- 1人~4人
- 80分前後
- 12歳~
- 2023年~
白鷺城 / ホワイト・キャッスル荏原町将棋センターさんのレビュー
日本の世界遺産姫路城に潜入しましょう。世界同時発売となった本作は、日本大好きイスラ&シェイの作品です。
3色の立体的な橋に昇順に並んでいるダイス。このいずれかの橋の左右どちらかの端にあるダイスを取り、アクションスペースに置きます。
置く場所は、自藩(個人ボード)の3箇所、白鷺城内の5箇所、丘の上、お菊の井戸です。
↑ 序盤ならこんな時、何も考えず白の6を取っておきたい。理由は、6との差が大きいから。ただ、ここではオレンジダイスを取り、城内1階の3の目に置けば、上2つのアクションができてお得。右下、お菊の井戸。ここにさっきの白の6を使おうものなら、「勿体無いことするな」とブーイングが殺到するだろう笑
メインアクションは、自藩内の3種の駒達を派遣することです。( )はコスト。
オレンジ…廷臣を白鷺城の城門や城内に進める(城門:2金、城内:真珠)
黒…庭師を城外の池のほとりに置く(食糧)
白…侍を武道稽古場に送る(鉄)
この廷臣、庭師、侍が、そのままこのゲームの得点源です。
あともう一つ、白鷺トラックというのがあり、これは白鷺アイコンを入手するだけで進みます。MAX15VP。
この4種類が大きなVP(終了時VP)となります。
ダイスプレイスの際、アクションスペースにはダイスの目が印刷されていて、この目より小さい目の場合、差額をお金で支払わなければいけません。反対に、大きい目の時は収入となります。このような簡単な計算技術を使うダイスプレイスメントは、マデイラ、シニョーリエ、ルチアーニの作品など、過去の重ゲーに見られがちでしたが、このゲームの特徴の一つとして、「すでに置かれているダイスの目を新しい基準として、ダイスを2階建てに積み重ねて置く」ことができます。
つまり、元の数字が変わり、もう一度同じスペースでアクションすることができます。(さすがに2階までで、3階は不可でした…)
また、過去のダイスプレイスメントなら、小さい目の時も何かしらアドバンテージがありバランスを取っているはずなのですが、このゲームでは、(特に序盤は)大きい数が正義です。これがスゴイところです。(実際は、左端の(小さい)ダイスを取った場合、灯籠ボーナスというのが貰えます)
↑ 右下、丘の上。メインアクションができる。今、白のダイス(3の目)の上にオレンジの6をプレイス。2階建てとなった。アクション前に3金の収入が入った。一つ問題なのが、武道稽古場(右上)。展開によっては、写真のようにコスト1鉄スペースに集まってしまう。コスト3鉄稽古場の蒲鉾型ボーナスアクションタイルを強力にするしかない…
メインアクションは、丘の上にダイスを置くと簡単に発動します。ダイス目は「5」。5未満のダイスではコストが掛かります。また、自藩のカードや城内のカードの中にもメインアクションアイコンは潜んでいます。ただ、自藩や城内の場合、メインアクションをするには、ダイスの色を合わせなければなりません。
メインアクションを発動したら、
・廷臣は、まず2金を払って、白鷺城門の前に送ります。さらに続けて、真珠2つを払って城内に1階分進むことができます。今門前に置いた廷臣でなく、すでに城内に居る廷臣を1階分動かすことも可能です。門前に置かず城内移動だけもOKです。城内は3階建てで、3階は天守閣となります。真珠5つを払うと、一気に2階分上がることができます。
1階(3つの間)、2階(2つの間)に入った場合、そこにあるアクションカードを取り、自藩のカードスロットに置き、そのカードボーナスが貰えます。古いカードは、裏にして灯籠の隣に並べておきます。
以上が廷臣の場合で、終了時VPは、各廷臣につき、天守閣10VP、2階6VP、1階3VP、門前1VPが貰えます。
