じてしまう
  • 場に出るカードによっては攻略状態になり、プレイ時間が想定より長くなり後半はダレ気味になる
  • 後半になってもアクションの強さは大きく変わらないため同じことの繰り返しに感じる
  • 個人能力の強弱差が大きいように感じた
      →ヴァリアントで勝利点でオークションにするなど工夫が必要

# 感想

## ロンデル

メインアクションは天体望遠鏡をモチーフにしたロンデル方式。ここがテーマと自然に結びついていて、プレイ中の没入感を強く感じました。  

使用したタイルを一定のエリアに移動させる仕組みのため、同じタイルを連続して使えず、行動のバランスを取る必要があります。タイルの順番を調整して自分の思い描いた流れを作る過程には独特の心地よさがありました。

一方で、初期配置がプレイヤーごとにランダム(※)だったため、理想的な並びを引いた人が有利になる場面も見られました。全員を同じセットアップにすることで差はなくなりますが、その場合は動きが似通ってしまいます。  

※今回はインストを受けてのプレイだったため、もし推奨ルールでなければご容赦ください


## 異端審問

上手く活用すれば得点につながる要素ですが、体感としては多くの場合マイナス方向に働きました。異端審問官に関連するトラックや惑星に触れるとリスクが高く、手を出しにくい印象です。最終手番でミスしなければ全員をトラック終端へ送ることはできたものの、そこに達成感というより「やらされている感」が残りました。

ただ、何度も遊んでいるプレイヤーはこの部分を活かして得点源にしていたので、慣れれば楽しさが見えてくる可能性はあります。最初のうちは抑圧的に感じる仕組みでも、経験を積むことで戦略性が増していくのかもしれません。


## 個人能力

初回プレイでは個人能力ありで進行しましたが、ここは明確にバランス差を感じました。  

各キャラクターの印象は以下の通りです。

  • ガリレオ・ガリレイ:安定しているがやや地味
  • ニコラウス・コペルニクス:同じく地味で影が薄い
  • ヨハネス・ケプラー:突出して強力
  • ジョルダーノ・ブルーノ:扱いが難しい

特にケプラーはロンデルのタイルを移動できる能力を持ち、ゲームの中核となるシステムを直接操作できるため、優位性が明確でした。今回のプレイでもケプラーを担当したプレイヤーが大きく差を付けて勝利しており、この能力差が勝敗を左右する印象を受けました。

そのため、ロンデルのセットアップを統一しても、個人能力の差で結局スタート時点から有利不利が生まれるように感じました。ゲームの構造上、盤面での差が大きく出にくいだけに、初期条件の影響が強く残ります。慣れたプレイヤー同士であれば勝利点オークションなどで調整できるかもしれませんが、一般的な環境ではそこまで深く遊び込む人が集まるのか疑問です。


## ミニゲームの集まり

ロンデルを軸に複数の要素を組み合わせていますが、それぞれが緩くつながっている印象でした。  

個々の仕組みはそれなりに面白いものの、全体として「ミニゲームの集まり」に感じられる場面が多かったです。アートワークの統一感は素晴らしいものの、テーマとの結びつきが薄く、ゲーム的な一貫性にはもう一歩踏み込みが欲しいと感じました。  

歴史的背景を知っていれば印象が変わるのかもしれませんが、少なくとも私の知識ではロンデル以外のシステムとテーマが強く結びついているとは感じられませんでした。


## 総評

ロンデルのアートワークとテーマの融合は大きな魅力でした。プレイ中、天体観測をしているような感覚を味わえたのは印象的です。  

一方で、それ以外の要素はテーマ的な没入感に乏しく、どこか機械的な印象を受けました。初期配置や個人能力のバランスによっては、最初から勝敗の方向性が見えてしまうのも惜しい点です。

共通セットアップで数回は楽しめそうですが、プレイを重ねるほどに展開が読めてしまうタイプだと感じました。長く繰り返し遊ぶというよりは、ロンデルシステムを体験する短期的な楽しみ方が合っているように思います。

拡大再生産ではないものの序盤から終盤までアクションの派手さに変化が乏しいため、2回目以降は特に後半は中弛みしそうな印象もありました。

テーマの表現やロンデル部分には光る要素があり、そこを体験するだけでも一度は遊ぶ価値がある作品です。SETIのデザイナーと言うことで期待していた分、全体のバランス面では少し肩透かしを感じましたが、「ガリレオ・ガリレイ」という題材と天体望遠鏡のロンデルを組み合わせた点は記憶に残るものでした。


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