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  • 1人~100人
  • 30分~45分
  • 10歳~
  • 2019年~

カートグラファーBluebearさんのレビュー

297名
10名
0
3年以上前

人気のボードゲーム『ロールプレイヤー』のスピンオフ的な位置づけの別作品。今回は王国内の領地の《カートグラファー(地図製作者)》となって、領地の地図を実際に描いていき、どれだけ女王の勅令に沿った領地を作れたかによって勝利点が決まり、それによって勝者がきまる、という内容です。

ドイツ年間ゲーム大賞2020のエキスパート部門にノミネートされましたが、惜しくも『ザ・クルー』に受賞を奪われてしまいました。

パッケージには異種族(?)の地図製作者であろう渋いおじいさんが描かれていますが、渋すぎるのでもうちょっと色気のあるオネーサンとかにしておいて欲しかったかな。笑

■紙とペンを使って、実際に描き込む形式のゲーム

内容には、基本となるカード類(40枚弱)の他に、たっぷり100枚の記入用紙(B6サイズの多色刷り)と鉛筆4本が入っています。

共通で使うようなゲームボードや、コマ類はいっさいありません。

記入用紙にはまだほとんど白紙の領地地図が印刷されており、裏表で難易度の異なる両面仕様となっています。(こういう計らいはゲームバリエーション的に嬉しいですね)

遊び心があってナイス!と思ったのは、各自自分の地図を使うのですが、オリジナルの《領地の名称》と《紋章》を描くことができるようになっています。(おかげでウチのチームは、あーだこーだと紋章デザインに凝り始め、なかなかゲームが始まりませんのでご注意ください。ちなみに勝敗には全く影響しません。笑)

さらに言うなら、ゲーム終了後に自分が作り上げた領地地図を記念に持ち帰ることもできるのは、ビギナーには嬉しかったらしいです。

■対応人数は1人から何と100人!

ゲーム進行は、共通のカード指示に従って全員が一斉にやるので、別に何人いようがやることは変わりません。そのため人数が増えてもプレイ時間にも影響はありません。

パッケージに100人と表記しているのは、記録用紙が100枚しか入っていないからなので、カラーコピーして増やせば理論的にはいくらでも増やせます。

(そのわりにコンポーネントには鉛筆が4本しか入ってないのはなぜだ! って…コストだよね、笑)

もともと私たちはこのゲームの発売情報を聞いて、楽しみにしていましたのです。ウチのグループは、ふだんのゲームの呼びかけに対し多い時は7~8人になることもあるのですが、ビギナーも多いのでなかなか卓を分けることが難しく、ゲーム選定に苦労していたので、この人数対応は本当にありがたい。(最近の4人対応ゲームは、購入を断念することが増えました。泣…)


■おおまかなゲーム内容について

ゲーム進行は、春・夏・秋・冬の4つの季節ごとに区切られていて、1年が完了したら最終得点を計算して勝敗が決まります。

各季節には16枚ある《探索カード》を1枚ずつめくっていき、《土地の種類》と《大きさと形》が指定されるので、各自は自分の地図上の未記入の場所に好きなように描き込んでいきます。(このとき指定された形は、回転させても反転させてもOKです)

《探索カード》には0~2ポイントの数字が書いてあって、季節ごとに指定された上限(春ならば8ポイント)を越えた時点で得点計算です。

ゲームの初めに4種類の《得点カード》が別に公開されており、得点を得る方法がいろいろ決定されます。(これは16枚あって基本的にランダムです。)このうち各季節ごとに2種類が指定されるので、この条件に沿って得点を集計する、という作業を4季節繰り返すわけですね。(地図の端に隣接した森1マスにつき1点とか、水辺と農地が接しているならそれぞれ1マスにつき1点とか、さまざまです。)

最初はどこにでも描けるので、どこに描いていいやら全然わかりませんが、だんだん空白が埋まってくるので後半きつくなってきます。

プレイヤーは、《どうやったら点数がもらえるか》が最初から分かっているので、それを念頭において領地のデザインを決めていけばいいのです。

…で、これだけだと平和なソロプレイ系ゲームですよね。

ところがどっこい、ここから他プレイヤーとからみます!

