マイセリアMycelia

「キノコの繁栄と生存戦略」と箱にありますがまさにそのとおりのゲーム。親キノコで胞子を撒いて子キノコを成菌。子キノコも胞子を撒いたり腐敗させて得点を得たり新たな子キノコを成菌させたり。時には他の菌糸体の妨害をしてキノコ成菌を防いだり。そんな感じで自分の親キノコから派生した子キノコを成菌・腐敗させてより多くの得点を集めるゲームです。

ソロプレイも可能ということで購入。ソロプレイのみですがご紹介します。

システム:リソース管理+エリアマジョリティ(妨害あり)になるのかな。1手番２アクションで胞子を必要なカラーの土壌に撒いたりそれを使って新たなキノコを成菌したり。ただし使える胞子は自分の親ないし子キノコからつながっていて、相手キノコに分断されていない必要あり。子キノコは2度胞子飛散後腐敗することで得点＆ボーナス効果に。

終了条件：誰かがプレイヤーマット5枚全てでキノコを１つ以上腐敗させ、最後の腐敗効果を適用したら即終了。

ソロ:オートマとの対戦。相手の得点を上回ることができれば勝利。専用オートマカードを使用し、記載アクションのうち実行可能な2つの処理を行う。カードの上下で難易度調整可能。

得点条件:腐敗させたキノコ＋成菌している（マットに置かれている）キノコ＋場に配置されたタイル上にある「昆虫トークン」が2個で1点＋終了条件を満たしたプレイヤーが獲得するゲーム終了トークン5点になります。

まず裏蓋。鮮やかなキノコが描かれています。

そしてインサート。こんな収まりいいのはparks以来。ハードスリーブ付けても大丈夫。偉い。

内容物としては、

キノコカード69枚、キノコトークン5個＋胞子トークン30個＋胞子カウンター5個＋親キノコトークン1個＋プレイヤーマット5枚が赤青黄白4人分、昆虫トークン20個、三角タイル50枚、風向きダイス1個、終了トークン1個とサマリー4枚。

オートマ用は専用オートマカード10枚とオートマ参照カード2枚という構成。

セットアップ(順不同)

場の配置

まずは場に12枚のタイルを六芒星型に配置。タイルに昆虫マークがあればトークンを配置。

内側6枚の何処かに自分の親キノコ、その向かい側にオートマの親キノコを１つ配置。

キノコカードを3枚公開。

オートマの配置

オートマは手札やボードの使用はなく、専用カードを使用。キノコカード5枚と昆虫トークン2つを分けておく(プレイヤー側の能力適応用)

自分の配置

プレイヤーマット5枚+キノコ・胞子トークンをのせる。キノコカードを3枚、昆虫トークン1つを受けとる

（※以降キノコトークンは「子キノコ」で紹介します）

【全体はこんなかんじ】

やれることは、①移動②飛散③成菌④発見⑤探索⑥腐敗６つ。このうち2つ(カード効果がなければ別々)アクションを実行します。

①移動

何故か親キノコは動けます。相手の親キノコがあるとこ以外は何処でも可。基本は2歩まで（腐敗効果で強化もあり）。相手の子キノコに乗せると飛散＆腐敗アクションを封じることができるので、終了トリガー妨害等にも使えるし、昆虫トークンの回収や飛散位置調整にも使います。

※昆虫トークンはこれでしか獲得できない

②飛散

親キノコは2個、子キノコはカード記載の個数胞子を出せます。１つは自分がいるところ。２個目以降はダイスにより決定。ダイス目に一致する対象キノコのいるタイルの3辺に描かれた記号の方向に飛散します。

③成菌

カード記載の胞子が場にある胞子で賄えるなら使用して発生させる。この時使用できるのは胞子が同一の菌糸体（自分の色のトークンが他キノコ等に分断されていない一塊）にあるもののみ。条件が合えば相手の色の胞子も使用可能（取説10P参照）

この時使用した胞子のあったタイル上にキノコトークンを置きますが、１タイルに子キノコは１つまで。

以降腐敗まで撤去や移動不可ですが、大体親キノコよりも多い胞子を飛散できます。

④発見

公開された3枚か山札から1枚獲得して場を3枚に補充。この時昆虫トークンを１つ使って場のキノコをリセットすることも可能。

⑤探索

新しい三角タイルを場の任意の位置に配置可能。昆虫マークがあれば合わせて配置。（親キノコの移動で取れる）

⑥腐敗

2回飛散を行った子キノコで選択可能。場から子キノコを回収し、カードをプレイヤーマット下に差し込みます。下部に描かれた効果を適用します。効果は「即時」「永続」「強化」の3種。

