ペンデュラム・ドールズ：新装版汐月かなみさんのレビュー

パートナーのドールとともに、地上を目指す

ソロプレイを終えたレビューになります。

・結論から
かなりゲームブック感、TRPG感が強め。初見でもワンプレイ30分程度。
ボスの「エニグマ」に記されたストーリーがとても印象的。シナリオのネタバレゆえ多くは語らないが、これだけは言わせてほしい。ドールの狂愛、いいよね。
こっちのアタック4であちらが8という初期値には絶望感が半端なかった。クリティカル万歳。
探索要素は軽めで、ほとんどボス戦、戦闘部分に全振りした感じ。ただ短いながらも探索でクリティカル特化とかイカサマ重視でエネルギーかき集めるとか、キャラビルドが仕上がってくのは面白い。

・良かった点
イラストの親和性
イラストと世界観がよくあっている。

エニグマに記された「ストーリー」
狂愛にして純愛。世界観とフレーバーにも合致したシナリオ。人の好みは分かれるとは思うが、私はすごくいいと思った。

・クリティカルレベルとファンブルレベル
初期ではダイスの6がクリティカル、1がファンブルというTRPG等の経験者なら割と慣れ親しんだシステム。
しかしこのクリティカルレベルとファンブルレベルがある種のイカサマめいた面白さを生み出している。
ファンブルレベルが上がるごとにファンブル判定が1つ増え、クリティカルレベルが1つ上がるごとにクリティカル判定が1増える。
具体的には、クリティカルレベル3ではサイコロで４以上を出せばもうクリティカルだし、ファンブルレベル３だと出目が3以下なら容赦なくすっぽ抜ける。これにより強い武器でもファンブルが上がるのは避けたくなるし、クリティカル上げるのがシンプルに強い。

・気になった点
・装備の概念
装備ポケットで私はつまづいた。装備そのものの説明は出てくるが、ポケットの方にあまり触れられてないので「装備何枠だ？」となった。
拠点で出来ること、アイテムの装備のところに一緒に触れていれば混乱する人は減りそうだなあとは思った。
ようするに青の装飾スロット、赤の武器スロット、そして上の拡張スロットの3枠あると覚えておけば問題なし。

・フレーバーがもうちょっと欲しい
設定資料集があるので気になる人はそちらでいい気もするが、探索場所に1行程度のフレーバーがあったらもっとエモさが増した気もする。贅沢言ってるかも。

・ソロプレイの単調さ
時世的にソロプレイでルールをおさらいできるだけでもありがたいので、わがままを言ってる自覚はある。
割とソロプレイでも2人プレイ基準（ドール2体）で問題ないような気がした。

・まとめ
対戦モードは遊べてないので、そちらも気になるところ。
クリティカルレベルとファンブルレベルの存在で、ダイスゲーでありながら強くした実感、確率を通せる期待感等成長をある程度実感出来るのも良かった。
TRPG好きには軽すぎるが、フレーバーからロールプレイを愉しむゲームの入門としてはすごく良さそう。がっつりシステムありきでボードゲームをしたいって人には向かない気がした。でも、このゲームに興味持つ人の大半がフレーバーな気はする。

エニグマの愛は確かに受けとりました。