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  • 1人~4人
  • 30分~60分
  • 14歳~
  • 2025年~

ハウス・オブ・ファドチャンコスズメさんのレビュー

97名
5名
0
3ヶ月前

ポルトガルの料理と伝統音楽「Fado」のステージがあるレストランを経営して、誰よりも高い得点を得る中量級のゲームです。

押し出し式の変則的なワーカープレイスメントが独特な味わいとなっており、なおかつボード全体のステキな雰囲気も相まってとても好みの作品でした。

※Tabletopiaで、かつ対人ではなく1人3人役で遊んでみた感想であることをご了承ください。

ゲームの特徴

プレイヤーはレストランの経営者です。レストランの評判を上げたり、ミュージシャンを雇用して彼らの名声を高めたり、またポルトガルの伝統音楽「Fado」を作曲したりします。

ちなみにFadoというのは、ポルトガルにおける演歌みたいなものらしいです。
ポルトガルでは、レストランにミュージシャンがいるのが一般的なんでしょうかね?

システムはワーカープレイスメントです。
3つの自分のワーカーを置いてアクション、という点はよくあるやつですが、既に他のプレイヤーのワーカー(自分のコマは不可)がいる場合でもワーカーを置けるのが特徴です。
押し出されたワーカーはキックアウトスペースという場所に移動し、小さなボーナスがもらえます。

「あのアクションをしたいけど、ボーナス与えちゃうんだよな~今はまだやめとくか」といった感じで、「他人のワーカーがどこにいるのか」を常に意識する面白いインタラクションを感じます。

主な目的①:音楽家を雇って名声を高める

自分のレストランでは、クラシックギター奏者・ポルトガルギター奏者・歌手の3種類のアーティストを雇えます。通りからお客さんを呼び込んで「レストランの閉店」アクションをすると、アーティストたちの名声を高めることができます。

アーティストは、自分のレストランに留めてスターになるまで育成しても良いですし、勝利点を得るために看板奏者として送り出すこともできます。

看板奏者は、何人送り出したか?でマジョリティ争い。スターアーティスト育成は名声を最大に高めると、高勝利点の「☆トークン」がもらえます。 

音楽家の育成がゲームにとって重要な勝利点となるため、プレイヤーの目標の1つとなります。

主な目的②:レストランの発展

レストランの評判を高めると、より多くのお客さんを呼び込めます。これにより、お金もたくさん手に入るようになり、アーティストの名声もますます高めやすくなります。

また、レストランの評判をマックスまで高めると「☆トークン」がもらえます。

主な目的③:ファドの作曲

ゲーム中、アーティストを雇うと楽譜トークンがもらえます。指定の楽譜トークンを支払うと作曲することができ、勝利点になります。3つ作曲すると「☆トークン」がもらえるほか、ゲーム終了時にも勝利点 がもらえます。

ゲーム終了条件:☆トークン3つが取得された時

全プレイヤー合計で3つの☆トークンが取得されると、ゲーム終了トリガーとなります。

ゲーム中に得た勝利点に加えて、☆トークンの数に応じた勝利点、作曲数に応じた勝利点、看板として宣伝したアーティストでのマジョリティ争い、アーティストの名声、などなどを合計してもっとも勝利点の多いプレイヤーが勝ちです。

良かったところ

ノスタルジックなアートワーク、音楽というテーマが魅力的

雰囲気がとても好みですね~

夕闇が忍び寄ってくる夜のレストラン、そこに鳴り響くノスタルジックな演奏。プレイしていると、まるでポルトガルの情景に入り込んだようです。

それから音楽というテーマが良いですね! 演奏したり作曲したり、アーティストとして有名になったり、というのが楽しい。

レストラン経営者のはずなんですが、メインテーマはレストランよりも音楽寄りですね笑

プレイごとにやることが大幅に変わる・・・わけではありませんが、他プレイヤーの出方に合わせて伸ばす方向性を変える楽しみがあります。とはいえ、特化しようとしてもある程度は全体的にやることになるのかな。

プレイヤー全員で☆3つを取ることが終了条件なのですが、意外とすぐに終了フラグが切られるので、ゲームが長引きすぎないのが好印象。多分1時間前後といったところだと思います。程よい中量級といった重さですね。

プレイ感はどちらかというと地味? というか、淡々と細かく積み重ねていくゲームです。押し出し式のワカプレが新鮮な味わいですが、ゲーム中は細かいインタラクションを交わしながら もらえるボーナスは少しずつなので、派手ではないかなという印象。
ボーナスを与え合うだけで相手を邪魔する要素はあまりありません。「あーうまくやられたなー」とか「うーんうまく立ち回れなかったなー」というような感想が出てきます。

レストランが拡大したりお客からもらえるお金が増えたりアーティストが育ったりと、成長要素があってだんだんと大きな動きも出てきます。テーマとアクションがわかりやすく融合しているので、自分のお店を発展させていく作業が楽しめました。

ゲーム中は他プレイヤーの動きをにらみながら、なるべく自分の益になるように、かつ相手に益を与えないように、比較的淡々と進みますが、ゲーム終了時にどかんどかんと点が入ります。なので決して地味なまま終わらないですし、最後まで勝敗を読み切れないのも好きなポイントです。

今一つなところ

良くも悪くも? ちょい地味っぽいところですかね。やることはワーカーをあっちからこっちへ、こっちからあっちへ、と動かすだけですので。レストランが発展するともらえるお金も多くなったりと、決してずっと地味ではないはずなんですが、なんか、振り返ってみると少し地味な印象が残るという感じです。

あと、全然検証できているわけではないのですが、先行が有利な気がします。戦略が被ると、常に先行が先手を取ってボーナスも取りやすくなるので、逆転が難しそうな印象です。

ボードの色合いがめちゃくちゃ好みなのですが、ミープルの色と被ってやや視認性が低いのは、プレイしにくさにつながりそうです。

プレイヤー人数が減ると、押し出しでもらえるボーナスが減るため、プレイ人数によってかなりプレイ感変わりそう。2人プレイだと押し出しが減ってやや寂しいプレイ感になるようです(ただし、私はまだ2人プレイしたことはありません )。そのため、2人プレイ用ルールがあるようですね。3-4人ベストですね。

まとめ:雰囲気を楽しみながら

中量級のボリュームで、テーマに浸って楽しめる良いゲームだと感じました。 

「長年育ててきた歌手が、スターになって羽ばたいていった!」
「うちのレストラン、新しいテーブル買ったんすよ」
「もう経営はいいや、僕は作曲家路線だから」

などなど。ノスタルジックな音楽をBGMに、ローカルなレストランを経営する、好みの雰囲気です。

実物でもやりたいなあ。


ほぼ同じ内容のレビューですが、写真を交えてより雰囲気が伝わりやすいレビュー記事をブログに掲載しています。


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チャンコスズメ
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