《探索カード》の中には一定枚数の《怪物の待ち伏せカード》という凶悪なものが混じっており、これが出たら何と!記入用紙を指定の隣プレイヤーに渡し、そのプレイヤーは地図上に邪魔な怪物の土地を記入するのです。もちろんどこに描いてもOKなので、基本的に相手が嫌がる場所、高得点を狙っているであろう場所に描いて、思いっ切り妨害ができるのです♪これ楽しい♪

これによって計画が大きく狂うだけでなく、この怪物エリアは除去できず、各決算時に隣接した空白地帯が残っていると減点の対象になってしまう!という2重の凶悪さです。

このような直接攻撃に近いアクションがあるのが特徴なので、こういった露骨な妨害が苦手な人には要注意です。(もちろん日頃から慣れっ子の我々は大歓迎。むしろこれが無かったらピリッとしないソロゲームとしてお蔵入りになっていた事でしょう。やっぱりゲームは《生身の人間》とからんでナンボです。)

これが出るたびに
「きゃー!やっぱり出た出た!お願いかんべんして~!」
「えへへ、ほらほら地図を貸しなさいよ♥」
「げ!こっち廻りかよ!」
「ふふふ、どうしようかなぁ~(ニコニコ)」
「よしよし、ここに描いちゃうもんねー」
「きゃー!!よくもやったわね!絶対許さないから!」
「おお、〇〇ちゃんを敵に回すとは、なんと恐れ知らずな、笑」
「え?そうなの?」「(一同爆笑)」
…といった展開でした。

■補足①

このように楽しいゲームですが、大人数でやるとテーブル真ん中においた《得点カード》が見えなくて、読み上げても「え?え?どういうこと?」となることが多く、結局回し見をすることになり、けっこう時間を食います。(カードの説明文も活字が小さく、また表現が直訳に近いので、一読ではスッと頭に入ってきませんでした。)

また《探索カード》も、回転・反転がすぐに分からずに、各自がカードを手に取って向きを変えたり回したりするので、ここでも少し時間がかかってしまいました。(慣れれば早くなるんだろうけど)
ちなみに向きを変えるのはカードを回せばいいのですが、図形の反転もOKなのですがこれが分からなくて悩んでしまうプレイヤーが意外にいるのは驚きです!(みんな数学の図形の勉強ぐらいしておこうね)

おかげで初回8人プレイでは、紋章描き・ルール確認・プレイを全部入れて何と90分近い時間がかかり、予定していた「もう1回」ができませんでした。

初回プレイ時にはご注意ください。

(次回までにはルールブックのカード説明10・11ページを全員分コピーしておこうと思います。)

■補足②

幸いにして今回は使えるカラーコピー機が近くにあったため、記入用紙をもとのB6サイズから、倍のB5サイズに拡大して行いました。けっこうゆったり描けていい感じです。

また、黒の鉛筆のみで描いていくとどうしても完成していく地図が地味なので、今回はカラフルなサインペン・ボールペンを駆使して記入してみましたが、やっぱり白黒と比べると圧倒的に臨調感が違うのでおススメです!!(ただしミスによる書き直しができなくなるので初心者やそそっかしい奴には注意が必要です。

怪物エリアを赤ペンで描くだけでもだいぶ印象は変わると思います。


このように我々には結構楽しいゲームでしたので、また時期を見て出そうと思います。

実は本家の『ロールプレイヤー』は未経験なのですが、非常に評判もいいし、今回オマケのカードも付いていたりするので購入するかどうか悩んでいます。(でも4人用なので…たぶん今のところ出番はないかな、ごめんなさい!泣)

あと、このゲームをやっていると、似た傾向のゲーム『キングダムビルダー』を思い出しました。(わかる人にはたぶんわかる)

補足③

東急ハンズで、小さなスタンプを見つけたので、その中の「怪獣」というやつを、モンスターの記入代わりに使ってみましたが、大きさもちょうどよく、色もぴったり赤なので完璧です!(税込み145円)
思わず3個いっぺんに購入しちゃいました。

これおススメです!!

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