なお、プレイヤーマット1枚に差し込めるキノコの数に上限は無し。

ソロプレイ

オートマは専用カードをめくり上から実行可能なアクション（成菌＞腐敗＞飛散＞移動の順だけど、状況により間に探索が入ることあり）を必ず２種類実行。

オートマカードはこんな感じで見ていきます。

成菌なら黄色2つ+任意の1つで黄色タイルに子キノコ。腐敗ならオートマカード記載の効果適用。飛散なら可能な子→親の順で記載個数と方向(これはプレイヤー側の親キノコに向かって)。移動はダイス目参照といった具合。

注意点は以下。

飛散については配置済子キノコが複数あるときは、全て1回飛散後でないと2回目の飛散は選択不可。また、親・子キノコが外周タイルにいる場合は最初に「探索」実行からの「飛散」を行うので、これで2アクションになります。

移動もまずダイスを振って指定するものに向かい1マスないし2マス移動。移動ができないなら再度ダイスを振る。2回ダイスを振って動けない場合は探索を実行。

こちらが子キノコをブロックしているせいで移動しか選択できない場合は、昆虫トークンを１つだけ使って、こちらの親キノコを最も遠いタイルに移動させたあと、探索アクションを実行。これで2アクション。

終了条件は①プレイヤー側が各プレイヤーマットでキノコを1つ以上腐敗させる（通常と同条件）②オートマが5個目のキノコを腐敗させる　のどちらかを満たしたとき。②を満たしたときなら腐敗キノコ1個5点×5個25点と昆虫トークン（2個1点）を加算した得点（オートマは終了トークンを取らない）との勝負。①の場合はそれ以下の得点での勝負になります。

【終了時の盤面:オートマが5個腐敗させて終了】

こちらは左から４＋３＋５＋３＋５＋２＋３＋１（トークン２個）＝26点

オートマは5個腐敗25点＋トークン4つの2点で27点。1点差で敗北。

細かいところは取説参照。ざっくりですがこんなかんじです。

ゲーム性:箱記載の「キノコの繫栄と生存戦略」の文字に偽りなし。意外と妨害要素多めなゲームでした。主な得点源&終了トリガーがキノコを腐敗させることなので飛散させて必要な胞子を確保しないと成菌できない。飛散させても自分のキノコ１つに連なってないと使えないので、親キノコの移動や子キノコ配置でネットワークを分断したり、親キノコで相手の子キノコに乗って飛散や腐敗をブロックできる。なのでいかに自分の必要胞子を確保しつつ妨害するかが肝。

乗りっぱなしを防ぐためトークンや他のキノコ腐敗効果でどかしたりもできる。トークンは終了時得点になるので、使って退けるか他のキノコの腐敗進めて得点稼ぐかという選択もあり。

アートワーク:キノコは程よくリアルめ。カードを見るだけでもちょっと癒される。昆虫トークンは苦手な人にはアウト(ちょっとアウトでした…)

ソロプレイ:カードめくって上から2つ実行するだけではあるんですが、「複数選択できる場合はよりプレイヤーがイヤな方」とかちょっとプレイヤー依存のとこあり。全部カード依存のがありがたい。そしてダイス目にもよりますが、いい感じに親キノコが妨害に来ますので、こっちも速攻でいくか、妨害&複数腐敗で稼ぐかを手札や場のキノコカードの点や効果を見て寄せていける感じ。

ただ、プレイヤーマットはダブルレイヤーなのにオートマ用はカードというのと、トークン置くカードの裏に動きの説明してるというのがちょっと残念かな。

スペース:タイルが結構広がるので、110✕70はあった方がいいかな。

ということで、思ったよりがっつり妨害が入るゲームでした。若干動きに迷う（特に成菌のネットワーク確認）ところが出たりもしますが、迷ったときはより厄介な方を選択ということで整理。アートワークやテーマは刺さる人には思い切り刺さる仕様かと。おすすめかと言われると結構人を選びそう。気になった方は一度どこかでプレイしてからの方がいいかもしれません。個人的にはゲーム的にもソロ目的で見ても割と好みな感じでした。