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  • 2人用
  • 30分~90分
  • 2024年~

NORAD3:米ソ戦略核戦争Bluebearさんのレビュー

55名
1名
0
8日前

おそらく僕が知る限り最も簡単に熱い対戦が楽しめる《戦略核戦争》ゲームです。

シミュレーションウォーゲームと言うと《難しい》《時間がかかる》というイメージがあるようですが、このゲームは驚くべきことに《ファミリーゲーム並みに簡単》《軽ゲー並みに30分程度で終わる》という驚異のスペックを誇ります。

すごいじゃないですか!

それを知り、早速注文しプレイしてみました。

◼️このゲームのなりたち

個性的なシミュレーションウォーゲームを出版しているBONSAI GAMESの、本格的ゲーム付き雑誌BANZAIマガジン第22号の付録です。

元々は1973年にアメリカのConflict Magazine付録だったものが改訂されて出版されたものです。

これが半世紀ぶりに全面改訂されて日本のゲーム雑誌に日本語版として掲載されました。(バージョン3なのでタイトルがNORAD3なのですね)

このBANZAIマガジンは本当に豪華で、コンポーネントはボックス入りウォーゲームと遜色ない内容で、価格的にも大変お得感がたっぷりですね。

◼️テーマは冷戦時代の戦略核戦争!

舞台は1962年、冷戦真っ只中にあった2大大国、アメリカとソビエト連邦が睨み合ったキューバ危機。フルシチョフがついに全面戦略爆撃を決断!核弾頭を搭載した大量の戦略爆撃機をアメリカ大陸に突入させた!という年配者にはリアルで恐怖の設定です。(今の若い人は分からないんだろうなあ…)

タイトルの《NORAD》とは、アメリカとカナダが共同で運営している《北米防空司令部》の事で、実際にソ連(ロシア)からの攻撃を警戒しています。

核戦争というと、大陸間弾道ミサイルの応酬というイメージがあると思いますが、実はこの時代はまだ戦略核ミサイルは実用化されてなかったため、戦略爆撃機による核弾頭の投下が必要だったわけです。

◼️ルールはひたすら簡単

フルサイズのマップには、北極を中心にしてヨーロッパからアメリカ大陸までが描かれており、普段のメルカトル図法を見慣れた目からするとちょっと新鮮。

古い時代の戦争なのであえてほぼモノクロ調になっているのが渋いです。

ここにソ連の戦略爆撃機コマを置き、北極圏から早期警戒ラインを越えてカナダ、アメリカに次々と侵入させ、大都市に《核爆弾》を振らせて壊滅させていきます!(ものすごく不謹慎なゲームですね、ごめんなさい)

アメリカ側は防空戦闘機を発進させて、これを迎撃していきます。

やりかたは単純。

ソ連側爆撃機は32ユニットが侵入して来ますが、そのうち8個はデコイ(囮)です。ソ連側プレイヤーはどれがデコイなのかを悟られないように動かします。移動力は全て4で、南下さえすればよく、難しい飛行制限はありません。そして目標の都市にたどり着いたら裏面(キノコ雲)にする!ただこれだけです。

防空アメリカ側は、事前に戦闘機部隊を18ユニット、迎撃ミサイル部隊を5ユニットをカナダ、アメリカの都市に配備しますが、これも戦闘機は6ユニットがデコイ(囮)です。移動力は6なので、爆撃機が攻撃範囲に入れば発進、迎撃して撃ち落とす事ができるのです。

基本ゲームでは爆撃機の成功判定や、空中戦などのルールは無く、爆撃機は都市に入れればよく、迎撃機は爆撃機と同じマスに届けばいいだけなので、お互いにどれが本物でどれがオトリか、互いの顔色を伺いながらコマを動かしていくのです。言い切ってしまうなら、単純なハッタリ心理戦ゲームというわけです。

単純すぎる気もしますが、プレイヤーの立場はあくまでも情報画面を見ながら疑心暗鬼に攻撃司令を出す司令官なので、細かい判定は必要ないのですね。

敵の動きや配置から、相手の狙いを読み、その対応を迫られる展開は、単純ながらそれっぽいので、ちゃんと考えてプレイすれば緊迫感のあるゲームが体験できるでしょう。(テキトーにやると、単純なぶんだけ感想の薄〜いゲームになりそうなので、そこだけ注意です)

◼️多彩な拡大ゲームが可能

このゲームは何と拡張セットが同梱されており、同時にアメリカ側の戦略爆撃機をソ連領に侵入させ、ソ連側都市を爆撃!ソ連防空戦闘機がこれを迎撃する、という逆パターンゲームもできます。

拡大ゲームでは、何とその両方を同時にやるのです!

まさに2面打ちですね。

他にも好みに応じて追加ルールがたくさんあり、ざっと以下の通り。

①カナダのレーダー拠点

②キューバ側からの爆撃

③カナダ空軍

④潜水艦発射弾道ミサイル

⑤攻撃目標プロット

そして

⑥機種別空戦ルール!(デザイナー自ら《蛇足》だと言い切ってるところが笑えます。どうしてもダイスを振りたい人がいるからだそうです。笑)

このようにシンプルゆえに追加範囲が広いのが特徴ですね。

◼️なりきれば読み合いが熱い

シンプルな腹の探り合いゲームでありながら、やってる事は実はシリアスな終末戦争というリアリティがなんとも言えん味わいでした。

長考しなければ(してもあまり意味はない)本当に30〜40分程度で終わります。(ルール説明も10分程度で充分)

互いにニヤニヤしながら、そーっとニセモノを動かします。

「お前のことだからこっちはオトリだな」

「へへ〜ん、それはどうかなぁ(ギクッ!コイツ鋭いな)」

「狙いはたぶんこっちかな」

「いやぁ〜、読まれてるかぁ、笑(へへっ、引っかかったな、笑)」

って感じ。

世紀の大傑作ゲーム、とまでは言いませんが、テーマ的にも内容的にも珍しいゲームなので、機会があればぜひどうぞ♪(ただし、キューバ危機について多少な知識があるのが前提なので、オッサン世代じゃないと刺さらないかもしれません。申し訳ない、笑)

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Bluebear
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