・庭師は、6箇所ある庭カードスペースに置き、食糧を支払い、アクションをします。コストもアクションも終了時VPもカードに書かれており、コストが多いほどVPも高く、1〜9VPまであります。庭師は(廷臣も侍も)5人まで配置できます。
・侍は、3つある稽古場のいずれかに置きます。コストが1鉄、3鉄、5鉄と差があるので、アクション内容にもある程度の差があります。終了時VPは、全ての稽古場にいる侍の人数×城内に居る廷臣の数となります。なので、いくら侍が多くても、廷臣が一人も居なければ0VPです。また、5鉄の稽古場は、1人の侍を2人分として数えます。
個人ボード内の3つの自藩アクションは、資源の補充とカードアクションです。カードの中にメインアクションがあります。自藩アクションの印刷の目はどれも「6」です。また、2階建てはできません。取ったダイスと同じ色のスペースにダイスを置き、コストを払ったら、その列で開放されている部分の資源を貰い、その後、その列のカードアクションを行ないます。
↑ さっきの白6で自藩アクション。まずコストは±0。次に真珠を3つ貰い、カードアクションで家紋を1払い侍アクションを実行。侍駒を1つ取って稽古場に置き、その稽古場のタイルアクションボーナスを得て、手番終了。中央下、灯籠ボーナス。この3枚ぐらいがあれば十分強力なので、小さいダイスをドラフトできる。
5つの城内アクションですが、1階部分と2階部分の計5つの間に、直接ダイスを置きます。1階の印刷の目は「3」、2階の印刷の目は「4」です。コストを払ったら、そこにあるアクションカードのアクションを行なうのですが、内容がダイスの色で分かれています。例えば1階のアクションカード内には3種類あり、ダイスの色によっては、2種類のアクションができる場合もあります。ちなみに、アクションカードを貰うのはこのアクションではなく、前述した廷臣アクションです。
この城内アクションの中にも、メインアクションアイコンがあります。(というか、どのカードにも1つのメインアクションアイコンが含まれています)
これら3種のメインアクションを中心に、一ラウンド3ダイス、3ラウンド行ないます。手数で言うと、たった9手番です。
考察
◾️まだ方針が定まっていない序盤は、どの色でも単純に大きな目の方を取り、資源の貯まっているメインアクションをコツコツ行なっていきたい。特に、収入にもなり易い城内でメインアクションするのが一石二鳥。
◾️メインアクションをする時は、丘の上よりも、できる限り城内や自藩にあるカードのメインアクションを優先する。城内は、印刷の目が小さく収入になり易く、また、複数のアクションの可能性もある。自藩の場合は、印刷の目は丘の上より1大きいが、開放の資源が貰える。終盤は自藩アクションが強い。
◾️第3手番目は、普通、小さい目しか残らない。序盤は1や2だと、やはり城内がオススメ。1階の間の「3」の目もいいが、家紋を使わずアクションできる2階の「4」の目も考えたい。逆に、終盤はお金を貯めて、小さい目でも無理して目的のメインアクションをしよう。
◾️例えばダイスが1と2しか残っていない場合、敢えて小さい1を取って、灯籠ボーナスを貰いたい。灯籠ボーナスは、終盤は強力になる。が、中盤から積極的に取りに行きたい。
◾️灯籠の強化の仕方は、廷臣アクション1、2階で新しいカードを取ること。古いカードが裏にされ、ミニボーナスに変わり、それが累積されていく。
◾️白鷺アイコンをどんどん進める白鷺戦略は、春夏秋冬を表す冬のマスまで到達すれば大きなVPとなるが、特化はなかなか難しい。ただ、次ラウンドの順番トラックにもなるので、秋の6VPあたりを目標にして進めたい。
◾️庭師だけは、第一第二ラウンド終了時にもボーナスが出る。ダイスが最低一つでも残っている橋(の庭)にいる庭師には、再度その庭アクションカードボーナスが貰える。なので、他プレイヤーの庭師が多く存在する橋のダイスは、協力して全部使い切ってしまいたい笑
◾️明から様に補充をするのが、お菊の井戸。「ダイスの目−1金(6なら5金!)、家紋トークン、真珠や鉄などの2つの資源」というミックスセットがまとめて貰える。珍しい補充形態だが、9手番のうちの一手番を使うので、できればダイレクトでアクションしたくない…
◾️ダイスの2階建てを狙う。一見、初めに置いた方がインタラクションを与えるように思うが、プレイしてみると、目が小さくなっていることが多い笑。なので、逆に、2階建て部分に後で置いた方がコストが少ない、下手をしたら収入がある。
中終盤はコンボが効いてきて、案外アクションができるようになります。ただし、一人9手番で80分と言うのは伊達ではなく、サクサクという感じではありません。あまりに長いコンボ待ちは好みではありませんが(長考は歓迎派です)、このゲームは、策を捻り出さないと手数が無いので💦、長考は持ちつ持たれつであると考えます。そもそも長考は、ゲームシステムが誘発するものなので、策を捻り出す時間は楽しい、という共通認識も必要かなと思います。
最後に。実店舗以外で入手の際には、3枚目の写真にあるプロモタイルが封入されているかご確認を。コスト3鉄稽古場に、プロモのこの強力な蒲鉾型タイルが使えます。コスト3鉄稽古場は、「指定されたメインアクションができる」ものの、1鉄と5鉄の間に挟まれ、3鉄無い時は1鉄へ、5鉄あれば5鉄に行かれるので、優遇性が薄い存在です。このプロモタイルは、「任意のメインアクションができる」なので、かなりパワーアップします。
p.s お菊の井戸と言うのは、姫路城に本当にあるそうです。抱き合わせかと思っていましたが、イスラ&シェイは徹底的でした…
※ レビューにご感想・ご不明な部分等ございましたら、ご遠慮なく下にコメントください🙂
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私の思っているルールと違う部分があったので書き込み失礼します。
個人ボードで侍アクションを2回しているという箇所の部分ですが、説明書を読む限りカードアクションの一回しかできないように思いました。カードアクションの後にメインアクションをやるというような記載ですが、カードアクションで終わりではないでしょうか。
すみません、私の読解力がないだけかもしれません。このゲーム説明書難しいですよね。
こちらが間違っていればすみません。ご指摘ください。
そう、ここ。難しいですよね💦一昨日遊んでいた時に、オレンジダイスでメインの廷臣(藩士)アクションをした後、カード取り替えるじゃないですか。その時、新しいカードの(白地)アクションできますよね。だから私も初めはそれで終了してたんですけど、「廷臣の時だけは(元の)カードボーナス貰えないの?」って話になって、説明書読み返したら、「メインにダイスを置いたら①開放の資源②置いてるカード(同じ列)のアクションボーナス」と書いてあったので、ダイスを置いた時にその2つを先に貰ってから、該当の人物駒を置く、と判断することにしました。
この写真の場合は、白ダイスなので、その列のカードボーナスは「家紋1捨てて侍アクション」、そして(メインとして)白ダイスなので侍アクション。なので2回コンボするのかなと。
今、出先で説明書読めないし、なんかやっぱり私が間違ってる気がしてきました…助けて〜💦
修正しました。また先入観でルール曲解してました💦舞人さん、ありがとうございました!
久しぶりに面白いゲームに出会えただけに、気になってしまいました。
いつもわかりやすく投稿頂いているので貴重な情報源として拝見させていただいています。これからも投稿楽しみにしています。
それでは失礼いたします。
ありがとうございます。決して攻略法を書いているのではなく、(特に重ゲーは)戦略の個人的な感想まで書かないと伝わらないかなと思って、つい細部まで書いてしまって。なので、「情報源」というお言葉が一番嬉しいです。
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